ファクタリング手数料を安く抑える方法とおすすめ会社12選【2025年版】
前回の記事では、ファクタリング手数料の基本的な仕組みと相場について解説しました。今回は、実際に手数料を安く抑える具体的な方法と、手数料が安いおすすめのファクタリング会社をご紹介します。
「少しでも手数料を安くしたい」「どの会社を選べば良いかわからない」という初心者の方に向けて、実践的なノウハウをお伝えします。
ファクタリング手数料を安く抑える10の方法
1. 3社間ファクタリングを選択する
最も効果的な手数料削減方法は、3社間ファクタリングを選択することです。
| 項目 | 2社間 | 3社間 | 差額例 |
|---|---|---|---|
| 手数料相場 | 8%〜20% | 1%〜9% | 約5%〜15%の削減 |
| 100万円の場合 | 8万円〜20万円 | 1万円〜9万円 | 最大19万円の削減 |
3社間ファクタリングのメリット:
- 手数料が大幅に安い
- 債権譲渡登記が不要
- 回収リスクが低い
注意点:
- 売掛先の承諾が必要
- 関係性に影響する可能性
- 手続きに時間がかかる
2. 売掛先の信用度を証明する
売掛先の信用度が高いことを証明できれば、手数料を大幅に削減できます。
効果的な証明書類:
- 上場企業の場合:有価証券報告書、決算短信
- 大手企業の場合:帝国データバンクの企業情報、新聞記事
- 官公庁の場合:契約書、発注書の写し
- 継続取引実績:過去の取引履歴、入金明細
具体的な手数料削減効果:
- 上場企業の売掛債権:5%〜10%の手数料削減
- 官公庁の売掛債権:10%〜15%の手数料削減
- 継続取引実績:2%〜5%の手数料削減
3. 複数社で相見積もりを取る
必ず3社以上のファクタリング会社で見積もりを取り、条件を比較しましょう。
相見積もりの効果的な進め方:
- 1次審査:5社程度に見積もり依頼
- 条件比較:手数料だけでなく総費用で比較
- 交渉:最も良い条件を他社に提示して交渉
- 最終決定:総合的に最も有利な会社を選択
相見積もりによる手数料削減例:
- A社:手数料15%
- B社:手数料12%(A社の条件を提示後)
- C社:手数料10%(最終交渉後)
- 結果:5%の手数料削減に成功
4. オンライン完結サービスを利用する
オンラインで手続きが完結するファクタリングサービスは、人件費を抑えられるため手数料が安い傾向があります。
オンライン完結サービスの特徴:
- 店舗運営費が不要
- 人件費を削減
- 24時間申し込み可能
- 審査スピードが早い
主要なオンライン完結サービス:
- PAYTODAY:1%〜9.5%
- OLTA:2%〜9%
- QuQuMo:1%〜14.8%
- labol:10%
5. 高額債権を利用する
債権金額が大きいほど、手数料率は低くなる傾向があります。
債権金額別の手数料例:
| 債権金額 | 2社間手数料相場 | 3社間手数料相場 |
|---|---|---|
| 50万円未満 | 15%〜20% | 7%〜9% |
| 50万円〜500万円 | 10%〜15% | 5%〜7% |
| 500万円〜1,000万円 | 8%〜12% | 3%〜5% |
| 1,000万円以上 | 5%〜10% | 1%〜3% |
高額債権を作る方法:
- 複数の売掛債権をまとめて売却
- 継続取引で信用度を高めてから高額案件を受注
- 長期契約で月額を増やす
6. 継続利用による優遇を活用する
同じファクタリング会社を継続利用することで、手数料の優遇を受けられます。
継続利用のメリット:
- 信用度向上:過去の取引実績が評価される
- 審査簡略化:書類提出が少なくなる
- 手数料優遇:リピート割引が適用される
- 優先対応:急な資金需要にも迅速対応
継続利用による手数料削減例:
- 初回利用:15%
- 2回目:13%(2%削減)
- 3回目以降:10%(5%削減)
7. 支払いサイトの短い債権を選ぶ
支払いまでの期間が短い債権は、ファクタリング会社のリスクが低いため手数料が安くなります。
支払いサイト別手数料の目安:
- 30日以内:基準手数料
- 31〜45日:+1%〜2%
- 46〜60日:+2%〜3%
- 61日以上:+3%〜5%
8. 決算書の改善
利用者自身の信用度も手数料に影響するため、決算書の内容を改善することで手数料削減が可能です。
決算書改善のポイント:
- 売上の安定化:継続的な売上実績
- 利益の確保:適正な利益率の維持
- 自己資本比率の向上:財務基盤の強化
