12/21 ひとりビジネス⑮

第7章

【未来編】

常に「Why」を問い続ける

 

あなたがめざすべき未来は、どのポジションにあるのか?

ここまで「ひとりビジネス」に関する基本的なフレームワークをお伝えしてきましたが、すべてを理解しても、すべての人が成功するとはかぎりません。

うまくいかないこともあるでしょう。人間関係に悩むこともあると思います。

「これから、どう進めばいいのか、わからなくなった」

と嘆くようになるかもしれません。

そんなときは、あなたが今、どのポジションにいるのかを確認しましょう。

あなたの「ひとりビジネス」が、世の中のどこにあるのかを確かめるのです。

次の図「意識とパワーのマトリックス」を見てください。

 

意識とパワーのマトリックス

意識の高低とパワーの強弱を基準にすると、下のような マトリックスに整理できる。 あなたの 「ひとりビジネス 」 がめざす場所を確認しよう。

ひとりビジネスがめざすポジションはココ

意識は高いがパワーは弱い[意識高い系】

意識が高くパワーも強い【ひとりビジネス】

意識が低くパワーも弱い【行動力のない人】

意識は低いがパワーは強い【精神に欠ける人】

 

縦軸は、あなたの「意識の高さ・低さ」です。

人の役に立ちたい、社会に貢献したいなどを意識する度合いを表します。横軸は、あなた自身の「パワーの強さ・弱さ」を表します。周囲の人を巻き込み、影響を与える力の強さの度合いを示します。

たとえば、意識高い系と揶揄される人)は「意識は高いが、パワーは「弱い」の領域に入ります。論理や知識は十分なのですが、残念ながら実行力が伴いません。

一方、詐欺まがいのやり方や違法すれすれの取引で稼ごうとする人は、「意識は低いが、パワーは強い」の領域にいます。実行力があり稼ぐ力もありますが、遵法の精神が欠如しています。

そして、「ひとりビジネス」をする人がめざすのは、「意識が高く、ワーも強い」という領域です。どうですか、すばらしいと思いませんか?「ひとりビジネスがめざすのは、『幸せな成功者』の領域です。

少しくらい失敗しても、あきらめないでください。

失敗は成功のマイルストーン。早い段階で「小さな失敗」をたくさんす

ることが、大きな成功への近道なのです。

 

ミッションとビジョンを決めれば、あなたは無敵!

では、もう少し具体的に、成功を勝ち取る方法をお伝えしましょう。「ひとりビジネス」を成功へ導くカギは、「ミッション+ビジョン」が握っています。

「ミッション」とか「ビジョン」とか、なんだかよくわからないという人もいるかもしれません。1つずつ説明しましょう。

まず「ミッション」とは、「使命」のこと。使命とは、命の使い方。「残された自分の生命エネルギーを、どこに使うのか?」を決めることです。自分のミッションに気づいたとき、人は命のエネルギーをどんどん活性化させることができます。

次に、「ビジョン」。ビジョンとは、「志」のこと。志とは、自分と自分以外の命の輝きのためになしとげたい目標。あなたの「理想とする世界」、または、あなたの「ゴールイメージ」です。

「ミッションやビジョンなんて、なんだか難しそう」

「そんなことよりも、月3万円のお小遣いを稼げれば十分」

などと考える人もいるでしょう。

でも、ミッションとビジョンを決めることは、とても大切です。

「ひとりビジネス」のミッションとビジョンは、夜空の北極星(ポラリス)のようなもの。「どんなときも、それを見れば方角がわかる」というように、しっかりとした「ブレない軸」になるものです。

ミッションとビジョンがクリアにならないと、あちこち迷走するばかりで、ビジネスがうまくいきません。人から応援してもらうことも望めません。

「ひとりビジネス」を成功させたいなら、あなたのミッションとビジョンを決める必要があるのです。

 

ミッションとビジョンを決めよう!

ミッションとビジョンを決めれば、 それがどんなときでも白分軸を示す北極星 (ポラリス) になる。

ミッション=使命

エネルギーをどこに向けるのか?

ビジョン = 志

ゴール= 理想の世界

ミッション + ビジョンが

あなたの軸になる

 

究極の質問でミッションとビジョンにたどり着く

ミッションに気づくための究極の質問があります。

それは、精神科医で心理学者のヴィクトール・フランクルによる人生の意味を見つけるための問いです。ちなみに、フランクルの代表作は、彼自身がナチス・ドイツの強制収容所を生き延びた生々しい体験を描いた世界的ロングセラー『夜と霧』です。

質問は3つあります。

【ミッションを見つけるための質問】

1.「私は、この人生で、今、何をすることを求められているのか?」

2.「私のことを本当に必要としている人は誰か?その人は、どこにいるのか?」

3.「その誰かや何かのために、私にできることには、何があるのか?」

どれも、「人生の根っこ」へのとても強力で深い究極の問いかけです。に、質問1に注目。「人生に何を求めるか」ではなく、「自分が何をするこ

とを求められているのか」と尋ねています。

さあ、あなたも、自分に向かって問いかけてみてください。

じっくり時間をかけて考えてもかまいません。

では、あなたのビジョンを見つけるために、何をすればいいのか?

