二週目ネット記事の知識
Webライターの仕事は、その大部分がネット記事を書く業務ですから、つぎのような知識を身につけておいたほうが、Webライターとして仕事を受けたときスムーズに業務を進められます。
・ネット記事はどのような構造になっているのか
・どのような課程を経て、制作されるものなのか
二週目は、これらを7日間にわたりインプット+実践していきます。
題もより実践的な内容になっていますが、確実に力がつく内容ですから、毎日順番にこなしていただければと思います。
8日目ネット記事の基本構造を学ぼう
ネット記事の構造をじっくりと見たことはありますか?Webライターが書く記事は、大半がこのような構造になっています。
【タイトル(記事の主題) アイキャッチ画像】
【リード文(導入文)】
【見出し】
【見出し下の画像 ※ない場合もあります】
【本文(文章・箇条書き・図表)】
①タイトル(記事の主題)
記事の内容を端的にあらわすテキストです。多くの場合、記事の冒頭にタイトルが表示されます。
また、GoogleやYahoo!を使って調べごとをする際、検索結果に表示される文言もタイトルと呼びます。ネット上には無数の記事が存在するため、読者が強く関心を抱くタイトルであるほど、記事は読まれやすくなります。
②アイキャッチ画像
タイトルの近くに配置される画像です。たとえば盆栽の手入れに関する記事なら、鉢に入った松の写真をアイキャッチ画像にすると、記事内容とアイキャッチ画像の整合性がとれます。
③リード文(導入文)
タイトルやアイキャッチ画像の下に配置されるテキストです。
読者に対して「どんな悩みを解決し、どのような素晴らしい未来を与えるのか」を解説し、本文に対する期待感を膨らませる役割があります。
記事に訪問した際、読者が最初に目にする可能性が高い部分であるため、重要性は非常に高いと言えます。
④見出し
記事を構成す各章のタイトルとなるテキストです。本書で言うと『1日目短く、シンプルに書こう』や『2日目まずは結論から伝えよう』など、各章のタイトルとなる文言が見出しです。
⑤見出し下の画像
見出しの下に配置される画像です。
見出しの文言と一致するような画像を配置し、これから触れる内容を視覚的に知らせる役割を担います。すべての見出し下に画像が配置されるとは限らず、なかにはアイキャッチ画像以外の画像を入れないメディアもあります。
⑥本文(文章・箇条書き・図表)
本文は、見出し部分で提起した問題を深掘りする部分です。
読者へ適切に情報を届けられるように、わかりやすい文章を心がけて書きます。
今日の課題
Googleの検索欄に【Webライター始め方】と入れて検索してみてください。
そのうち「広告」の表記がないタイトルを10記事クリックし、今日学んだつぎの項目がどこにあるのか確認してみましょう。
・タイトル
・アイキャッチ画像
・リード文(導入文)
・見出し
・見出し下の画像
・本文
なかには、見出し下の画像がない記事もありますが、その他の項目はほとんどの記事に含まれているはずです。「ネット記事はこんな構造になっているのか」と再確認しつつ目を通してみてください。
9日目あなた専用のブログをつくろう
Webライターとして活動するとき、最初の大きな壁は「一件目の仕事がとれない」というものです。
自分がどれほどの文章力をもっているのか証明する術がなく、周囲からの評価は「自称:ライター」であるため、誰も仕事を任せてくれないのです。
しかし、自分名義のブログがあれば、ブログ記事を「これは私が書きました。文章力の参考にしてください」とアピールできます。これを駆使すると、仕事獲得の難度は下がります。
目的は、名刺となるブログをつくることであり、おしゃれなブログをつくることでも、複雑なシステムを実装したブログをつくることでもありません。
ですから、できるだけ無駄がなく、文章が読みやすいデザインのブログをつくれるサービスが望ましいでしょう。
本書の執筆時点において、私がおすすめするブログサービスは2つです。
・はてなブログ
・note
比較的、高機能なものが良ければ『はてなブログ』を、シンプルな見た目や操作性を好むなら「note』がおすすめです。いずれも、仕事獲得を目的としたブログ運営には、十分な性能を持っています。
あまりに迷うなら、noteで大丈夫です。
今日の課題
はてなブログ、あるいはnoteの利用方法を調べて、使える状態まで処理を進めてください。
いずれも簡単に利用を始められるよう配慮されていますが、ブログ開設の方法がわからない場合は【はてなブログ始め方】や【note始め方】といった言葉でネット検索をしてみてください。
※どちらも無料で利用できますから、課金はしなくて大丈夫です。
10日目あなたに書けることから書こう
前で述べたように、Webライターとして初仕事をとる際、「この記事は私が書きました」と言い提示できるものがあると、仕事獲得は有利に進みます。
なぜなのか、簡単なたとえ話をしてみます。
誰かに自身の似顔絵を描いてほしい……という状況をイメージしてください。
あなたのもとに「似顔絵を描けます」と2名からメッセージが届いており、両者はつぎのようにアピールしています。
・Aさん「似顔絵の練習はしているので、私に任せてください」
・Bさん「過去に描いた似顔絵を共有します。私に任せてください」
Aさんは、似顔絵の練習をしているようですが、メッセージの文面からは力量がわかりません。一方、Bさんは過去に描いた似顔絵を共有してくれました。見たところ、あなたの好みにマッチする画風であり、力量に問題はないように思えます。
となると……AさんとBさん、どちらに似顔絵の制作をお願いしますか?
