第2間違いだらけの競馬予想
こちらでは、多くの方がハマッてしまっている競馬予想について説明したいと思います。自分の予想スタイルを今一度振り返る機会としていただければと思います。
あなたの馬券が当たらないのには理由がある
あなたの馬券が当たらない3つの原因
- 原因その1「競馬新聞をじっくり見ているから」
競馬新聞には、レースに関する様々な情報が載っています。
各馬の過去レースの情報(日付、競馬場名、レース名、グレード、区分、距離、天候、馬場状態、出走頭数、その馬の枠(馬)番号、馬体重、騎手名、人気、レースのポジション、着順、1着とのタイム差など)、血統(父、母、父父、母父など)、調教のタイム、調教時の馬の様子、調教を担当した方のコメント、レース展開、展開の予想、位置取り予想、当レースの過去の結果、厩舎、馬主などなど。
いま挙げたこれらすべて、利用してはいけない情報(項目)です。
とにかく様々な情報がこれでもかというぐらい盛り込まれているのが競馬新聞ですが、なかでも、競馬新聞の情報としてもっとも特徴的といえるのが、予想の「印」です。
競馬の予想印には、一般的に「◎」(本命)、「〇」(対抗)、「A」(単穴)、「A」(連穴)などがあり、さらに新聞によっては、「女」や「※」など、独自の印なども使って予想をおこなっています。
競馬新聞にとっては、競馬を予想するのが最低限の「仕事」であり、的中させることが最高の「仕事」となります。予想が的中したときには、次の週の新聞(紙面)で「◎-○で的中!」とか「O-A-43連単で高配当!」などの言葉が並び、大々的にアピールするのが常となっています。
以上のように、競馬新聞には、競馬に関するたくさんの情報が載っている。これが、競馬新聞に対する共通認識だと思います。
しかし、「情報が多い」からといって、イコール「勝ち馬が分かる」わけではありません。また、「情報が満載」だからといって、イコール「的中率が上がる」わけでもありません。
情報はそれが多かろうと少なかろうと、どこまでいっても「情報」に過ぎず、たくさんの情報をみても、勝ち馬がわかる(わかった)「気がするだけ」。
情報を取捨選択しても、的中する確率が上がる(上がった)「気になるだけ」。
ただ、それだけのことなのです。
そんなことはわかっている。でもつい競馬新聞を見てしまう。
その原因は、競馬新聞をみるのがやっぱり「楽しいから」。
自分の考えや自分の予想、馬への思いを巡らすことが競馬の楽しさの一つでもありますので、それは否定しませんし、競馬新聞をみること自体も悪いことではありません。
しかし、掲載されている情報をそのまま鵜呑みにしてしまうと、かえって買い目(狙い目)を絞り込めなくなったり、結局、人気上位の馬しか選べなくなったりしてしまいます。
競馬をギャンブルとみなして、たまに当たればいいや、負けてもいいや、という気持ちで取り組むのではなく、競馬で継続的な収入を得ることを目指すのであれば、競馬新聞は、「出走馬を確認する」だけ、どの馬がどの枠に入ったのか、「枠順をチェックする」程度の役割に留めておきましょう。
見ればみるほど迷うもの、それが競馬新聞ですのでご注意を。
ただ、一つだけ。
競馬新聞において、たった一つだけ重視するべき情報(項目)があります。その内容については、次の章で詳しく説明します。
あなたの馬券が当たらない3つの原因
- 原因その2「稼ぐことが最優先になっているから。」
馬券が当たらない2つ目の原因は、中央競馬の歴史とともにあるといえます。
2002年から2004年にかけて、中央競馬において、とても大きな変革がありました。それは、「3連系」馬券の登場です。
3連系馬券の一つ、3連複の正式名称は、「馬番号三連勝複式勝馬投票法」。2002年に登場しました。3連複は、1着、2着、3着となる馬の組み合わせを的中させる馬券です。着順通りでなくてもよいので、馬を選びやすく(買いやすく)、単勝や馬連などの馬券に比べても高配当を期待できることから、登場以来、人気のある馬券といえます。
さらに、中央競馬では、2004年より「3連単」の発売もスタート(当初は後半4レース限定でした)。2008年からは、全レースで「3連単」の発売を開始しました。3連単は、3連複よりもさらに高配当が期待できることから、こちらも発売開始直後から人気のある馬券といえます。
3連複と3連単の馬券が、実際にどのくらいの人気があるのか。売り上げのデータで比較してみます。