これも、とっておきの方法を紹介しましょう。

それは「なんの制約もなければ」と仮定した2つの質問を、自分に投げ

かけてみるという方法です。

【ビジョンを見つけるための質問】

①「なんの制約もなければ、どんなふうに暮らしたい?」

②「なんの制約もなければ、どんなことをしたい?」

 

すると、理性や論理をつかさどる「左脳的な思考」が働き出してしまいます。

そもそも、ビジョンとは、右脳的な感性やイメージする力で描くもの。ですから、まず、その制約をはずすことが大切です。

「なんの制約もなければ」で制約をはずさなければ、心から望んでいる風景が見つからないのです。

どうですか?ビジョンが見えてきましたか?

時間をかけてもかまいません。ミッションとビジョンがクリアになるまで、納得いくまでたっぷり考えてみましょう。

 

「イメージカ」こそが、 右脳の最大の魅力

普段の生活では、 左脳が活発に働く。 「なんの制約もなけ れば」 の質問で右脳にスイッチしよう。

右脳…性感・感覚

左脳…理性・論理

右脳モードに切り替える

 

ミッションとビジョンを脳裏に焼きつける

あなたの「ひとりビジネス」を成功に導くために、まずミッションを言語化してみてください。自分のミッションを書いたものは、「ミッション・ステートメント」と呼ばれています。

一方、ビジョンはビジュアル化しましょう。図にしたり、絵にしたり、写真を活用したりしてもかまいません。こうやってビジュアル化したもの「ビジョン・マップ」といいます。「ひとりビジネス」のゴールとなる世界自分の心の中のスクリーンに、ビジュアルとして投影するのです。

次の図の空欄に記入してみましょう。

 

※仕様上、電子版では書き込むことができません。

あなたのミッションとビジョンを記入しよう

ミッションもビジョンも、目に見える状態にしておく。

あなたのミッションは……

フレーズを書く

あなたのビジョンは……

絵を描く

 

この言葉と絵のダブルパワーが、今後の「ひとりビジネス」の強力な推進力につながっていきます。

「あなたのミッションを教えてくれますか?」と聞いたときに、

「今、手帳を持っていないので、すぐには言えません」などと答える人がいます。

自分の北極星(ポラリス)であるミッションをスラスラ言えないのは情けないこと。どんなときでも、迷わずに堂々と言えるようにしてください。また、ビジョンもすぐにイメージできるようにリマインドしておきましょう。

自宅のデスクのよく見えるところに、ミッションステートメントとビジョン・マップを描いた紙を貼るのは、いちばんシンプルな方法。タブレットPCやスマホの待受画面に表示するという方法もあります。

毎日どこかで、ミッションとビジョンをリマインドする習慣を持つことが大切です。

 

「ブレている」と感じたときは、「Why(なぜやるのか)」で原点へ

「ミッションを文字にした、ビジョンも絵にした。でも、なんだかブレてるなあ」

そう感じたときは、とにかく原点に戻ることが大事です。

原点に戻るとはどういうことか?

それは、「Why(なぜやるのか)」を考えるということです。

「What(何をやるのか)」や「How(どのようにやるのか)」よりも大事なのが、この「Why(なぜやるのか)」です。

なぜ、自分はこの「ひとりビジネス」をやっているのか?なぜ、この仕事に意味があるのか?なぜ、売り上げをアップさせることがいいことなのか?

この根っこの部分が、もっとも重要です。

「Why(なぜやるのか)」という問いに、しっかり答えることができるのであれば、あなたは、根本的にブレているわけではありません。

たとえ、一時的にブレるようなことがあったとしても、すぐに自分の

ミッションに戻ってくることができるでしょう。

「誰がなんと言おうと、これが自分の軸だ!」と言えるようにする。

つまり、それこそが、あなたの根っこです。

「ひとりビジネス」は、あなたの根っこから芽を出し、やがて幹となり、たくさんの葉をつけて、やがて大輪の花を······というように大きく育てていくのです。

ミッションやビジョンを見失いそうになったときは、「Why(なぜやるのか)」と問いかけて、自分自身の根っこを見つめ直してください。

 

あなたの軸になるもの = Why?の答え

ミッションやビジョンを見失いそうになったら、 「なぜやる のか?」と自分に問いかける。 その答えが、 ミッションやビジ ョンを再確認するきっかけになる。

What?何をやるのか?

Why?なぜやるのか?

How?どのように やるのか?