「力量は十分そうだ」という前提はありますが、Aさんの提案に比べて、Bさんの提案に安心感を覚えたかと思います。お金を払って依頼をする際、依頼主は「仕事ぶりが見える人に頼みたい」と思うものなのです。
これはWebライターにも共通し、「この記事は私が書きました」と言って依頼主に仕事ぶりを伝えたほうが仕事獲得につながりやすいのです。
「仕事の実績はこちらです」と言える状態が理想ではありますが、まだ仕事の実績はゼロですから、ブログを活用して「私の文章力はこのくらいです」と証明できる記事を用意しましょう。
とは言っても、突然「ブログ記事を書こう」と指示されると戸惑いますよね。
ですから、まずはブログ記事を書くことに慣れるため、左記のいずれかを題材にして、あなたに書けることから書いてみてほしいのです。
・本業に関すること
・学業に関すること
・趣味に関すること
たとえば、私は元美容師ですから「美容師になるには?」といったテーマで記事を書くことが思い浮かびました。
学業を題材にするなら「美容学校ではどんな授業を受けているの?」といった内容が面白いかもしれません。趣味がある方なら、趣味を題材にしたブログ記事をたくさん書けそうですね
参考までに「私が初めてブログ記事を書くなら……」とイメージして、タイトルとリード文(導入文)、見出しと本文を少々書いてみます。太字強調の部分は見出し(各章の題)をあらわしています。
◆タイトル
美容師になるには?国家資格の難しさや修業内容について解説しました。
◆導入文
人の美をつくる仕事「美容師」は、時代を問わず人気の高い職業です。ただし、国家資格である美容師免許が必要であり、美容室の多くは入社後に修業期間があるため「私も美容師になりたい」と思っても、すぐに就業できるわけではありません。
今回は、美容師になる手順について、元美容師の経験をもとにご説明します。目指している途中で「こんなはずでは……」と後悔しないよう、いまから美容師業界について予習しておきましょう。
美容師になるための条件は3つ
国家試験に合格し、美容師免許を登録すれば美容師として働けます。
ただし、国家試験の受験対象は「美容学校の卒業者」に限られており、美容学校の入学は「高校卒業以上」の条件が設けられる点に留意してください。
そのため、美容師になるための条件は、実質的に3つあると言えます。
・高卒以上、あるいは高卒認定に合格する
・厚生労働大臣の認可を受けた学校を卒業する
・美容師国家試験に合格したあと、免許を登録する
美容師免許の取得に年齢制限はありませんが、入学条件を加味すると免許登録は8歳以上になる計算です。
なお、高等学校卒業程度認定試験と呼ばれる試験に合格することで、最終学歴が中学卒業であっても「高校卒業以上」と認められるため、入学条件を満たせます。実際、筆者が美容学校生だったときには、中学卒業のクラスメイトが3名いました。
また、昼夜いずれかに通学する昼間課程・夜間課程ではなく、通信課程であれば中学卒業のまま就学できる場合もあるため、高卒認定の取得が難しければ通信課程の選択も候補に挙がります。
美容師免許の取得にかかる期間
美容師免許の取得には、入学時から起算して最低2年程度の期間が必要です。
全日制学校と同じ時間帯に授業がある昼間課程は、基本的に2年就学すると国家試験を受験できます。
授業が夕方や夜から始まる夜間課程は、卒業までの期間にバラつきがあり、きっかり2年で卒業できないケースがあります。
年に数回のみ通学する通信課程は、3年以上の就学後に国家試験の受験となるため、昼間課程や夜間課程よりも美容師免許の取得にかかる期間は長期化しがちです。よって、美容師免許の取得にかかる最短期間は、つぎのようにまとめられます。
・昼間課程_2年
・夜間課程_2年~2年強
・通信課程_3年以上
なお、高校卒業と国家試験の受験資格を両取りできる「高等専修学校」は、入学から卒業までに2~3年の期間が….
