3/9 ④FX入門

第5章:トレンドには3種類ある

ここでは「トレンドには3種類ある」ということについて話をしていくのですが、これだけ見ると「一体何のことを言ってるの?」と感じると思います。

ただ、そんな難しく考える必要はなく、この「3種類のトレンド」でこれから解説していくことの目的はたった一つです。

それは、

一回のトレードでなるべく高い勝率で含み損少なく、大きな利益を獲るために大きなトレンド(主要トレンド)の押し目で買い、戻りを売ること。

そして事前にその押し目と戻りを見つけることです。

そもそも、トレードにおいてトレンドが出ていればどこでもエントリーすれば勝てるのか?そんなことはありませんよね。

長期足でトレンドが出ていたとしても、エントリーするタイミングによっては、含み損が大きくなって塩漬けにしたり、何度も損切りになることがあります。

じゃあトレンドが出ている中で、絶好のエントリーポイントとはどこなのか?と言われれば、それが押し目と戻しなのです。

図で表すなら、ずばりここですね。

こういった、丸で囲んだ押し目や戻しでエントリーが出来れば含み損が少なく高い勝率を出せるからこそ「絶好のエントリーポイント」と言えるのです。

この絶好のポイントでエントリーするために、3種類のトレンドを理解する必要があり、3種類のトレンドを理解できれば、トレンドの押し目になりそうなところで買って、戻りになりそうなところで売る、とっても美味しいトレードができるようになるのです。

ではまず最初に、原文を見てダウ理論において、3種類のトレンドとは何なのか?を理解しましょう。

 

◆「3種類のトレンド」を原文で確認する

先ほども同じ図を使いましたが、そもそもトレンドとは?という疑問に

対しては、こういうものをイメージしておいてください。

これが各トレンドのサイズ感ですね。

ただ、この説明を聞いて「大、中、小でトレンドを考えればいいんで しょ?」と安易に結論に至ったのであれば、3種類のトレンドの本質を理 解できないままで、致命的な勘違いをする事になるので注意してください。

で、とても大事なのは原文の以下の部分です。

これらのトレンドは互いに独立しているのではなく、二次トレンドは主 要トレンドの調整局面であり、 小トレンドは二次トレンドの調整局面とし て捉えられる。

この記述。

これはつまり、 主要トレンドと二次トレンドと小トレンドがそれぞれど ういう関係なのか?ということであり、これら3つの考え方を活用して、 どうやって絶好の美味しいエントリーポイントである押し目、戻しを捉え るのか?

ここにつながってきます。

で、原文に戻しますが、この3種類のトレンドの関係を言葉で説明する と、原文に書かれていること、そのままなので、図を使って説明しますね。

ただ、主要トレンドと二次トレンド、小トレンドを全て一緒に理解しよ うとすると頭が混乱してしまうと思うので、まず主要トレンドと二次トレンドの関係を理解してもらいます。

次に二次トレンドと小トレンドの関係を理解してもらい、最後にこれら3つの種類のトレンドを全て結びつけて理解してもらいます。

まず主要トレンドと二次トレンドの関係は以下のとおりです。

二次トレンドは主要トレンドの中の調整局面、つまり下落しているところです。

二次トレンドは主要トレンドよりも短期の時間足なので、主要トレンドの一波が二次トレンドではしっかりと波形を描いてダウントレンドを形成しているのがわかると思います。

このダウントレンドが二次トレンドに当たります。

次に二次トレンドと小トレンドの関係は以下の通りです。

小トレンドは二次トレンドの中の調整局面、つまり上昇しているところです。

小トレンドは二次トレンドよりも短期の時間足なので、二次トレンドの一波が小トレンドではしっかりと波形を描いてアップトレンドを形成しているのがわかると思います。

構造としては主要トレンドと二次トレンドの関係も、二次トレンドと小トレンドの関係も同じです。

それぞれ下位足のトレンドは上位足の調整局面という意味では同じですが、アップトレンドなのかダウントレンドなのかが異なります。

主要トレンド、二次トレンド、小トレンドを全て図に表すとこのようになります。

主要トレンドの絶好のエントリーポイントである押し目や戻しを捉えるために、これら3種類のトレンドの考え方は必須なので、上記の3つの図を繰り返し見比べ、それぞれがどういう関係になっているのかを理解してから先に進んでくださいね。

こうした複数のトレンドを重ねる分析方法に慣れていないと、今話した3種類のトレンドは少し難しく感じたかもしれませんが、絶好のエントリーポイントを掴むために今話した分析方法はとても重要なので、時間がかかっても何度も繰り返し読んでください。

