[在宅ワーク]
クラウドソーシング入門/クラウドワークス公認編
はじめに
クラウドソーシングを使った在宅ワークがテレビでたびたび特集されるようになり、興味や関心をもつ人が増えています。クラウドソーシングは、インターネット上で仕事の契約から、納品、そして報酬の受け取りができるため、仕事場所や時間に縛られない新しい働き方として普及しつつあります。
これまで、クラウドソーシングはデザイナーやプログラマーといった、専門的な仕事をこなす人向けに提供されてきました。それが現在では、大規模なクラウドソーシングサイトの登場で仕事の種類が増え、プロフェッショナルの技能を持たない人でも気軽にクラウドソーシングを使った在宅ワークができるようになりました。
クラウドワークスも、こうした大規模なクラウドソーシングサービスを提供しているサイトのひとつです。クラウドワークスでは、専門的な仕事だけでなく、データ入力や文章作成といった、誰でもできる仕事も取り扱っています。おかげで、子育て中の主婦や定年退職したシニアがクラウドワークスに登録して、在宅ワークに取り組んでいます。
以前、クラウドソーシング初心者向けの電子書籍として、『新しい在宅ワーククラウドソーシング超入門』を発売しました。今回、前書の内容をさらに充実させて再編成し、新たにクラウドワークスの使い方と、より実践的なノウハウを追加しました。クラウドソーシングの基礎知識から、クラウドワークスの利用方法、さらには素朴な疑問や仕事をする上での注意点を、イラストを盛り込みながら解説しています。
これからクラウドソーシングで在宅ワークを始めたい人はもちろん、すでにクラウドワークスに登録している人にとって、手元に置けるガイドブックとしてぜひご活用ください。
1⃣クラウドソーシングと在宅ワーク
クラウドソーシングって何?
クラウドソーシングという言葉を初めて目にする人も多いはずです。まずは、クラウドソーシングとはどのようなものなのか説明します。
クラウドソーシングとは、インターネットを使って不特定多数の人に仕事を依頼したり、請け負ったりする新しいしくみです。クラウドソーシングでは、仕事の発注から、人選、納品、報酬の支払いをすべてインターネット上で行えるのが大きな特徴です。インターネットが利用できる環境とパソコン、そして仕事をこなすための腕前さえあれば、自宅でも仕事ができるので、新しい在宅ワークのスタイルとして注目されています。
クラウドソーシングはすでにアメリカで始まっていましたが、日本でも最近になって脚光を浴びてきました。はじめのころは、クラウドソーシングでの仕事といえばロゴやポスターのデザイン、ウェブサイトの制作、ソフトウェアの開発など、専門技能をもつプロ向けのものばかりでした。
しかし、今ではデータ入力やブログの執筆代行など、誰でもできるやさしい仕事も増えています。おかげで、プロのみならず主婦や年配者、あるいは副業目的の社会人が積極的にクラウドソーシングを利用して在宅ワークに取り組んでいます。
クラウドソーシングの「クラウド」は英語で「群衆」や「不特定多数」を意味する「crowd」と書きます。インターネットで文書や写真を保存して共有するサービスを「雲」にたとえた「cloud」ではありません。カタカナで書くと同じですが、言葉の意味はまったく異なります。
ふつうの在宅ワークとどこが違うの?
