11/30 W E B ライティングの 教科書

人を動かす13の文章テクニック

ここでは、文章を通して人に行動してもらいたい時に使えるテクニックを厳選してお伝えしていきます。

「この商品を買ってください」

「今すぐ資料請求してください」

これだけでお申し込みが殺到するのでしたら、誰も苦労などしません。

人に行動を促すのはとても難しいことなのです。

そこで、これから紹介する効果実証済みのテクニックを試してみてください。

具体的には、まず「信頼度を上げる4つのテクニック」

信頼できない人が何を言っても信じてもらえないので、行動を促すためにはまず信頼度を上げる必要があります。

そのためのテクニックがこちら。

  1. 主張の一貫性
  2. 主張したら理由を述べる
  3. 権威性
  4. デメリットを伝える

次に、「共感度&親近感を得るための3つのテクニック」

人間は「共感できる人・身近に感じる人」の言うことを聞きやすくなる傾向があります。

そのためのテクニックがこちら。

  1. 読み手にフォーカスを当てる
  2. 読み手との共通点を探す
  3. 弱み・人間味を見せる

最後に、「価値を伝える6つのテクニック」

たとえ同じ商品サービスでも、伝え方によってその価値の感じ方が違ってきます。

そこで、価値や魅力を最大限に伝えるテクニックがこちら。

  1. フレーミング効果 
  2. アンカリング効果 
  3. イエス・セット 
  4. たとえ話 
  5. イメージさせる 
  6. 相手の価値観を尊重する

これら全て合わせて13個のテクニックになります。

「商品を購入してほしい」「URLをクリックしてほしい」「問い合わせしてほしい」など、人に行動を促すあらゆる場面で活用してみてください。

では、1つずつ見ていきましょう。

信頼度アップのテクニック1主張の一貫性

主張に一貫性がなく、頻繁にコロコロと変わる情報発信者は信用されにくいものです。

例えば、先週まで

「仮想通貨をやりましょう!」と言っていた人が、今週になって、

「まだ仮想通貨やってるんですか?これからはオンラインサロンの時代ですよ」

と言い始めたら、あなたはどう感じるでしょうか?

また、

「初心者が稼げる魔法のようなノウハウなんてないから、変な夢を見ないで、まずは初心者を卒業する努力をしましょう」

と主張していた人が、

「稼ぐためには知識やスキル、マインドセットなんて不要です。このノウハウがあれば誰でも簡単に1000万円稼げますよ!今すぐ買った方がいいです」

みたいな情報商材をゴリ押しし始めたら・・・

また、

「初心者が稼げる魔法のようなノウハウなんてないから、変な夢を見ないで、まずは初心者を卒業する努力をしましょう」

と主張していた人が、

「稼ぐためには知識やスキル、マインドセットなんて不要です。このノウハウがあれば誰でも簡単に1000万円稼げますよ!今すぐ買った方がいいです」

みたいな情報商材をゴリ押しし始めたら・・・

信頼度アップのテクニック2 主張したら理由を述べる

何かを主張したら、その後すぐに理由を述べることで説得力を高めることができます。

いくつか具体例を紹介してみましょう。

例1)

【主張】太りにくい体質を目指すなら、筋トレをおすすめします。

【理由】なぜなら、エネルギー消費の大半を占めるのは基礎代謝ですが、筋肉量が増えることで基礎代謝も上がるからです。

例2)

【主張】情報発信のメインが動画になっても、ライティングスキルは必要です。

【理由】なぜなら良い動画を作るためには台本が必須であり、その台本作りにはライティングスキルが使われるからです。

例3)

【主張】あのレストランはかなりオススメですよ。

【理由】どの料理も美味しいですから。

主張と理由をセットでお伝えする例を紹介しましたが、「理由があること自体」が重要であり、「理由の内容」はそれほど重要でない場合もあります。

例えば先ほど紹介した3つ目の例、

「どの料理も美味しいですから」

この理由にはあまり意味がありません。

オススメするレストランなわけですから、美味しいのは当然と言えるでしょう。

ですが、「理由がある」というだけで、ふしぎと文章全体の説得力が増すのです。

「主張したら理由を述べる」

これを意識しながら文章を組み立ててみてください。

信頼度アップのテクニック3 権威性

「著名人」や「公式データ」などの権威を借りることで、信頼度を上げることができます。

例)

