第3章
儲かったら必須!税金について
【第3章儲かったら必須!税金について】
お金を稼ぐ上で、避けては通れないこととして、税金があります。ここではFXトレーダーに関係する税金について詳しく解説します。
ここで大切なこととして、税金は儲かってから考えれば十分です。まずは儲けを出すことが先決です。
「いかに税金を減らすか」という節税思考よりも、「たくさん稼いでたくさん納税する」という思考の方が、結局はプラスになります。
税金は高いと言われがちですが、稼いだ額以上取られることはないので、命までは取られません。必要以上に畏れることはありません。
なお、税金に関して正確な情報は、税務署や税理士にご相談ください。
あくまで当書の内容は「私はこのようにした」という筆者の個人的な体験に基づくものです。
正確さを保証するものではありませんのであらかじめご了承ください。
1.税金の仕組み
【1税金の仕組み】
サラリーマン時代は、会社が給料から天引きして納税してくれますので、何もやることはありません。
ですがFXなどの副業をして収入を得た場合は、自分で納税する必要があります。
日本は自己申告制です。自分で税金を計算して、1年に一回、自分で納付します。これが例年2月〜3月に行われる確定申告です。
その後、数年後、税務署職員からお尋ねがあり、税務調査が入ります。税務調査はランダムで、いつ誰に来るかは分かりません。この時に領収書や帳簿などが必要になります。
間違いがあれば、修正申告をします。
このように、確定申告と税務調査を繰り返すのが、日本の納税システムです。
納税の仕組み
自己申告
・1年に1回確定申告
・帳簿に記帳
⇓
税務調査
・領収書や帳簿などの確認
・修正申告
もし税金に関して分からないことがあれば、税務署で質問ができます。
「税務署」と聞くと「税務調査」などのイメージが先行して怖い印象を抱く人もいるかもしれませんが、実際は普通の市役所と同じで、分からないことがあれば電話や窓口で質問すれば丁寧に教えてくれます。
無料で面談もしてくれます。ただし、税務署の職員さんは忙しいので、事前予約が必要です。ただし、確定申告書の作成や、帳簿作成の代行はしてくれません。あくまで質問です。
もし確定申告書の作成や、帳簿作成を代行してもらいたい場合は、「税理士」に依頼します。税務署の職員と税理士はまた違う存在です。
【確定申告をすべき人は?】
サラリーマンの場合、副業で20万円以上儲かっていれば確定申告が必要です。
これはあくまで「儲け」ですので、経費を差し引いた金額になります。
給料をもらっていない人は、48万円が基準になります。
個人事業主(自営業)の場合は、いずれにせよ毎年確定申告が必要です。
3.個人事業主の場合
⇓
確定申告が必要
※1FXで損失を出していても、3年間は損失を繰り越せます。よって確定申告をしておけば赤字分を翌年以降の黒字分と相殺して税金を減らすことができます。
2.税金に関する疑問まとめ
【2、 税金に関する疑問まとめ】
私が当初抱いていた疑問と、 その答えを書いていきます。
①サラリーマンだけど確定申告するの?
サラリーマンだろうと、 無職だろうと、 収入があったら確定申告をします。
②儲かっているのに確定申告しないとどうなる?
脱税となります。 数年後、 税務調査が入り追徴課税されます。
③確定申告をすると会社にバレる?
確定申告をしただけでは絶対にバレません。
ただし、納税方法で 「自分で納付する」を選択することが絶対です。
「給与から差引きする」 を選択してしまうと、会社が 「あれ? なんでこの人は税金が多いんだ?」 ということで、 バレます。
④確定申告をしたら、個人事業主ということになるのか?
確定申告をすることと、個人事業主として開業することは、関係がありません。サラリーマンだろうが無職だろうが学生だろうが、儲けがあれば確定申告します。
個人事業主とは、「事業をしています」と税務署に「開業届」を出した人です。
個人事業主なら、必ず確定申告が必要になります。
ちなみに開業届はサラリーマンでも出せます。
⑤確定申告は「白色申告」と「青色申告」があるけど、どっち?
確定申告には2種類あり、簡単な確定申告が「白色申告」で、複雑だが節税効果が高い確定申告が「青色申告」です。
FXなどの副業の収入は「白色申告」です。
「青色申告」をするためには、事前に税務署に「開業届」を提出して、個人事業主として認められる必要があります。その上で青色申告の申請を行います。
ということは、5年経ってから、いきなり税務調査が来る可能性もあるということです。
その時に、税務署職員さんに「この領収書は何ですか?」と聞かれて答えられないと、経費にできなくなってし
まいます。5年も経つと絶対に忘れてしまいますから、領収書の裏面に、鉛筆などでメモしておくことをおすすめします。
「いつ」「誰と」「どんな目的で」「なぜ支払ったのか」などが自分で分かれば十分です。
普段からしておくこと
・領収書やレシートを保管しておく。
・何の領収書を忘れないように、裏にエンピツでメモを取る。
・一気にやると大変なので普段からまとめておく。
⑦どんなものが経費になるの?
