「ウェブ×セミナー=ウェビナー」でコンテンツを提供しよう
ユーチューブの「限定公開」の動画は、特定の人に向けて公開するため、その動画を宣伝として活用することができます。
その、もっともよい例が、「ウェビナー」です。
ウェビナーとは、「ウェブ」と「セミナー」を掛け合わせた造語。その名の通り、インターネット上で開催するセミナーのことです。
本来は、ホテルや会議室に人を集めて行うセミナーを、ウェブ上で実施。このウェビナーによって、遠方の人でも気軽にセミナーを視聴できるようになるわけです。
ウェビナーには、リアルタイムで「ライブ配信」する方法と、録画しておいた動画を配信する「録画配信」があります。
ウェビナーはインターネットで配信するため、会場を借りる必要がなく、コストがほとんどかかりません。参加者も、動画を視聴できる端末とネット環境さえあれば、どこからでも参加できます。
リアルタイムでライブ配信するなら、従来のセミナーと同じように、あらかじめ配信する日時を告知しておき、時間になったらセミナーをスタートさせます。視聴者参加型にして、質問を随時受けることも可能です。
一方、録画配信は、前もって動画を編集できるので、テロップを入れたり無音部分をカットするなど、より精度の高い情報を届けられます。視聴者にとっても、自分に都合のいいタイミングで視聴できるのはとても大きなメリットですね。
ウェビナーには大きなメリットがある
ウェビナーなら、インターネットに接続できる環境があれば、誰でも参加できる。住んでいる場所や会場の大きさの制がなく、コスト面でも節約できる。
・ウェビナー
・会場のセミナー
開催場所
インターネット上
講演会發場、会議室など
準備・運営
日程調整がしやすく、案内や運営のための人手がかからない
複数の運営スタッフが必要になる
参加者の制限
地理的な条件がない。配信サービスにより参加人数が異なる
会場の近辺に住んでいる人が中心。会場の「収容人数」という制限がある
コスト
ほとんどかからない
会場のレンタル料や運営スタッフへの費用が発生する
ユーチューブには、ライブ動画の配信サービスである「ユーチューブライブ」があり、無料で利用できます。視聴者がライブ配信中に、直接お金を送る「スーパーチャット」という投げ銭機能もあります。
フェイスブックにも同様に、無料で利用できる「フェイスブックライブ」がありますが、ライブ配信中に課金できる機能は備わっていません(2020年7月時点)。
この他にも、有料ですが、「ズームビデオウェビナー」「ネクプロ」などの配信サービスを利用することで、簡単にウェビナーを開催できます。
また、最近は、テレビ番組のようなプロっぽい動画を配信できるサービス「ストリームヤード(StreamYard)」が人気です。
「ユーチューブライブ」や「フェイスブックライブ」でライブ配信するときに、ライブ中のコメントをテロップで表示できるすぐれもので、対談形式の2画面でのライブ配信も簡単にできます。
アカウントを取得するだけで利用できますが、有料版には複数のメディアに一気にライブ配信をする機能もあるので、使い方を研究してみましょう。
さらに、オンライン学習サイトとして有名な「ユーデミー(Udemy)」に有料講座を作成して収益を上げるという方法もあります。
ユーデミーは、もともと教育を目的としたサービスで、良質で有益な講座がたくさん用意されており、仕事や趣味に関わる自分の能力を向上させる手段として受講する人が多いようです。
専門的な知識や技術を備えている人や独自のノウハウを提供できる人は、講師として参加することを検討してみましょう。
なんといっても最大のメリットは、集客が不要な点。ユーデミーが勝手に、あなたの教材を売って、決済まで自動でしてくれるので、不労所得化が可能になることです。
また、「ひとりビジネス」で成功している人の中には、「プロダクトローンチ」という手法で大金を稼いでいる人もいます。
これは、アメリカの起業家ジェフ・ウォーカーが考えた販売手法で、プロダクトは「商品」、ローンチは「立ち上げる・公開する」という意味です。数週間または数か月前から、少しずつ動画やメルマガで情報を小出しにして、お客さんの購買意欲を高め、「商品を買わずにはいられない」という気持ちを引き出しておきます。そして、発売日に爆発的に売れるようにします。この手法は、コンサルティング、カウンセリング、コーチングでも、効果的に使われています。
ウェビナーなど、セミナー形式の商品と相性がいいので、興味のある人は、プロダクトローンチの手法も研究してみましょう。
固定ファンがたくさんいるなら、オンラインサロンという方法も
さて、あなたのビジネスのベースキャンプとなる「ひとりメディア」の形が、イメージできましたか?