「年金などは期待できないので、今から資産形成しておかないと老後はつらい思いをすることになるでしょう」

「金融庁は『老後の生活費は公的年金だけでは足りず、2000万円の蓄えが必要』という報告書を発表しました。

つまり、今から資産形成しておかないと、老後はつらい思いをすることになるということです」

※”金融庁の報告書”という公的な発表を持ち出すことで、「今のうちに資産形成する必要がある」という主張の信頼度が増す。

例2)

「多くの人は失敗を恐れて行動しなかったり、少し失敗しただけで諦めてしまう傾向があります。

ですが、本当に大切なのは失敗をどう次に活かすかということなのです」

「多くの人は失敗を恐れて行動しなかったり、少し失敗しただけで諦めてしまう傾向があります。

ですが、本当に大切なのは失敗をどう次に活かすかということなのです。」

偉大な成功者も以下のような名言を残しています。

『成功を祝うのはいいが、もっと大切なのは失敗から学ぶことだ(ビル・ゲイツ)』

『成功するのは1000回に3回ぐらいしかない。成功するためには失敗は必要悪(増田宗昭)』

『成功するまで続けたら失敗ではなく経験になる(長谷川穂積)』

※たとえ同じメッセージであっても、著名人の言葉を借りることで説得力が増す。

このように、自分がその分野の権威でなくても、公的なデータや著名人の力を借りることで自分の主張に説得力を持たせることができます。

ただし、権威を借りるだけで終わってはいけません。

読み手は権威のファンになることはあっても、あなたのファンになることはないからです。

あくまでも、「自分の主張に対する信頼度を高めるために権威の力を借りる」ということを忘れないでください。

信頼度アップのテクニック4  デメリットを伝える

大抵のものごとにはメリットだけでなく、デメリットも存在しますよね?

あえてこちらから先にそのデメリットを伝えることで、より大きな信頼を獲得することができます。

指摘を受ける前にデメリットを伝えることで

「この人は都合の悪いことを隠さない」

という印象を与え、それが信頼を得ることに繋がるからです。

ただし、デメリットを補って余りあるほどのメリットを同時に伝えるようにしましょう。

デメリットの方が大きい場合は、当然そのサービスに魅力を感じられなくなってしまいます。

また、あとに提示した内容の方が強い印象を与えるので、話す順番は「デメリット→メリット」が鉄則です。

例1)

「稼ぐ手法は様々ありますが、その中でもメルマガはやることが多くて難しく、初心者には敷居が高いというデメリットがあります。

ですが、他の手法に比べると「収益の安定性が抜群」「稼げる額が桁違い」

「完全自動化」という大きなメリットがあるのです」

例2)

「このツールは旧バージョンなので、最新版に比べると足りない機能もあります。

ですが、基礎的な機能は全て兼ね備えているので、不便に感じることはほとんどないはずです。

さらに価格は最新版と比較して60%オフと、かなりお得になっています」

読み手が知りたいデメリットを先に伝えることは、何かしらの提案をする際に抜群の効果を発揮するので、ぜひ活用してみてください。

では、次からは「共感&親近感アップのテクニック」に移ります。 

共感&親近感アップのテクニック1読み手にフォーカスを当てる

多くの読み手にとっての関心事は、「その情報が自分にとって有益か?」ということです。

あなたの熱烈なファンでもない限り、あなたのことにはそれほど関心がありません。

ですので、情報発信をする際は読み手にフォーカスを当てることを意識しましょう。

具体的には、「一人称(僕・私など)を多用しない」ということです。

一人称が多用された文章は、どうしても「自分語り」のような印象を与えてしまいます。

例)

「僕は、稼ぐためにはライティングスキルが重要だと思っています。僕が稼げるようになったのも、ライティングスキルを磨いたからです。そこで、今回は僕も実践しているライティング上達法を紹介します」

短い文章の中に「僕」が3度も使われており、自己主張が強い印象を受けるかと思います。

そこで、以下のように書き直してみてはどうでしょうか?

