③セミナーを録画する
開催したセミナーは録画して、当日参加できなかった受講生が見えるようにしておくことが重要です。この仕組みを導入することで、レバレッジが一気に大きくなります。一般的な会場型のセミナーであれば、当日その場にいなければならないという場所と時間の制約が発生します。
しかし時間と場所の制限を超えられるなら、会場型のセミナーよりももっと多くの受講生を集めることができます。これは会場のキャパによる制限というよりも、参加する受講生の時間を拘束することから起こる制限です。
例えば会場のみのセミナー20人の受講生を集めることができるヒトは、時間と場所の制約がないなら、およそ10倍規模の集客が可能です。
仮に開催地と同じ市町村に住んでいたとしても、ただ時間の都合がつかないというだけで行くことができないのですから、それを「見えるようにする」ということには大きなメリットがあるのです。
この時間と場所の制約を超えることができるという意味は非常に大きいのです。ただそれだけでビジネスの規模が10倍以上になるということは珍しいことではありません。
誰が撮影するか
セミナーをネットで見ることができるようにするためには、撮影をする必要があります。そして誰がセミナーを撮影するのかですが、方法は2つあります。
ひとつは自分で撮影する方法、もうひとつは自分以外の誰かに依頼する方法です。自分で撮影するなら費用はほとんどかかりません。自分で撮影というとピンとこない方もいると思いますが、今は便利なツールが多く出ているのでそれほど難しくはありません。
もちろんプロに依頼するのと同じだけのクオリティを出そうとしたら難易度はかなり上がりますが、最初からそれだけのコストをかけることが絶対条件だというわけではありません。売上の上昇に伴って使える変動費も上がるのですから、それからでも大丈夫です。
むしろ最初は企画とコンテンツを充実させる方が重要です。
もちろん資金に余裕があるなら最初から外部に依頼しても良いでしょう。依頼するなら撮影と編集のセットでの依頼が良いです。費用はピンきりですが、セットで受けてくれる小回りの効く業者さんも多数いますので、編集のできるカメラマンさんを探しましょう。
ただ編集項目が多くなると費用もかさみますから、なるべく編集作業が多くならないように注意しましょう。具体的には動きを抑えてカットを入れず、通しで撮影できるようにするということです。実際のところで言えば、セミナーという対象の特性上それほど大きな動きが出にくいですから、さほど問題にはならないと思います。
撮影・編集のプロに頼む
プロの業者さんを探す方法は概ね2つです。
ひとつは「撮影代行」「セミナー撮影」に都道府県名を加えて検索する方法、そしてもうひとつは知り合いから紹介してもらう方法です。腕はピンきりですし価格もピンきりですが、クオリティと価格は概ね連動しているものです。
ただし大した技術がなくても高くチャージされることもありますので、そういったリスクを避けるには紹介の方がベターです。東京であれば私からご紹介することもできますので、希望される方はお問い合わせください。
相性もあると思いますので、ご自身でお調べになった方も含め、複数の方と話してみられることをオススメします。
ココナラを使う
ココナラというサイトがあります。知識やスキルを売り買いできるフリーマーケットという位置づけのサイトです。
似顔絵やイラストから、コンサルティング、悩み相談、WEBサイト制作、ライティングなど、多種多様なスキルが出品されています。
撮影と編集をまとめて3万円で受けていただけるフリーの方がいたりしますので、予算が少ない場合など、大変おすすめです。ココナラのサイトでセミナー+撮影などのキーワードで検索してみてください。
自分で撮影する
ほとんどの方がスマホをお持ちだと思います。スマホとアプリを活用することで、自分ひとりでもセミナーの撮影をすることができます。
必要になるものは
- スマホ
- スマホスタンド
- WEBカメラアプリ
- ワイヤレスマイク(Bluetooth)ネットに繋がったノートPC
です。WEBカメラアプリはアプリストアで検索するといくつか見つかります。ワイヤレスマイクはそれを使わずスマホ内蔵のマイクを使っても良いのですが、音質で視聴者の感じる動画のクオリティは大きく変わります。
ですから音声用のマイクはそれ専用のものを使うことを強くオススメします。つまりは映像をスマホから、音声をワイヤレスマイクから飛ばす形にするわけです。
スマホをお持ちでない場合は、マイク内臓のUSBカメラをノートPCの接続する形でも良いと思います。カメラを移動させたり、向きを自由に変えることはできませんので、講師が自由に動き回ることはできませんが、一般的なセミナーであればそれほど問題にならないと思います。
最近のスマホのカメラは高機能ですから、下手なデジカメよりもキレイに取れます。ただしセミナー開始前に必ず映像テストと音声テストを行ってください。