- 日本ダービーにおける「馬券別」売り上げ比率(2018年)
1位/3連単37.1%
2位/3連複19.5%
3位/馬連16.3%
4位/単勝6.3%
4位/馬単6.3%
6位/ワイド6.2%
7位/複勝4.9%
8位/枠連3.4%
3連系2つの馬券が上位を占め、売り上げの半分以上(全体の約56%)を占めています。もう一つご紹介します。
- ジャパンカップにおける「馬券別」売り上げ比率(2018年)
1位/3連単44.3%
2位/3連複16.9%
3位/馬連11.3%
4位/馬単7.3%
5位/ワイド6.1%
6位/複勝6.0%
7位/単勝5.8%
8位/枠連2.3%
こちらのジャパンカップに至っては、3連複と3連単だけで全体の売り上げの6割以上を占めています。4位以降の馬券は順位に変動があるものの、上位の2つは、やはり3連系馬券となっています。
この傾向は、特定のレースだけに出ているものではなく、年間のレース全体をみても同様です。
- 「馬券別」売り上げ比率(2018年・JRA事業報告書より抜粋)
1位/3連単31.5%
2位/3連複_20.1%
3位/馬連_14.3%
4位/複勝_8.7%
5位/ワイド_8.2%
6位/馬単_6.6%
7位/単勝_6.2%
8位/枠連_3.1%
9位/WIN5_1.3%
3連複や3連単の人気が高い理由としては、やはり(難易度は高いが)「配当は大きい」ことが考えられます。また、難易度が高ければ高いほど、的中したときの達成感や幸福感が大きいことなども、人気の理由の一つかもしれません。
3連複や3連単の人気が高いということは、それだけ、「ハマっている人が多い」ということを意味しています。そして、3連系の馬券にハマっている人に共通することがあります。
それは、購入点数(買い目)が増えることです。3連系の馬券を買うとなると、気付けば20点買い、30点買い程度は当たり前。3連単ともなると、50点、100点と買う人も少なくありません。
3連系は当たれば配当が高いので、多くの点数を買ってすぐに取り戻せるという意識が働き、あっという間に買い目が増えてしまいます。
このとき、3連系を買う人の頭の中には、次の魔法の言葉が駆け巡っています。「当たれば・・」。
「当たれば」、購入点数がこれぐらい多くても充分儲かる。「当たれば」、これまでの負け分を一気に取り返せる。
すべて、「当たれば…」という何も根拠のない思いが出発点になっています。
当たり前のことですが、「稼ぐ」ためには、「当てる」必要があります。稼ぎたい気持ちはわかりますが、まずは、「当てる」ことを優先させましょう。
買い目を増やす=当たるわけではありません。あくまでも、予想を当てる=当たるわけです。
予想が当たらない限りは、100点買おうが200点買おうが300点買おうが400点買おうが、馬券は外れてしまうわけですから、まずは、「当てる」ことを第一に考えましょう。できるだけ少ない投資で、できるだけシンプルに「当てる」ことを考える。
考えるのはそこからです。
あなたの馬券が当たらない3つの原因
- 原因その3「ルールがないから。」
最後3つ目の原因は、あなたの競馬の取り組みに「一貫性」や「連続性」「規則性」がないことが考えられます。
どの馬券を買うのか。どの基準で馬を取捨選択するのか。購入金額はいくらにするのか。当たったとき(または外れたとき)はどうするのか。
こういった項目を馬券購入する前にチェックしている人はほとんどいません。
なんとなく賭けている。ルールはあるといえばあるけど、厳密には決めていない。
そんな人が大多数だと思います。
競馬は、勝っても負けても、続きます。その日だけ、1回だけ、という賭け方であれば、そのときだけの感覚や気持ちで馬券を購入してもかまいません。
しかし、競馬を投資的に捉えて、安定的、継続的に収入を増やしていくことを目指すのであれば、自分なりのルール「マイルール」を設定することをオススメします。
ルール化していない馬券購入は、どこまでいっても単なる「遊び」です。競馬を投資的に捉える意識があるならば、マイルールを持ちましょう。ルールを作ること自体は難しいことではありません。
ルールを作る意識を持ち、実際に「マイルール」を作ってみること。これだけです。
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