「稼ぐためにはライティングスキルが重要です。あなたもライティングスキルを磨けば稼げるようになるでしょう。そこで、今回は実践的なライティング上達法を紹介します」

文章の内容自体はあまり変わりませんが、

「稼ぐためにはライティングが重要」という客観的な事実。

「あなたも稼げるようになる」という読み手にとってのメリット。

「実践的な上達法」という読み手にとってのメリット。

このように、自己主張ではなく読み手主体の文章になっています。

一人称を多用してしまった場合は、

「もっと読み手にフォーカスが当たるように書き換えることはできないか?」

と意識して文章を組み直してみましょう。

共感&親近感アップのテクニック2  読み手との共通点を探す

人間は何かしらの共通点があれば、それをきっかけに相手に対して親近感を抱きやすくなる傾向があります。

そこで、些細なプライベートなことやパーソナルな部分を伝えてみるのも効果的です。

例えば、

「先週、地元の北海道に帰省しました」

と伝えることで、

  • 北海道に住んでいる
  • 地元が北海道
  • 北海道が好き
  • 旅行で北海道に行ったばかり

このような人たちから親近感を抱かれる可能性があります。

そこまで大きな効果はなかったとしても、少なくともマイナスになることはないでしょう。

ですので、

  • 地元のこと
  • 飼ってるペット
  • 好きな映画

など、適度に自分のプライベートやパーソナルな部分を公開してみてください。

ただし、「適度に」というところがポイントで、サラッと余談、補足程度に留めておくことが大切です。

あくまでも情報発信で意識すべきなのは読み手にフォーカスを当てることですからね。

共感&親近感アップのテクニック3  弱み・人間味を見せる

普通は隠したがるような弱みや人間味を見せることで、共感・親近感を得やすくなります。

例えば、健康の情報発信をしている方も、常に完璧な生活をしているわけではないでしょう。

たまにはスーパーで惣菜を買ったり、ラーメンを食べることがあるかもしれません。

そういう姿を見せることで、

「いつも完璧に見えるけど、先生も私達と同じでたまにはラーメンとか食べるんだ」

という親近感を抱かせ、一気に距離を縮めることができるのです。

完璧に見える人間には近寄りにくいものですから、あえて弱みや人間味溢れる部分を晒してみてください。

ただし、「発信者のブランドが傷つかない程度に留める」ということを注意しましょう。

例えばダイエットの情報発信をしている人にとって、「仕事で失敗した」という弱みはそれほどブランドに影響しないですよね?

ですが、「ダイエットに失敗して大幅にリバウンドした」という弱みはどうでしょうか?

ダイエットの情報発信者としての信頼度が落ち、ブランド力もなくなってしまいます。

「どのような弱みを、どの程度晒すのか?」

このバランスを考えながらお伝えしていきましょう。

では、次からは「価値を伝えるテクニック」に移っていきます。

価値を伝えるテクニック1  フレーミング効果

「同じ内容であっても、表現方法によって違う印象を与える」

これをフレーミング効果といいます。

ここでオススメする活用方法は、

  1. 具体性を付け加える
  2. 言い回しを変える

この2つです。

1.具体性を付け加える

たとえば以下のノウハウがあったとします。

「毎月3万円稼ぐ方法」

ネット上に溢れている、ありきたりな情報っぽいですよね。

では、このように具体性を付けてはどうでしょうか?

「20年間、完全自動で毎月3万円稼いでいる方法」

「実践直後から、継続的に毎月3万円稼ぐ方法」

同じ「毎月3万円稼ぐ方法」ではありますが、受ける印象が全く違ってくるはずです。

他にも、

「3キロ痩せる方法」→「食事制限&運動なしで3キロ痩せる方法」

「英会話の上達方法」→「聞き流すだけで英会話が上達する方法」

「おいしいお水」→「富士山麓で採水されたおいしいお水」

このように具体性を加えることによって、大きく印象を変えることができます。

2.言い回し・表現を変える

2つ目の方法は付け加えるのではなく、表現そのものを変えてしまう方法です。

では、3つほど具体例を紹介していきましょう。

例1)

「10人いれば1人は失敗します」→「成功率90%です」

ここではネガティブではなく、ポジティブな部分を強調しています。

どちらも同じ意味ですが、「成功率90%」の方が成功しそうな気がしませんか?

例2)

「アミノ酸配合ゼリー0.11」→「アミノ酸配合ゼリー100ml」

量の多さを強調したいために、単位を小さくして数字を大きくしています。

例3)