この調子で「美容学校の就学にかかる費用」や「国家試験の課題内容は?」、「就職後における修行の期間・内容」といった見出しを追加し、本文を書き進めれば2,000字程度のブログ記事になるはずです。
面白い文章を書く練習ではありませんから、とにかく読みやすさ、わかりやすさを意識して書いてみてください。
また、文章をすらすらと書けないことに落ち込む方もいますが、最初は誰しも同じです。書くことに慣れるまで「すらすらと書けないことは当然」ですから、気にする必要はありません。
今日の課題
本業・学業・趣味のどれかを題材に「あなたに書けること」をピックアップし、もっとも濃い情報を書けそうな題材を選んでブログ記事を1本書いてみてください。
仕事では1本2,000字以上の記事を書くことが多いですから、まずはその半分に相当する1,000字以上を目標に挑戦していただければと思います。
その1本が仕事獲得に役立ちます。
11日目の課題も、今日と同じく「ブログ記事を書いてみよう」というものですから、今日だけで書き上げられなくても焦る必要はありません。
大事なのは、1つずつ時間がかかってもやり切るように努めることです。
11日目検索キーワードについて学ぼう
普段、ネット検索を利用するとき、調べたい事柄を検索欄に打ち込みますよね。
【Webライター収入】【おすすめの炊飯器】【カホン自作】【三宮カフェ】
こういった、ネット検索時に使う語句のことを「検索キーワード」と呼びます。
そして、Webライターの仕事では「〇〇さん、この検索キーワードで記事を書いてくれますか?」と依頼されることが多くあります。
突然「この検索キーワードで書いてくれ」と言われても戸惑ってしまいますから、検索キーワードが記事制作にどう関係するのか解説します。まず、検索キーワードは大きく4つに分類されます。
・なにかを「知りたい」人が使う検索キーワード(通称:Knowクエリ)
・なにかを「買いたい」人が使う検索キーワード(通称:Buyクエリ)
・なにかを「やりたい」人が使う検索キーワード(通称:Doクエリ)
・どこかへ「行きたい」人が使う検索キーワード(通称:Goクエリ)
※00クエリの「クエリ」は、質問という意味です。つまり、Knowクエリは「なにかを知りたいから検索欄に入力した質問」と思っていただければ大丈夫です。
4種類の検索キーワードを知っていれば、その検索キーワードを使う人がどんな情報を求めているのか予想できます。
【Webライター収入】と調べる人は「Webライターの収入を知りたい」
【おすすめの炊飯器】と調べる人は「(条件に合致する)炊飯器を買いたい」
【カホン自作】と調べる人は「カホンを自作したい(やりたい)」
【三宮カフェ】と調べる人は「(条件に合致する)三宮のカフェへ行きたい」
検索キーワードから逆算し、「」内に記したようなニーズがあるものと仮説を立てられるのです。これさえ理解しておけば、依頼主から「この検索キーワードで記事を書いてくれますか?」といった注文がきても焦らずに済みます。
今日の課題
引き続き、ブログ記事を書いてください。
昨日の課題としていたブログ記事が未完であれば、完成まで進めましょう。
1記事目が書けたら2記事目、2記事目が書けたら3記事目……と進めて、自力で文章を生み出すことに慣れることを最優先課題とします。
12日目ライバル記事を調べつつ書こう
Webライターの仕事は、依頼主から「この検索キーワードで記事を書いてくれますか?」と注文されることが多いと言いました。
これは言葉を換えると「このキーワードの検索結果に出てくる記事より、優れた記事を書いてほしい」という意味です。
つまり、検索キーワードを検索欄に入力してずらっと表示される0記事よりも、読者を満足させられる記事を書くように求められているのです。
検索キーワードを検索欄に入力した際、最初に表示される0記事は「上位記事」と呼ばれており、Webライターはそれらの上位記事をライバルと認識しつつ、記事を書くことになります。
記事を書くときは、つぎのポイントを意識します。
・より、精読しなくても要点がわかる記事になっているか
・より、文章量あたりの情報密度が高い記事になっているか
・より、求められる情報を網羅的に扱った記事になっているか
「文章は一言一句、読者のために書く」という意識は忘れず、右記の観点において上位記事よりも優れた記事をつくることが目標です。
これらを最初から意識することの難しさは承知していますが、ここでは「ライバルよりも読者に満足してもらえる記事を目指そう」という、心のもちようを説いています。
より良い記事をつくろうとする姿勢が、初心者を「プロ」に変えるからです。
二週目のカリキュラムは専門的な内容が多いですが、自分なりにかみ砕き、理解に努めていただければ幸いです。
専門的な技術の習熟度は、基礎知識をかじり、実践を経て「なるほど。あの座学から得た知識はここにつながるのか」という繰り返しの末に高まるものです。
ただし、ライバル記事を見てどのように仕事を進めれば良いのか、ほとんどイメージできないかと思います。
今日の課題
もともと、Webライターとして活動している人へ配布するためのものですから、知らない言葉も登場するかと思いますが、多くは業界内で使われる用語です。
リサーチの練習も兼ねて、検索を駆使しつつ読み進めてみてください。
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