答え

○○を××にしたいから

戻る

ミッション + ビジョン

 

応援される人が持っている共通点

「ミッションやビジョンはクリアなのに、ビジネスがうまくいかない。どうすればいいでしょう?」

そんな相談を受けることがあります。

原因はほとんどの場合、ひとりよがり。自分だけがミッションとビジョンを理解しているケースです。つまり、周囲の人と共有できていないのです。

人が何かをできない理由は、3つあります。

「お金がない」「時間がない」「興味がない」のどれか。

あなたが道行く人に募金をお願いしたとしましょう。すると、人は、この3つの理由で断ります。

「寄付するお金がないから、NO!」

「急いでいて時間がないから、NO!」

「興味ないんだよね、ごめん!NO!」

どうですか?確かにそんなものですよね。

では、逆を考えてみましょう。

あなたが応援したくなる人のことを頭に思い浮かべてみてください。あなたはその人のことを、なぜ、応援したくなるのでしょうか?

きっと、その人は、あなたにお金がなくても、時間がなくても、興味がなくても、そんなことは関係なく人を魅了してしまうミッションとビジョンを持っています。

これこそが、「ひとりビジネス」を成功に導く最重要事項なのです。

力強いミッションとビジョンは、エンロールする(他人を巻き込む)パワーを持っています。知らず知らずに巻き込んでしまうから、ビジネスがうまくいくのです。

あなたの周りの人たちが、

「よし!それなら、ぜひ協力するよ!」

「何か私にできることあったら遠慮なく言って!」

と言いながら積極的に力を貸してくれるような、パワフルでワクワクするミッションとビジョンを、どんどん発信していきましょう。

どうですか?あなたのミッションやビジョンは、自己満足に終わっていませんか?ミッションやビジョンを伝えたとき、相手がどんな反応をするかチェックしてみましょう。

反応を見るポイントは、次の2つです。

【ミッションとビジョンのチェックポイント】

①聞いた人の記憶に残っているか?

②聞いた人が他人に伝えたくなったか?

自分だけが納得しているミッションやビジョンは、完成しているものとは言えません。

あなたのミッションやビジョンを伝えた人に、「今も覚えているか?」「聞いたときにどう感じたか?」と率直に尋ねてみましょう。「さわズー」の習慣で、取材してみるのです。

ホンモノかどうかを見分ける方法は、もう1つあります。あなた自身の反応で判断する方法です。

自分のミッションを声に出して読み上げたときに、しっくりこないようなら、それはホンモノのミッションではありません。自分のビジョンをイメージしたときに、ちっともワクワクしないようなら、それはホンモノのビジョンではありません。

魂が打ち震えるくらい、わけもなく感動してしまう。そこに向かって突き進んでいける気がする。課題や壁はあるけれど、そんなものを打ち破る

パワーが体の底から湧いてくるような感覚がある。

あなたのミッションやビジョンがホンモノなら、そう感じられるはずなのです。

はじめからいきなりホンモノにたどり着ける人は、ごくわずかです。自分も他人も納得できるようになるまで、何度でもブラッシュアップしましょう!

 

ホンモノかニセモノかを自分で見分ける方法

ミッションやビジョンを確認したとき、全身にパワーがみなぎるような状態になるならホンモノ!

ビジョンをイメージする

ミッションを声に出して読む

ワクワクする

感動する

魂が震える

ホンモノ

空々しい

しっくりこない

作文のようだ

ニセモノ

 

未完成でもかまわないから、アウトプットせよ!

会社の寿命は、どんどん短くなっています。

起業して法人化した会社が、3年ももたずに倒産してしまうのは、めずらしいことではありません。「なんだか儲かりそうだから」というだけの理由でビジネスをしていると、いずれ壁に突き当たるのも当然です。

だからこそ、しっかりした「ブレない軸」が必要です。人を巻き込むパワーを持ったミッションやビジョンが求められている理由も、そこにあります。

ただし、はじめから完璧なミッションとビジョンを求める必要はありません。最初は、フワッとしていてもいいんです。ミッションやビジョンをしっかり固めてから「ひとりビジネス」を始めようというスタンスだと、インプット人生のまま終わります。

ミッションとビジョンは、絶対のものではないのです。一度書いたもの見直してブラッシュアップしてOKなのです。ふとした気づきや直感や感動をもとに、どんどん修正していきましょう。

むしろ、修正したほうがベターです。

「ひとりビジネス」があなたを成長させてくれます。始めるときには想像もつかなかった出会いもあるでしょう。あなたが見る世界が、あなたの魂の成長とともに、変化していくのは当然のことなのです。

大事なのは、未完成でもいいから、まず発信すること。迷う必要はありません。

発信”こそが、あなたの成長”のマスターキーなのです!

 

ミッションもビジョンも現在進行形で修正

あなたの成長とともに、 ミッションやビジョンも変化する。 走りながら、改善しながら突き進もう!

 

 

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