とても大事なことなので補足しておきたいのですが、この項でのも目的は、主要トレンドの押し目と戻しを狙う、という話をしました。

となると、トレードにおいて気になるのは主要トレンドってどの時間足なの?ですよね。

ただ残念ながら「どの時間足のチャートが主要トレンドなのか?」この問いに対しては絶対的な答えはありません。

なぜなら見ている通貨ペアの各時間足の相場の状況によって、日足を主要トレンドとして見るのか、週足を主要トレンドとしてみるのか?が変化するからです。

先ほども話したとおり、主要トレンドは日足以上のチャートでその時の相場状況に合わせてどの時間足を主要トレンドにすべきかを決めていく必要があります。

間違っていない範囲で自分で決めて見て行く事がポイントになり、これを決める基準があるかないかでトレーダーとしての成長効率は雲泥の差が出てきます。

ただ、主要トレンドは先ほども話したように、日足以上の時間足が当てはまることがほとんどで、ただ、日足なのか、週足なのか、月足なのか?はその時々で異なります。

この辺りのどの時間足を軸にしてトレードしていけばいいのか?についてはこちらで詳しく話していますので、参考にしてみてください。

自分がどの時間足を主要トレンドとしているのか?はつまりどの時間足の一波を取りに行くのか?と同じことなのです。

FXで勝つためにはデイトレード?スイング・デイトレ・スキャルの真実

https://f-pedia.jp/fx-winner-daytrade-swing-scalping/

では模式図で3種類のトレンドが理解できたら、実際のチャートで見ていきましょう。

 

◆3種類のトレンドをチャートで理解する

では次に実際のチャートを使っていま説明した3種類のトレンドの関係を見ていきましょう。

ここでは下方向のチャートで説明するので、さっきとは逆の模式図を用意しました。

では説明するチャートはこちらです。

折角なので、今学んだ3種類のトレンドがどこに該当するのか?2分くらい考えてみてください

これらの複数時間足のチャートを目の前にしてすべきことは、トレンド判断とそれぞれの時間足の値動きが他の時間足のどこに対応しているのか?を把握することです。

ちょっと難しい表現をしましたが、こういうことです。

二次トレンドは主要トレンドのどこと対応しているのか?

小トレンドは二次トレンドのどこと対応しているのか?

これらを理解することが、それぞれの値動きが他の時間足のどこに対応しているのか?を把握することです。

先ほど模式図で説明した3つのトレンドがそれぞれの時間足のどこに当

てはまるのか?対応しているのか?を考えなければならないのです。

そして対応させた図がこちらになります。

こうした複数の異なる時間足チャートで、同時に複数の分析をすることマルチタイムフレーム分析といいますが、この3種類のトレンドでは、相場の値動きの本質を掴むためには、マルチタイムフレーム分析がとても重要だよ、という話なのです。

で、マルチタイムフレームの考え方が身につき分析できるようになると、どんないいことがあるか?

絶好のエントリーポイントである、主要トレンドの押し目買い、戻り売りが可能になるのです。

先ほど出したチャートをじっくり見て、どこが絶好のポイントになるの少し考えてみてください。

狙いたい絶好のエントリーポイントはどこか?

言葉にするなら、それは主要トレンドの調整局面(二次トレンド)が終了して、再度主要トレンドの方向に動きだすポイントですね。

このチャートで言うと緑の丸で囲んだところですね。

狙いたい場面は、こういう主要トレンドの押し目買い、戻り売りのポイントで、ここを狙って捉えるために、二次トレンド、小トレンドを上手に使う必要があります。

つまり、この3種類のトレンドは、それぞれが独立したものではなく主要トレンドの中に内包されているものであり密接に関連しています。

さて、ここでは主要トレンドをメインに狙う場面を話していきましたが、次に、主要トレンドの狙う場面に二次トレンドと小トレンドをうまく組み合わせて分析する方法を見ていきましょう。

 

◆3種類のトレンドを組み合わせた絶好のエントリーポイント

さてここまででも十分に、どういうところを狙っていけばいいのか?を見ていきましたが、主要トレンド・二次トレンド・小トレンドを全て組み合わせてマルチタイムフレームで分析をした結果、どこでエントリーする絶好のポイントなのか?をより細かく見ていきましょう。

絶好のエントリーポイントは、

主要トレンド・二次トレンド・小トレンドの方向が全て揃う所

この言葉だけでは難しく感じるかもしれませんが、チャートに当てはめ

ていくと、どこが該当するのか?がわかるので、じっくりと確認してみてください。

では、先ほどの一文、主要トレンド・二次トレンド・小トレンド、それぞれのトレンドの方向が全て揃う所がどこなのか?答え合わせをしていきます。

ここです。

これらのポイントは全て連動していて、同じ場面を示しています。

ここが王道であり、絶好のエントリーポイントである、主要トレンドの押し目、戻りに当たる部分で、下位足を使ってこのポイントを捉えるために必要な分析なのです。

なぜここが王道なのかを簡単に説明しておくと、含み損が少なく、勝てる可能性が高く、1回のトレードで大きく狙えるわかりやすいエントリーポイントだからです。

トレンドが出ていればどこでもエントリーしていいわけではなく、それだと含み損が大きくなったり、ロスカットを連発させてしまいまい、ストレスになるものです。

それを解決してくれるのが、押し目を待って買う、戻りを待って売るスタイルなのです。

 