- 借入金の適正化:過度な借入の回避
9. 早期申し込みによる交渉
資金が急に必要になる前に、余裕を持って申し込むことで有利な条件で交渉できます。
早期申し込みのメリット:
- 複数社での比較検討が可能
- 条件交渉の余地がある
- 書類準備に時間をかけられる
- 売掛先との調整時間が確保できる
10. 手数料以外の費用も考慮する
表面的な手数料だけでなく、総費用で比較することが重要です。
確認すべき費用項目:
- 基本手数料
- 審査料
- 事務手数料
- 債権譲渡登記費用
- 振込手数料
- 解約手数料
手数料が安いおすすめファクタリング会社12選
1. PAYTODAY(ペイトゥデイ)
基本情報:
- 手数料:1%〜9.5%
- 買取金額:10万円〜上限なし
- 入金スピード:最短30分
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 業界最低水準の手数料上限
- 完全オンライン完結
- 最短30分で入金可能
- 必要書類が少ない
2. OLTA(オルタ)
基本情報:
- 手数料:2%〜9%
- 買取金額:制限なし
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- AI審査による迅速な判定
- 上場企業が運営
- 債権譲渡登記不要
- 2社間取引専門
3. QuQuMo(ククモ)
基本情報:
- 手数料:1%〜14.8%
- 買取金額:制限なし
- 入金スピード:最短2時間
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 下限手数料1%の低コスト
- 弁護士ドットコム監修
- 電子契約で手続き簡単
- 必要書類は2点のみ
4. ビートレーディング
基本情報:
- 手数料:2%〜12%
- 買取金額:制限なし
- 入金スピード:最短2時間
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 業界最大手の実績
- 月間契約数400件以上
- 全国9拠点でサポート
- 幅広い業種に対応
5. 日本中小企業金融サポート機構
基本情報:
- 手数料:1.5%〜10%
- 買取金額:制限なし
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 一般社団法人が運営
- 非営利目的の低手数料
- 経営改善サポートも提供
- 3社間取引に特に強い
6. アクセルファクター
基本情報:
- 手数料:2%〜15%
- 買取金額:30万円〜1億円
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 柔軟な審査基準
- 原則として償還請求権なし
- 来店不要のオンライン契約
- 建設業に特に強い
7. ベストファクター
基本情報:
- 手数料:2%〜20%
- 買取金額:30万円〜1億円
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 下限手数料2%の低コスト
- 平均手数料10%以下
- 審査通過率92.25%
- 担保・保証人不要
8. PMGファクタリング
基本情報:
- 手数料:1%〜9%
- 買取金額:100万円〜無制限
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人のみ
特徴:
- 手数料の透明性が高い
- 大手企業の売掛債権に強い
- 3社間取引がメイン
- 継続利用で手数料優遇
9. No.1ファクタリング
基本情報:
- 手数料:1%〜15%
- 買取金額:50万円〜5,000万円
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 初回利用者は手数料50%OFF キャンペーン
- 審査通過率95%
- 建設業特化のプランあり
- 来店・出張契約可能
10. 株式会社トライ
基本情報:
- 手数料:3%〜15%
- 買取金額:50万円〜5,000万円
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人・個人事業主
特徴:
- 建設業界に特化
- 業界特有の事情を理解
- 長期的な経営サポート
- 全国対応可能
11. labol(ラボル)
基本情報:
- 手数料:10%
- 買取金額:1万円〜
- 入金スピード:最短60分
- 対象:個人事業主・フリーランス
特徴:
- 少額債権に特化