「月額1万円」→「1日あたり約333円」

こちらは価格の安さを強調した例です。

このように、表現方法を変えることによって違う印象を与えるのがフレーミング効果になります。

読み手に与えたい印象に合わせて活用してみてください。

価値を伝えるテクニック2  アンカリング効果

「予め提示された情報が、意思決定に強く影響を与える」

これをアンカリング効果と言います。

セールの値札で、「7980円→4980円」とセール前の価格が訂正されて、セール後の価格が表示されているのを見たことがあると思います。

これは、「元々は7980円だった」という情報を意図的に与えて、セール後の4980円をより安く見せるというアンカリング効果を狙ったものです。

「残り18名」と記載するより、「先着100名→残り18名」とした方が、残りわずかという印象を与えることができます。

さらに、もっと早い段階で情報を与えていくのも効果的です。

例えば、

「人にモノを売る文章、コピーライティングを磨くには最低3年の訓練が必要」

「独学で身につけるには限界があるので、10万円のセミナーなどにも参加する価値がある」

「それほどコピーライティングを磨くのは大変なことだが、このスキルが身につくと集客や収益に一生困らなくなる」

このような情報を与え続けた後に、

『たった1日でコピーライティングの基礎が学べるセミナー:参加費9800円』

みたいなオファーをするのです。

読み手は、オファーされる前の段階で

  • コピーライティングは一生モノのスキル
  • 身につけるには長年の訓練が必要
  • 独学では限界があり、高額プログラムにも価値がある

という印象を植え付けられているので、「このセミナーはコスパが良い」と感じるはずです。

少なくとも、ちょっと話を聞いてみようという気持ちになるでしょう。

このように、前振り段階でオファーの価値を植え付けるのも、有効なアンカリング効果の使い方になります。

価値を伝えるテクニック3  イエス・セット

人間は一度自分で決断してしまうと、なかなか取り下げることができないという心理が働きます。

そこで小さなYESを積み重ねて、NOと言えなくさせてしまうという手法がイエス・セットです。

具体的には、以下のような感じになります。

例)

「女性にモテないよりは、モテる方がいいですよね?→YES

でも、イケメンや話し上手じゃないと、モテるのは難しそうですよね?→YES

ブサイクで話し下手でもモテることができたら嬉しいですか?→YES

実は誰でも簡単にモテる方法があるのですが、これから少しお話してもいいですか?→YES」

このように「YES」を積み重ねていくことで、「NO」と言いにくい状況を作ることができるのです。

「ブサイクで話し下手でもモテたら嬉しい」と言ったばかりなのに、「その方法については知りたくない」ということは、少し前の自分の発言が嘘だったということになりますからね。

上記はわかりやすいように誘導尋問のような例にしましたが、立て続けに質問を連発するというわけではありません。

文中のところどころに「YES」を引き出す質問や、「たしかにその通りだな」と感じられる情報を入れて構成していくということです。

「NO」「いや、私はそうは思わない」と感じられる部分がないように文章を組み立てるとも言えます。

このテクニックは必ず「YES」を引き出すことがポイントになるので、本書の冒頭でお話した「誰に伝えるのか?」を想定していなければいけません。

例えば、

「お金はないよりあった方がいいですよね?」

この質問に対する回答は、一般的には「YES」になると思います。

ですが、お金よりも自由な時間がほしい人にとっては「NO」となるでしょう。

読み手によっては、

「お金も大切だけど、使う時間がないほど忙しくては意味がないですよね?」という質問の方が適切かもしれません。

このように、想定する読み手や今後展開したい話題に合わせて、質問を考え る必要があります。

価値を伝えるテクニック4  たとえ話

たとえ話を使ってわかりやすく表現するのも、伝える文章では重要になります。

例えば、ブログ初心者の人にサーバーやドメインを解説する時、専門用語を使うと余計ややこしくなるでしょう。

そこで、

サーバーは「インターネット上での土地」

ドメインは「インターネット上での住所(https://○○.com)」

ブログは「インターネット上にある家・お店」

このように伝えてはどうでしょうか?

このようなたとえ話には明確なテクニックなどなく、表現力や語彙力が試されるところになります。

ちなみに僕は漫画からヒントをもらうことも多いです。

例えば、

「ONE PIECEのルフィが本気で修行を始めたのは兄のエースを死なせて自分の無力さを知った時。このように、挫折は大きな成長のチャンスでもある」

「孫悟空がスーパーサイヤ人になったきっかけは怒りという感情であり、修行によるものではない。スキルも大事だけど、一気に成長するためには感情やマインドセットによるところが大きい」