クラウドソーシングを利用した在宅ワークは、従来の在宅ワークと比べると煩わしい手間が少なく、簡単に仕事が始められます。
これまで在宅ワークをするには、在宅ワークを募集している会社を探して個別に契約しなければなりませんでした。しかも、会社ごとに連絡先やメールアドレス、報酬の振込先を伝えるなど面倒な手続きも多くありました。
クラウドソーシングによる在宅ワークでは、仕事を依頼する側と引き受ける側の橋渡しをする専門のサイトがあり、双方が利用登録をします。そして、仕事を依頼する側はクラウドソーシングサイトに仕事募集の掲示をし、仕事を引き受けたい人はそれを見て応募します。
従来、求人への応募に必要だった履歴書に相当する情報はクラウドソーシングサイトに登録しておけばよいので、複数の会社ごとに応募や契約の手続きをする手間が省けます、そのため、自分ができる仕事が見つかればその場ですぐに応募できます。
クラウドソーシングでの在宅ワークは、募集中の仕事に自ら応募するのが基本スタイルです。従来の在宅ワークと異なり、登録しても仕事が来ない、といったことはありません。
このように、クラウドソーシングは在宅ワークのしやすい環境が整っており、誰でも始めやすい雰囲気があります。
クラウドソーシングのメリット
クラウドソーシングを利用した在宅ワークには、はじめての人にも取りかかりやすい、さまざまなメリットがあります。
- パソコンとインターネットがあれば仕事ができる
クラウドソーシングでの在宅ワークは、パソコンとインターネットがあればこなせる仕事が大半です。特別な教材や機器を揃えたり、講習を受ける必要もありません。自分専用のノートパソコンがあると、作業場所の自由度が高くなるので、より好都合です。
- 仕事場所を選ばない
仕事場所も自宅だけでなく、ノートパソコンを使えば図書館でも作業をすることができます。最近では、仕事のできるカフェもあり、お気に入りのドリンクを飲みながら作業ができます。クラウドソーシングを利用している人と知り合うチャンスもあり、情報交換したり、励まし合ったりしながら仕事ができます。
- 自分のライフスタイルに合わせた働き方ができる
クラウドソーシングの仕事は、毎日オフィスへ通勤する必要もなければ、就業時間に縛られることもありません。自己管理をきちんとすれば、すべて自分の都合に合わせて仕事ができます。
- インターネットで納品ができる
クラウドソーシングサイトでは、作成したものを納品する方法として、サイトからアップロードするしくみが用意されています。特別なソフトを使わずに作業から納品まで一括して行えるためとても便利です。
- 個人情報を発注者に提示しなくてもよい
自分の名前や報酬の振込先などの個人情報は、クラウドソーシングサイト内に登録すればよいので、発注者に提示する必要がありません。そのため、契約ごとに個人情報を相手に伝える手間がありません。
個人情報を提示するのに抵抗がある人も、安心して仕事に専念できます。ただし、仕事によっては、発注者から書面による契約を求められる場合もあります。もし、契約書を交わすための個人情報を提供したくない場合は、発注者と交渉するしかありません。
- 事務連絡にメールを使う必要がない
作業中の進捗状況や打ち合わせはクラウドソーシングサイトに用意されたメッセージ機能を使ってやり取りできます。メールを使わずとも連絡が取り合えるので、相手にメールアドレスを知らせる必要がありません。また、チャット機能を使えば、時間を決めてテキストでチャットしながら仕事を進めていくこともできます。
- 報酬の未払いを防ぐ工夫がされている
クラウドソーシングサイトでは、仕事の契約が成立すると、発注者は報酬をクラウドソーシングの運営会社に仮払いしなければなりません。発注者から見ると、先払いしている状態です。そして、仕事が終わると、クラウドソーシングサイトから受注者(受託者)へ正式に報酬が支払われるというしくみをとっています。こうすることで、報酬が未払いになるトラブルを防いでいます。タダ働きにならないように対策をとっているので、仕事を請け負う側には安心です。
子育てママでもできる?