- 手数料一律10%で分かりやすい
- 1万円から利用可能
- 個人事業主専門
12. 西日本ファクター
基本情報:
- 手数料:1.5%〜18%
- 買取金額:100万円〜3億円
- 入金スピード:最短即日
- 対象:法人のみ
特徴:
- 九州・関西圏に強い
- 地域密着型のサービス
- 長期的な取引関係を重視
- 3社間取引が得意
会社選びの比較ポイント
手数料以外の重要な比較項目
| 比較項目 | 重要度 | 確認ポイント |
|---|---|---|
| 入金スピード | ★★★★★ | 最短何時間で入金されるか |
| 審査通過率 | ★★★★☆ | 審査が通りやすいかどうか |
| 買取金額範囲 | ★★★★☆ | 自社の債権額に対応しているか |
| 必要書類 | ★★★☆☆ | 準備しやすい書類かどうか |
| サポート体制 | ★★★☆☆ | 相談しやすい環境かどうか |
業種別おすすめ会社
建設業:
- No.1ファクタリング(建設業特化プラン)
- アクセルファクター(建設業に強い)
- 株式会社トライ(建設業専門)
IT・Web業界:
- PAYTODAY(オンライン完結)
- OLTA(テック企業運営)
- QuQuMo(IT業界実績豊富)
個人事業主・フリーランス:
- labol(個人事業主専門)
- PAYTODAY(少額対応)
- ベストファクター(個人事業主歓迎)
手数料交渉のテクニック
効果的な交渉方法
1. 他社の見積もりを提示
- 「他社では○%の手数料を提示されています」
- 具体的な数字を示すことで説得力を高める
- 複数社の見積もりがあることを伝える
2. 継続利用をアピール
- 「長期的な取引を考えています」
- 「毎月○○万円程度の利用を予定」
- 継続利用による優遇条件を引き出す
3. 債権の質の高さを強調
- 売掛先の信用度の高さ
- 継続取引の実績
- 支払い履歴の良さ
交渉のタイミング
最適な交渉タイミング:
- 初回見積もり後:他社との比較材料として
- 継続利用時:取引実績をアピール
- 高額債権利用時:まとまった利用をアピール
- 複数債権同時利用時:ボリューム割引を要求
注意すべき悪質業者の特徴
見分け方のポイント
絶対に避けるべき業者:
- 手数料が異常に高い(30%以上)
- 保証金・手付金を要求する
- 償還請求権がある(ノンリコースではない)
- 契約書の内容が不明確
- 貸金業登録をしていないのに融資的契約
- 分割払いを提案する
適正業者の見分け方
信頼できる業者の特徴:
- 手数料が相場内(2社間:20%以下、3社間:10%以下)
- ノンリコース契約(償還請求権なし)
- 契約書が明確
- 会社情報が公開されている
- 実績・口コミが確認できる
ファクタリング利用時の注意点
資金繰り計画の重要性
ファクタリングは一時的な資金調達手段であるため、根本的な資金繰り改善も併せて検討する必要があります。
資金繰り改善の方法:
- 支払いサイトの短縮交渉
- 売上の安定化・拡大
- コスト削減
- 融資による資金調達
- 補助金・助成金の活用
税務・会計処理
ファクタリング利用時の勘定科目と仕訳を正しく理解しておきましょう。
基本的な仕訳例:
- 借方:現金預金 900,000円
- 借方:売上債権売却損 100,000円
- 貸方:売掛金 1,000,000円
まとめ
ファクタリングの手数料を安く抑えるためには、以下の10のポイントが重要です:
- 3社間ファクタリングの選択
- 売掛先の信用度証明
- 複数社での相見積もり
- オンライン完結サービスの利用
- 高額債権の活用
- 継続利用による優遇
- 支払いサイトの短い債権選択
- 決算書の改善
- 早期申し込みによる交渉
- 総費用での比較検討
また、手数料が安いおすすめのファクタリング会社として、以下の12社をご紹介しました:
- PAYTODAY:1%〜9.5%
- OLTA:2%〜9%
- QuQuMo:1%〜14.8%
- ビートレーディング:2%〜12%
- 日本中小企業金融サポート機構:1.5%〜10%
適切な知識と準備があれば、必要な資金を適正な手数料で調達することができます。複数社での比較検討を行い、自社に最適なファクタリング会社を選択しましょう。
手数料だけでなく、入金スピード、サポート体制、継続利用の可能性なども総合的に判断することが、長期的な事業成長にとって重要です。


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