このようにビジネスと漫画のシチュエーションを関連させるイメージでしょうか。

たとえ話を活用するのは難しいですが、

「この表現、どこかで使えそうだ」

「自分が発信しているテーマに置き換えるとわかりやすい」

という気づきを得るためにも、日頃からアンテナを張り巡らせていきましょう。

価値を伝えるテクニック5  イメージさせる

文章の背後にある光景をイメージさせることも効果的です。

例えば以下の文章。

「たしかに副業で稼ぐのは大変かもしれません。

ですが、半年間がんばった先にあるあなたの生活を想像してみてください。

毎月家族と旅行に行ったり、子どもに好きな習い事をさせてあげたり、記念日にはパートナーに素敵なプレゼントを用意したり・・・

こんな素晴らしい日々があなたを待っているのです」

「想像してみてください」と記載することで、より頭の中で文章をイメージ化しやすくなるという効果があります。

「イメージしてみてください」

「お子さんの喜ぶ顔を思い浮かべてみてください」

「目をつぶって、少し考えてみてください」

このような何気ない一文を入れることで読み手の感情を動かしやすくなるので、上手く活用していきましょう。

ブログのように画像を挿入できる媒体でしたら、視覚に直接訴えるイメージ画像を掲載するのも効果的です。

価値を伝えるテクニック6  相手の価値観を尊重する

人間は他人から価値観を押し付けられることを嫌う傾向があります。

そして、その価値観とは「自分が想像できる範囲内」であることが多いです。

例えば、

「お金を稼ぐためには一生懸命に働かなくてはいけない」

このような価値観を持っている人に、

「1日1時間働くだけで月収100万円稼げます」

と伝えたところで、聞く耳を持ちません。

  • そんな方法、あるわけないだろ
  • オレを騙そうとしたって、そうはいかないぞ
  • 犯罪みたいなことでもさせようとしているのか?

と思われることでしょう。

そこで相手の価値観を尊重しつつ、こちらのオファーを提案することが大切なのです。

例えばこちら。

「汗水垂らして一生懸命に働いてお金を稼ぐことは素晴らしいことですし、美徳とされているところでもあります。

僕の父も、僕を育てるために朝から晩まで何一つ文句を言わずに何十年も働いてくれました。

そんな父を心から尊敬しています。

ですが身体は1つ、そして1日は24時間しかありません。

これは変えることのできない事実です。

つまり、時間と労力を切り売りしてお金を稼ぐ方法には限界があるのです。

そこで、もしあなたが働いている時間以外にも収入を得られる方法があるとしたら、少しは興味ありませんか?」

こちらとしては新しい稼ぎ方を提案したいわけですが、いきなり、

「時間や労力を切り売りして稼ぐには限界があるので、収入を増やしたいなら労働以外で稼ぐしかないのです」

と伝えてしまうと、拒否反応を示される可能性が高くなります。

そこで、まずは相手の価値観を尊重しつつ共感し、その上でこちらの話を進めていくのも効果的です。

まとめ

本章では、

  • 商品を購入してほしい
  • URLをクリックしてほしい
  • 問い合わせしてほしい

など、読み手に何かしらの行動を促したい時に使えるテクニックを厳選して紹介しました。

信頼できない人の言うことには聞く耳をもってもらえないので、

  1. 主張の一貫性
  2. 主張したら理由を述べる
  3. 権威性
  4. デメリットを伝える

上記4つの手法で信頼度を上げる。

「この人、私のことわかってくれている!」

「この人も私と同類なんだ!」

という共感&親近感を得るために使える

  1. 読み手にフォーカスを当てる
  2. 読み手との共通点を探す
  3. 弱み・人間味を見せる

そして、価値を最大限に伝えるために有効な、

  1. フレーミング効果
  2. アンカリング効果
  3. イエス・セット
  4. たとえ話
  5. イメージさせる
  6. 相手の価値観を尊重する

文章に表すと、とても嫌らしい感じになりますが、日常生活の中でも当たり前に使われている効果的なテクニックです。

「嫌らしい感じ」「狙っている感じ」が読み手に伝わると逆効果になりますが、自然と使いこなすことができれば、これほど効果的なものはありません。

数をこなして、違和感なく自然に盛り込めるように訓練しましょう。

 

高成約率を叩き出すセールスレターの書き

ここからは、セールスレターの書き方について詳しく解説していきます。

※セールスレター=商品・サービスを販売するためのページ(以下レター)