◆マルチタイムフレーム分析で押し目、戻りを捉えるコツ

マルチタイムフレーム分析をするときのコツとして、より短期の時間足からトレンドが順番に発生していく、という原則があります。

ここまでの話は結局の所、主要トレンド(長期足のトレンド)の押し目や戻りをとらえて絶好のポイントでエントリーすることがトレードにおい重要であり、そのために3種類のトレンド(より下位足のトレンド)も加味しましょう、ということでした。

主要トレンドに乗りたいと強く思っていても、主要トレンドだけを見ているだけでは、その値動きを捉えるのは難しいから、二次トレンド小トレンドというより下位足を見ていきましょう、ということです。

では、なぜ下位足をみるのがいいのか?というと結論は簡単で、トレンドはより短期の時間足から発生、終了するからです。

つまり、相場の値動きの本質には以下のような法則があります。

主要トレンドや大きな時間足のトレンド発生終了は、基本的に1分足、5分足、1時間足と、短い時間足のトレンドの発生終了から順番に起こって揃っていくものです。

模式図で見ていきましょう。

まずこの模式図で、それぞれの時間足がどのタイミングでアップトレンドが発生するのかを確認してください。

ここでは、

・主要トレンド=日足

・二次トレンド=4時間足

・小トレンド=1時間足

として図を作っています。

で、先ほどの日足の赤丸のところをより詳細に見ていくとこの様になっています。

この2つの模式図を見比べてもらえれば、1時間足→4時間足→日足の順番で短い時間足から順番にトレンドが発生して揃っているのがわかるでしょう。

もちろん、順番にと言っても常にドミノ倒しの様に、キレイに長い時間足まで変わるわけではありません。

短い時間足の発生・終了頻度はかなり多くなります。(これが経験値の浅いトレーダーが相場の値動きに振り回される理由にもなっています)

それこそ、短い時間足のトレンドが一つ上の長い時間足のトレンドに揃うまでは短い時間足のトレンドは複数回発生・終了・反転を繰り返したりもするでしょう。

その上で1つずつ階段を上がる様にトレンドが揃っていくのです。

このように、相場の値動きの本質として、より短い時間足からトレンドが同じ方向へと揃っていく、こうした法則があります。

長期足である主要トレンドの押し目、戻りを、含み損をほとんど抱えることのない絶好のポイントでエントリーするために、こうしたマルチタイムフレームでの分析ができるようになる必要があるのです。

つまり、ダウ理論の「3種類のトレンド」の項目ではいろいろ話をしてきましたが、結局の所、絶好のエントリーポイントをなるべく早く、正確に見つける為に必要な分析方法を教えてくれたのです。

さて、ここまでは主要トレンドが調整局面からトレンド方向へと切り替わるポイントをより短期の時間足のトレンドを重ねたマルチタイムフレームで分析していく方法でした。

さて、主要トレンドの押し目と戻しを捉えるコツを話してきましたが、実はもう一つコツがあります。

 

◆主要トレンドの押し目と戻りの目安は1/3~2/3程度###

ダウ理論の専門書には主要トレンドの押し目、戻しの目安についても言及されています。

二次的トレンドは主要トレンドの調整局面とみなされ、通常三週間から三ヶ月間継続する。調整は通常前段階のトレンドの1/3~2/3くらいの戻しとなり

(引用元:先物市場のテクニカル分析ジョンJ.マーフィー著)

これはトレンドが出ている時の一旦戻す動きの幅の目安を教えてくれています。

相場は必ず波を打っていて、上昇する時も下降する時も例外なく上下に波を打ちながら推移していくものです。

でも、リアルタイムで見ていると、今の上昇や下降が続く保証はどこにも無く、どこで押し目になるのかを判断するのは非常に難しい問題なのです。

そこでダウ理論ではわかりやすい目安として、どのくらいの幅で戻るのか、押し目や戻りを作るのかを提示しています。

それが先ほどのダウ理論の専門書に書いてある通りで、例えば上昇トレンドの場合、現在の場所から見た直近の安値から高値までが100pips上昇した後は33~66pips(直近の上昇の1/3~2/3程度)くらいは一旦下降して、安値を作り、そこからまた上昇に転じるということです。

図で説明をすると、こんな感じです。

もちろん例外はあるものの、トレンドが出ているときの押し目や戻りの

どこまで動くのかは割合で見るとあたりがつけやすくなります。

また、最初の原文に出てきたサイクルの期間と、ここまで説明してきた

「発生・終了の見極め」と合わせて見るとより目安になるでしょう。

 

 

 

 

 

 

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