クラウドソーシングでの在宅ワークは、子育て中の主婦でも気軽に始められます。クラウドソーシングで募集している仕事の中には、一般的な在宅ワークで見かける録音からの文字起こしや、データの入力といった単純作業もたくさんあります。ほかにも、テレビ番組の感想を書いたり、料理のレシピを紹介する仕事も頻繁にあります。こうした仕事は、家事や育児のあいた時間にできるので、時間に縛られず無理なくこなせます。
結婚前にOLとして活躍していた人には、高度な仕事も手がけられるでしょう。たとえば、プレゼンテーション用のスライドを作ったり、ワープロや表計算ソフトで資料を作成するといった仕事です。ほかにも、顧客からの問い合わせメールの対応といった業務代行も増えてきています。会社勤めで身につけたスキルを発揮して、在宅ワークに挑戦するのもよいでしょう。
子育てが一段落し、再び働くきっかけをつかみたい主婦にとって、クラウドソーシングは社会復帰へのよい足がかりになりそうです。
シニア世代も活躍中
クラウドソーシングの在宅ワークには定年がありません。定年で会社勤めを引退したシニア世代にとって、クラウドソーシングは新たな働く機会を与えてくれます。定年後の収入を得る手段として注目しているシニアの人も多く、主婦に次いで続々とクラウドソーシングで仕事をし始めています。
シニア世代は、長年にわたって磨き上げた技能や経験をもとに、文筆や入力作業といった地道な作業を精力的にこなしています。特に、時間をふんだんに使える強みを生かして、腰を据えて仕事に励んでいます。若い世代には負けじと、自分の能力を発揮しつつ日々奮闘しています。
定年後も社会に貢献したいと意欲をみなぎらせているシニア世代は数多くいます。パソコンやインターネットを使いこなしているシニアの人には、クラウドソーシングによる在宅ワークは第二の人生に情熱を燃やせるよい機会です。
これだけはもっておきたい知識や技能
クラウドソーシングで仕事をする際、専門的な仕事を選ばなければ、特別な知識や技能はほとんどいりません。とはいえ、自称パソコン初心者ではさすがに厳しいです。最低でもパソコンの基本操作やインターネットでウェブサイトを見るくらいの技能は備わっていなければなりません。
クラウドソーシングを利用する際に必要な技能をまとめると次の通りです。
- 最低限必要な技能
・パソコンの電源を入れてソフトを起動したり、ウェブサイトの閲覧ができる
基本中の基本です。これができなければクラウドソーシングサイトにもアクセスできません。
・Windowsに付属の「メモ帳」を使って文章を打ち込める
執筆の仕事で不可欠です。文字入力時に漢字変換もきちんとできる必要があります。
・検索サイトを使って調べものができる
執筆や調査の仕事では、GoogleやYahoo!を使って調べ物をします。キーワード検索の基本ができないと務まりません。
・ファイルやフォルダの基本的な扱いができる
ファイルやフォルダのコピー、移動、名前の変更がこなせないと納品ができません。ダウンロードしたファイルの保存先も理解しておく必要があります。
- あると役立つ技能
・ブラインドタッチ
作業時間を短縮するためにも、できるだけキーボードを見ずに文字を入力できるのが望ましいです。
・ワープロソフトでの文書作成
レイアウトを整えた文書作成の仕事に応募できます。中央揃えや文字の装飾ができれば十分です。図の挿入や、けい線が扱えればなおよいです。「コメントの挿入」や「変更履歴の表示」など、校閲機能の使い方を覚えておくと、修正のやり取りで役立ちます。
・表計算ソフトでの簡単な入力
作業状況の記入に表計算ソフトを使う場合があります。数値入力などの基本的な操作ができれば問題ありません。グラフを作成できればさらに仕事の幅が広がります。
・ブログの開設や投稿
誰でもできる仕事の中でも、特にブログの代筆はたくさんあります。日頃からブログを開設して活動していれば、こうした仕事は取りかかりやすいでしょう。
・TwitterやFacebookでの投稿
TwitterやFacebookページの運営を代行する仕事もあります。日頃からSNSを積極的に利用している人にとっては、こうした仕事を引き受けるのに有利です。
・オンラインショップでの買い物
オンラインショップでの買い物経験が豊富であれば、商品登録の仕事にも挑戦できます。最初は慣れが必要ですが、代表的なオンラインショップの利用方法を知っていると、要領がつかみやすいです。
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