売上は「アクセス数×成約率×商品単価」で表すことができますが、レターの出来は「成約率」の部分になります。

上記の公式からもわかるように、どれほど頑張って集客したところで成約率が悪ければ売上は伸びていきません。

逆にレターの完成度が高ければ少ないアクセスでも売上を大きく伸ばせるということになります。

さらに、「アクセスさえ流せば売れる」という状態になれば、恐れることなく広告を使うこともできるのです。

それほどレターは重要なものですので、ぜひ本章でしっかり学んでいただければと思います。

これまで本書で紹介してきたテクニックもふんだんに盛り込まれているので、

「あ、これはあの章に書いてあったテクニックだな」

と思い出しながら読んでみると面白いかもしれません。

では、行ってみましょう。

※レターを書くためには「リサーチ」「マインドセット」なども重要ですが、本章ではライティングスキルをメインに解説していきます。

※セールスレターの型は様々ありますが、第2章で紹介した『PASONAの法則』がオススメです。

セールスレターの構成

反応が良いレターは、ほぼ例外なく「定番の構成」に沿って組み立てられています。

その構成とは、以下の通りです。

  1. キャッチコピー
  2. ボディコピー
  3. クロージングコピー

レターを開くと、まず目に入るのがキャッチコピーです。

そして、キャッチコピーを読み終えたところからボディコピー、つまり本文が始まります。

最後に、お申し込みや購入を促すクロージングコピーで締めるという流れでレターは縦長なページのものが多いですが、

「ここからクロージングコピーが始まりますよ!」

のような案内はありませんので、レターの構成を知らない人が読めば、いつの間にか「商品を購入していた」なんてこともあるでしょう。

ですが、構成を学ぶことで、様々なレターを分析できるようになります。

「このレターはボディからクロージングへの繋ぎが上手いな」

「このキャッチコピー、自分ならこうやって書くのに」

など、学びや気付きが多くなるはずです。

そのような気付きを得られるようになるためにも、まずは基礎知識を身につけていきましょう。

では、ここから1つずつ詳しく解説していきます。

キャッチコピー

レターにおいて、最も重要な要素がキャッチコピーです。

キャッチコピーで読み手を引きつけることができなければその瞬間にページを閉じられてしまいます。

つまり、どれだけ魅力的な本文を書いたとしても、それらが読まれることはないのです。

広告の神様と言われているデイヴィッド・オグルヴィは、キャッチコピーについてこのように言っています。

”平均するとコピーの本文を読む人の5倍の人がヘッドラインを読む。

そのことを考えると、ヘッドラインで商品を売らない限り、あなたは入ってくるはずのお金の90%を無駄にすることになる。”

※ヘッドライン=キャッチコピーのこと

では、それほど重要なキャッチコピーはどのように書けばいいのか?

ここでは、

  • キャッチコピーを強烈にする「3×3ヘッドラインルール」
  • 目を引くキャッチコピーを作る8つのテクニック
  • 具体的なキャッチコピー作成手順

この3つのテーマに分けて解説していきます。

キャッチコピーを強烈にする「3×3ヘッドラインルール」

キャッチコピーを書き始める前に、まずは必要な要素を集めていきましょう。

その際に役立つのがダイレクトレスポンス広告の第一人者、マイケル・フォーティンが考案した「3×3ヘッドラインルール」です。

※日本では「GDTの法則」という名で広まっています。

では、詳しく見ていきましょう。

・Goal(目標)

多くの人が欲求を達成するために追求している目標で

1.時間をかけたくない(短期間で)

例)1週間で効果を実感できます。

2.努力したくない(お手軽に)

例)塗るだけで腕が細くなります。

3.お金を使いたくない/お金を増やしたい(安く/稼ぎたい)

例)エステ代の10分の1以下です。

この3つになります。

冷静な理性によって判断される部分ですので、感情に訴えるという面では弱いです。

・Desire(欲望)

次に目標を抱く動機の部分がこちら。

1.富や名誉がほしい(社会的に認められたい)

例)会社内で一目置かれる存在になります。

2.愛情や性的欲求を満たしたい(モテたい/愛されたい)

例)社内中の女性にとって憧れの存在になります。

3.快適さがほしい・不快を避けたい(悩みや苦痛から解放されたい)

例)今までストレスだらけだった会社が、あなたのオアシスになります。

この3つは人間が持つ本能に訴える部分が強く、感情を大きく動かす効果があります。

・Teaser(行動を駆り立てる)

最後に、行動意欲を駆り立てる動機がこの3つになります。

1.希少性(数が少ない、逃すと手に入らなくなること)

例)先着10名限定

2.好奇心(興味関心がそそられること)

例)勉強不要!聞き流すだけで身につく英会話上達法

3.反社会性(一般的に非常識と言われていること)

例)外国人のセ●レを作って、タダで英語を学ぶ方法

これらは理性では逆らえない、人間の持つ原始的な心理に訴える効果があります。

これら、「3×3=9つの項目」が強いキャッチコピーを作る要素で、

「Teaser>Desire>Goal」

この順番で、より強力になっていきます。

後ほど具体例も紹介しますが、まずはあなたの販売商品の中にある9つの要素を洗い出すことから始めてください。

(9つ全てを盛り込むのは難しいので、「可能な限り」で構いません)