経費の基本的な考え方は、「そのお金を払ったことで、儲けにつながったか。」「客観的事実はあるか。」です。この二つが揃えば基本的には経費にできます。
経費の考え方
それが儲けに繋がったのか?
+
客観的な証拠があるか?
例えばFXトレーダーが経費にできるものは下記のようなものがあります。
FXトレーダーが経費にできるもの
(例)
・パソコン
・インターネット代
・取引手数料
・光熱費
・勉強代 (書籍、 情報商材など)
・家賃 (ローンの金利)
・セミナーの参加費用 (交通費、宿泊費など)
・トレーダー仲間との交際費
・デスク、文房具など
重要なことは「客観的事実があるか」ということです。
どんなに「これは経費として支払った!」と言い張っても、その証拠がないと通用しません。
ですから全てにおいて、そもそも領収書がないと、経費には計上できません。
「支払った」ということが人の目で見てわかればいいので、必ずしも領収書である必要はなく、レシートなどでも大丈夫です。クレジットカードで支払った場合は、明細も必要です。
また、FXセミナーに参加して、その交通費や宿泊代などを経費にする場合は、「本当にセミナーに行った」ということが分かる、客観的な記録、写真、資料などが必要になります。
逆に言えば、そのような「客観的な事実」があれば基本的には何でも経費になります。例えあなたが「本当はセミナーはどうでもよく、その土地に旅行したかっただけ」と思っていたとしても、「セミナーに参加した」という事実があれば旅費は経費に計上できるという構造です。
また、プライベートと共用しているものは、使用割合で「按分(あんぶん)」することで経費に計上できます。例えば、自宅の電気代です。これも客観的事実が必要なので、「大体半分はFXの部屋で電気を使っていると思う」という感覚ではNGで、部屋の面積や、コンセントの数など、客観的な事実で割合を出して、その分だけが経費になります。
同様に、自家用車であっても、「FXセミナーに行くために使用した」「FXの勉強が目的で遠方の大型書店に訪れた」などという実態があれば、按分できます。その際は走行距離のメモなどが証拠になります。
最終的に、経費にできるかどうかは、税務調査で担当の人の判断によります。「これはどうして経費に計上したのですか?」と聞かれた時に、合理的な理由をスムーズに答えられるかどうかが肝心です。
もしNGの場合は、修正する必要があります。
経費にできるもの、できないものについて詳しくは、税務署や税理士にお尋ねください。
3.確定申告のやり方
【3.確定申告のやり方】
確定申告は、「自分でやる」か「税理士に依頼する」かの2つの方法があります。
先に結論から言うと、税理士に依頼することをおすすめします。
税理士は納税のプロなので、全て任せられます。
デメリットとしては、税理士費用がかかるということです。
逆に言えばお金がかかるという点しかデメリットがないため、儲かっている場合は「税理士に依頼する」という一択で間違いありません。
あまり儲かっていない、税理士費用を節約したい、という場合のみ、自分でやるということになります。
【自分でやる場合1全て自分でやる】
お金を一切かけたくない場合は、全て自分でやる必要があります。
税務署のサイトにアクセスすると、必要書類や申請フォームがあります。そこから自分で手続きをして、申告をすることができます。
お金はかかりませんが、慣れない作業となるので、知識が要求されます。
ただし、確定申告とは別に、帳簿の作成と保管が義務付けられています。
これも自分で作成する必要があります。
【自分でやる場合2会計ソフトを使って自分でやる】
システム利用料がかかりますが、会計ソフトを使うことができます。
現在、確定申告ができるオンラインサービスが多数あります。
会員登録をして、必要事項を記入していけば、申告書が作成できます。
ただしシステム利用料が発生します。無料プランでは確定申告は完了できません。
帳簿も自動的に作成されますが、帳簿は保管が必要です。
ですから「確定申告の時だけ有料プランにする」というのは通用しません。
1回使ったらなかなか辞められないシステムです。
確定申告を自分でする
[メリット]
・費用が安く抑えられる
[デメリット]
面倒臭い
・時間と労力を要する
・生産性がない
・ミスをする可能性が高い節税のコツが分からない
・税務調査を受けやすい
私も会計ソフトを導入していたことがありますが、結局は「デメリットの方が大きい」と感じたため辞めてしまいました。
そもそも納税経理という作業は、本業とは関係のないことです。どんなに頑張っても1円にもならないので、労力を割くべきではありません。経理作業に時間と労力をかけてしまって、本業が疎かになってしまっては本末転倒です。その時間にFXの勉強をして、利益を伸ばした方がよっぽど建設的です。
そもそも私は細かい作業が苦手で、そもそも会計ソフトの使い方を覚えるのも大変でしたし、領収書をまとめたり、経費を集計したりして、それを一つ一つ、パソコンで入力していくことが大変でした。また、聞き慣れない専門用語も多く、いちいち調べながら入力する作業が負担に感じました。「これは経費にできるのか?」などという小さな疑問も常に湧いてきます。
最終的に確定申告をしても「これで合っているのか?」「税務調査が入ったらどうしよう」という不安が拭えませんでした。
【税理士にお願いする場合】
一方税理士にお願いする場合は、全て丸投げでできます。