最後に、「オンラインサロン」について、少しだけお伝えします。「オンラインサロン」は、オンライン上にある、有料(月額会費制)のクローズドなコミュニティ。西野亮廣さん、堀江貴文さん、落合陽一さんなどの著名人が主催するオンラインサロンが人気です。
オンラインサロンは、好きな人が好きなことにお金を払って集まる、いわば有料ファンクラブのようなもの。さまざまな専門知識や専門技術を持った人たちが、このオンラインサロンを起ち上げています。
あなたの商品・サービスが軌道に乗り、固定ファンがたくさんいる状態なら、オンラインサロンを運営することも、不可能ではありません。
手軽にオンラインサロンを開設するなら、フェイスブックがオススメです。
フェイスブックなら、テキストや画像の投稿、コメント欄の交流、ライブ配信(フェイスブックライブ)、イベントの告知など、たくさんのことが無料でできます。
ただし、フェイスブックには検索機能がないため、過去のコンテンツを管理するのには向いていません。フェイスブックを中心にして、ホームページやユーチューブの限定公開動画で、足りないところを上手に補うのです。
また、オンラインサロンを運営するなら、月に1回、ズームなどのウェブ会議サービスを使って、ウェブ・ミーティングをしましょう。リアルな懇親会(オフ会)は、季節ごとに1回(年に4回程度)のペースで開催するのがいいでしょう。
オンラインサロンの運営には、一定の時間と手間がかかりますが、固定ファンを大切にしたいと考える人は、チャレンジしてみてください。
もし、運営の手続きが面倒なら、ディーエムエム(DMM)など、オンラインサロンのプラットフォームを提供する会社のサービスを利用する方法もあります。
手数料はかかりますが、運営は格段にラクになります。あれこれ手配する時間がとれそうにない人は、検討してみましょう。
オンラインサロンには、同じテーマに興味がある人や、その道のプロが集まります。オフ会で実際に会うこともできるので、コミュニティが一気に広がります。
自分のサロンを開設する前に、気になる人のサロンを訪ねて研究してみましょう。きっと、よいヒントが見つかるはずです。
オンラインサロンって、いいの?
オンラインサロンには、メリットとデメリットの両面がある。「本当に必要か?」と考えよう。
〇メリット
自分でルールを決めるので、自由度が高い同じ意識を持つ人と情報を交換できる
・メンバーの意見を聞いて視野が広がる
×デメリット
・運営のために時間と手間がかかる
・費用対効果の面でリスクがある
・トラブルへの対処はすべて自己責任
事例ファイル15
ブログ・SNS・動画の連携でお客様を集める
彩塾(さいじゅく)
山口朋子さん(50代・女性)
ひとりビジネスDATA
職歴:約12年
女性が、起業するために必要なネットスキルを学ぶオンラインスクールを運営。自分の強みを検証してから、SNSや動画で集客する方法を学べる。年商:2000万円以上
建築会社で設計図を描く仕事をしていましたが、娘を出産後、将来を考えて、ウェブの勉強を始めました。独学でHTMLを学び、ウェブマーケティングやアフィリエイト、ネット販売などを研究しました。
アフィリエイトでブレイクするまでに3年ほどかかりましたが、そこからマスメディアでの露出が増え、オンラインスクールをスタートさせて1年が経ちます。
私が実践しているブログ・SNS・動画を連携させる手法は、次のような流れです。メインの記事はアメブロに書きます。そこからメルマガとライン公式アカウントへ誘導します。フェイスブックでは、ブログや動画の更新時にリンクを入れ、アクセスをうながします。また、ユーチューブのチャンネルでは、ライン公式アカウントに登録してくれる人を募ります。動画の情報量の多さ、手軽さが、現代にとてもマッチしていると感じています。
一連の活動を通じて、みんなが知りたいことを提供する、これがいちばん大切なことだなと痛感しています。
最近、大学生の娘が「学生起業モル」という起業に関するユーチューブチャンネルを作りました。彼女も私と同じようにメディアを連携させる手法を実践しており、ユーチューブを更新したら、アメブロとツイッターでお知らせを配信する。たまに、インスタグラムやティックトックを使って、アクセスを集めているようです。
SNSを活用すると学生でも起業できる時代だな、と感慨を深めています。
日本も、企業に就職すれば安泰という時代ではなくなりました。だからこそ、今後も、高校・大学で学ぶ学生たちに、自分で自分の仕事を作り出す「起業という働き方」について伝えていきたいと考えています。
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