目を引くキャッチコピーを作る8つの要素&テクニック

次に、読み手の目を引く8つの要素とテクニックを紹介します。

それらがこちら。

※「3×3ヘッドラインルール」と若干重複している部分もあります。

  1. ターゲットへ呼びかける
  2. ベネフィットを伝える
  3. 具体的な数字を入れる
  4. 人気をアピール
  5. カタカナの繰り返しを使う
  6. 金銭的リスクがない
  7. 一般常識とは真逆のギャップを作る

ターゲットがイメージできる範囲

では、1つずつ見ていきましょう。

1.ターゲットへ呼びかける

商品サービスのターゲットを具体的に明記して呼びかけるテクニックです。

例)

「集客でお困りの飲食店経営者さまへ」

「出産後、体型が戻らないあなたへ」

「副業で月収5000円も稼げていないあなたへ」

「ダイエットしたい方へ」のように対象を広げれば広げるほど、誰にも響かないメッセージになってしまいます。

ですので、「このページはあなたのために書いています」ということを絞り込んで呼びかけましょう。

2.ベネフィットを伝える

ベネフィットとは、商品サービスを購入した後に得られるポジティブな未来のことです。

「この商品にはこのような特徴があるので、スゴイですよ」ではなく、「この商品を使うことで、あなたはこのようになりますよ」という未来を見せましょう。

ベネフィットがないキャッチコピーは、その時点で読まれないと思ってもいいほど重要なものです。

ベネフィットは「このような商品です→だから何?」と考えて見つけてください。

例)

「最小最軽量のデジカメです→だから持ち運びが楽で、いつでも写真を撮れる」

3.具体的な数字を入れる

具体的な数字があることで、キャッチコピーの信頼度が増す効果があります。

例)

「多くの実践者が成功→87%の実践者が成功」

「大金を稼げる→50万円稼げる」

「短時間で効果を実感できる→10分後に効果を実感できる」

キリが良い数字だと取って付けた感が出てしまいますので、できるだけ具体的にするのも効果的です。

※嘘は論外です。

例)

「約8割の方がリピート→82%の方がリピート」

「10kgのダイエットに成功→9.7kgのダイエットに成功」

4.人気をアピール

「流行っている」「トレンド」「大勢がやっている」など、多くの人に支持されて人気であることをアピールすると、安心や信頼を得ることができます。

例)

「人気NO1」」

「世間から注目されている」

「OLに大人気」

「テレビで話題沸騰中」

「当社で一番の売れ筋商品」

などの見せ方も可能です。

5.カタカナの繰り返しを使う

カタカナを繰り返す言葉は、音や語感でイメージを伝えやすいという効果があります。

ただし、使いすぎると鬱陶しくなるので、バランスを考えて適切に活用してください。

例)

「グングン成長する」

「ジワジワ効いてくる」

「サクサク作業が進む」

6.金銭的リスクがない

多くの人はお金を払う行為に痛みを感じるので、金銭的なリスクがないことを伝えることは非常に強力なアピールポイントになります。

例)

「無料で公開します」

「無料サンプル配布中!」

「全額返金保証」

レターの中でコンテンツ自体を提供している場合は、「無料」が使いやすくなります。

例)

「このページでは、無料で効率的な筋トレ方法をお伝えしています」

※レターの中に具体的な筋トレ方法が書いてあれば嘘にはなりません。

7.一般常識とは真逆のギャップを作る

「常識的に考えたらそれは逆だよね?」と思わせるギャップを作ることで、人を引きつけることができます。

例)

「コンプレックスはあなた独自の最強の武器」

「怠け者だからこそ成功できるのです」

「真面目で勤勉な人が貧乏になる理由」

8.ターゲットがイメージできる範囲

読み手の常識やイメージできる範疇とかけ離れたキャッチコピーは、「嘘くさい」「共感できない」と感じられてしまいます。

例)

「ニートが一年後に100億円稼いだ方法」

「食事制限・運動なし!飲むだけで一ヶ月以内に30kg痩せるサプリ」

読み手がイメージできる範疇を超えたキャッチコピーは、たとえそれが事実であっても拒絶されてしまいガチです。

「そんなの絶対にありえない」という感情が真っ先にきてしまうからです。

ですので、読み手が想像できる範囲の枠を少し超えるくらいの感覚で作成すると良いでしょう。

具体的なキャッチコピー作成手順4ステップ

これまで紹介してきた要素を書き出したら、それを元にキャッチコピーを作っていきましょう。

具体的な作成手順は以下の4ステップになります。

ステップ1:読み手の現状と理想を明確にする

読み手の現実と理想を書き出し、商品サービスによって理想に近づく状態を書き出します。

例)