FXトレーダーは、取引先や現金のやり取りがないため、やるべきことも簡単です。
FX収支報告書、経費の領収書、通帳のコピー、カード明細などを税理士さんに送れば、帳簿を作成し、確定申告まで代行してくれます。
納税方法として口座引き落としを設定していれば、自動で引き落とされるので、何もする必要がありません。
税務調査が入りにくいですし、もし入っても安心です。
確定申告の時だけ単発でお願いするか、年間顧問契約を結んでおくかは選べます。
ただいずれにせよ、帳簿の作成と保管は義務なので、単発であっても1年分を自分でデータを集計して送る必要があります。だったら年間契約を結び、毎月サポートしてもらうという手もあります。
確定申告を税理士に依頼する
[メリット]
・丸投げでOK
・本業に集中できる
・プロなのでミスがない
・節税アドバイスあり
・税務調査を受けにくい
[デメリット]
・税理士を探すのが大変
・お金がかかる
会社員でも「個人」として税理士と契約することは可能です。
副業だったとしても、儲かっているなら、税理士と顧問契約しておくと安心です。
4.税理士の探し方
【4、税理士の探し方】
税理士の相場や探し方について解説します。
・税理士の相場
税理士は人件費なので、ピンキリです。サービス内容などによっても異なります。ちなみに私は個人で契約した。
税理士さんは年間18万円の丸投げOKプランでした。
ネットなどで、「確定申告のみで5万円!」などという広告がよくあります。
「なんだ、5万円でできるじゃん。」と思うかもしれませんが、注意が必要です。これはあくまで確定申告代だけだからです。帳簿の作成は別料金です。
前述したように、帳簿の作成、保管はいずれにせよやらなくてはいけません。
ですからこの場合、結局は自分で会計ソフトを使って、コツコツと帳簿を作って、そのデータを送るという形になります。
ですが、会計ソフトには「確定申告機能」が付いているので、わざわざ自分で入力したならそのまま会計ソフトで確定申告をしたほうが早いと思います。
ですから全てを依頼したい場合、結局は「確定申告代」+「記帳代」が発生するというわけです。
記帳代は毎月1万円ほどかかることを考えると、やはり年間で考えると変わらなくなります。「確定申告のみでいくら!」という料金設定には注意が必要です。
・税理士のサービスについて
税理士によってサービスの内容は異なります。
自宅まで訪問してくれて、手取り足取りやってくれる税理士さんもいれば、全てオンライン郵送で完結という税理士さんもいます。
また、「こんなに儲かってるなら、奥さんを従業員にするといいですよ」などと節税のアドバイスなどを熱心に行ってくれる税理士さんもいれば、「言われた通りに申告だけ済ませます」という税理士さんもいます。これにより費用やプランによって変わってきます。
私の場合は、「面談なし」「電話なし」「質問はLINEかメールのみ」「領収書やFXの収支報告書などはまとめて全て「郵送」というプランでした。FXは仕入れなどはないので、他のビジネスと違ってお金の動きがシンプルですから、これで十分でした。
・税理士の探し方
まず、税理士が事務所(自宅)に訪問することを希望するか、希望しないかで変わってきます。
訪問を希望する場合は、自宅に近いところから探す必要があるため、マップなどで検索します。
そして税理士事務所を見つけたら、ホームページにアクセスしてみましょう。ホームページがしっかりしていて料金体系が明確なところが良いと思います。FXはネットビジネスなので、税理士事務所によっても得意不得意がありますから、条件に合った税理士事務所を探していきます。
そして問い合わせて見積もりを出してもらいます。見積もりに納得したら、契約する前に面談をしてみましょう。やはり人と人との付き合いなので、相性もあります。契約するかどうかは、実際に会ってから決めることをおすすめします。
訪問を希望しない場合は、郵送や電話、オンラインのやりとりで完結できるので、全国どこの税理士事務所と契約しても問題ありません。ネットで探しましょう。
ちなみに、「税理士紹介サービス」もあります。仲介業者がマッチングしてくれるサービスです。
ところが、私も個人で利用してみたことがありますが、マッチングできませんでした。数件利用しても同じでした。仲介手数料が発生するため、税理士としてもあまり受けたくない仕事のようです。また、FXトレーダーだと、優良な取引先として見なされないようです。その証拠に、法人化したのちに問い合わせてみたところ、すぐにたくさんの連絡が来ました。
兼業トレーダーであっても税理士事務所と顧問契約を結ぶことはできます。
契約を結んでおいたら、その後独立する際の「法人化」も楽です。手続きを代行してくれます。そのまま法人の顧問税理士になってもらうと、個人から法人成りの移行もスムーズです。
以上が納税方法についてでした。納税は、儲かった人は、義務です。
起業しているか、副業なのか、サラリーマンなのか、などは一切関係ありません。
「儲けたら納税!」が絶対です。
結論は、「税理士」と契約することがおすすめ!ということでした。月額12万円くらいですから、FXで稼いでいる人であれば安いものです。会計ソフトも結局は月額使用料がかかります。自分でやることの「時給」を考えたら、稼げば稼ぐほど税理士一択になるはずです。
次はいよいよ、独立する方法です。
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