腰痛で悩んでいる(現実):腰痛を解消できる(商品購入後の理想状態)

英語を話したい(現実):英語を話せるようになる(商品購入後の理想状態)

読み手の悩みに対して、あなたの商品サービスが何をしてあげられるかということです。

上記の例は非常にシンプルですが、入念にリサーチしてすることで、より細かく具体的な「現実」と「理想」を明確化することができます。

ステップ2:キャッチコピーを作ってみる

ここからは、先ほどお伝えした要素を入れてヘッドコピーを作っていきます。

例として英会話プログラム、『スピードラーニング』のキャッチコピーを見てみましょう。

暗記が苦手、勉強ぎらいでも安心1回5分から聞き流す英会話教材スピードラーニング英語

英語のあとに日本語が流れるので辞書もテキストも不要。まずは音楽のように聞き流すことから始めて下さい。

リスニング力アップです。実感90.6%(インテグラス調べ@2013年3月)

30年のロングセラー,300万人以上が体験ずみ,テレビCM放映中

上記のキャッチコピーには、

  • 英会話教材:英会話を学びたい人がターゲット
  • 暗記が苦手、勉強嫌いでも安心:勉強の苦痛から解放されたい
  • 1回5分:時間をかけたくない
  • 聞き流すだけに努力したくない
  • 聞き流すだけ:それだけで上達するの?(好奇心)

このような「3×3ヘッドラインルール」の要素が詰め込まれています。

さらに、

  • リスニング力アップ実感90.6%:具体的な数字
  • 300万人以上が体験ずみ:人気をアピール
  • 辞書もテキストも不要:一般常識とは真逆のギャップを作る

このような要素も含まれています。

※「有名人を起用した権威性」も効果抜群です。

ただし最初からこのようなコピーを作るのは難しいので、まずは思いつくままに書き出していくことをオススメします。

例えば、以下のような感じです。

「英会話を上達したいあなたのために、音声を聞き流すだけでリスニングが上達する教材を用意しました。

1回5分で効果を実感できるので、忙しいあなたでもご安心ください。

暗記や苦痛な勉強はやめて、ラクに楽しく英会話を身につけませんか?」

最初はこのように長々としたものでも構いません。

思いつくままに、様々なパターンを作ってみましょう。

ステップ3:シンプルにする

ステップ2までの過程を踏むと、伝えたいことが多くてキャッチコピーが長くなったり複数のパターンが出来るはずです。

そこから、余計な部分を極力省いてシンプルにしていきましょう。

「優先的に伝えたいことや、読み手に響く訴求は何か?」

「削っても問題ない文言はないか?」

などを考えて可能な限り短くシンプルなキャッチコピーを作ってください。

一発で興味を引けなければ、その瞬間にページを閉じられてしまいますからね。

また、興味が薄いのにわざわざスクロールしてまでキャッチコピー全文を読もうとする人は多くありません。

ですので、ページを開いた瞬間にキャッチコピー全文が目に入る長さに調整するのもポイントになります。

ステップ4:テスト候補を用意する

キャッチコピーをシンプルにすると、

  • 残念ながら盛り込めなかった要素
  • どっちが良いのか判断しかねる次点候補

などが多数あるはずです。

そのようなキャッチコピーはボツにするのではなく、テストしてどちらが反応が良いかをチェックしましょう。

キャッチコピーはテストして初めて反応がわかるものですので、あなたの選択が正しいとは限りません。

大切なのは数多くの要素やキャッチコピー候補をあぶり出し、素早くテストして反応が良いパターンを見つけ出すことです。

キャッチコピーまとめ

多くの要素を一気に解説してきましたが、キャッチコピーはレターで最も重要なパーツです。

キャッチコピーで読み手を引きつけることができなければ、その後の文章は読まれないので挽回することもできません。

しっかり時間を掛けて作り込み、さらにその上で何パターンもテストしていきましょう。

ボディコピー

ここからはボディコピーについて解説していきます。

これまで本書で解説してきた「読みやすい文章」「人を動かす文章」を意識して書くのは大前提です。

その上で、ボディコピーに特化した大切な要素は、

  1. ブレット
  2. 見出し
  3. お客さまの声

この3つになります。

では、1つずつ見ていきましょう。

 

 

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