万が一、映像や音声が撮れていなかった場合、リカバリが非常に難しいですから、充分確認をしてください。
ZOOM
ZOOM(ズーム)というWEB会議アプリ、WEB会議ソフトがあります。使う方が増えましたので、ひょっとしてご存知かもしれません。これはセミナー開催と録画をまとめて行うことのできるアプリですが、非常に使い勝手の良いアプリです。
最初はこれを使うと良いかも知れません。使い方は非常にカンタンです。パソコンでスケジュールを決めると専用のURLが発行されますので、そのURLをオンラインで参加するヒトに送信するだけです。受講生の方で、URLをクリックするとZOOMが自動的に立ち上がります。
まだZOOMをインストールしていないPCやスマホでは自動的にインストールの手順へ誘導してくれます。また無料版もありますが、有料版でも月二千円~ですからコストパフォーマンスは非常に良いと言えるでしょう。
④セミナーをネットで配信する
ネットでセミナーを配信するには、何らかのクラウドサービスを利用することになります。セミナーの著作権について、気になる方もいらっしゃると思いますが、著作権やアカウントの管理を厳格にしようと思えば思うほど、コストがかかります。
管理レベルを上げるほどコストは累乗的に増えますので、実際はどこかで手を打つことになります。現実的なことを言えば、国家機密を扱うようなセミナーでない限りそれほど気にする必要はないでしょう。
もちろんヤフオクやメルカリでの転売など、著作権侵害行為へは対応すべきです。ほとんどの場合は、違反者に「著作権侵害」であることを指摘だけで、出品を取り下げると思います。
一本連絡するだけですから手間的にはそれほど大変でもありません。起業当初に優先すべきはビジネスとして成立することですから、当初は最低限の管理でも充分です。
もちろんDRM(デジタル著作権管理)を導入することで厳格な著作権管理をすることもできますが、相当なコストがかかりますから、あまりオススメしません。
起業当初から利用しやすいネット配信のためのクラウドサービスを3つご紹介しましょう。
1.YouTube(ユーチューブ)
ご存知、動画サイトの最大手ですが、ユーチューブにはアップした動画を公開するヒトを限定する機能があります。動画を限定公開にした場合、公開用のリンクを知っているヒトだけ見ることができます。
ユーチューブはほとんどのデバイスに対応していますし、なんと言っても知名度もありますから安心して見てもらえます。ただ「無料で使える」ということが逆に安っぽいブランドに見えてしまうことがありますから、そのあたりが気になる場合は「なぜユーチューブを使用しているか」について補足しておいて方が良いかもしれません。
基本的にサーバが落ちて見れないといったことがほとんどありませんから、そういった面からのメリットの訴求が良いと思います。
2.Amazon(AWS)アマゾンウェブサービス
普段の生活で目にする機会はあまりないと思いますが、名だたる大手企業もこぞって使っているクラウドサービスですから信頼性はピカイチです。
また小規模ビジネスからでも使うことができます。このAWSの中にファイルストレージサービスがありますが、そこに動画ファイルを置き、外部から呼び出す形で公開することで、落ちたり固まったりすることのない動画配信を行うことができます。有料ですが従量課金制ですから、利用開始前から大きな費用負担が発生することもありません。
AWSと会員管理システムを連携することで、著作権に配慮しつつ信頼性の高い配信ができるようになります。私の主催するセミナー動画の配信にはこのシステムを利用しています。
vimeo(ビメオ)
ビメオは2004年にスタートした動画共有サイトです。ユーチューブなど他の動画サイトに比べ、動画のクリエイティブとクオリティの高さで知られています。
ビメオは個別の動画を外部サイトへ埋め込むことが可能、かつ個別の動画にパスワードを設定することができます。これによって会員管理システムを使わなくても、著作権管理レベルを上げることができます。
また埋め込みプレイヤーもユーチューブとは違ったクリエイティブな作りになっていますので、配信時のクオリティを上げることもできます。個人的にはかなりオススメしたいサービスです。
⑤当たりやすい企画のテーマとは
さて、どういったテーマでセミナーを開催すると良いかお話しました。基本的な考え方は、すでに開催されているセミナーのテーマを確認し、かつそのテーマにおけるニーズを調査することで、具体的なテーマが見えてくるということです。
ここではざっくりとしたコンセプト設定方法から、より具体的なテーマについてお話したいと思います。
どういったテーマが当たりやすいのかは「商品企画」に関することですから、永遠のテーマとも言えます。ただ今はすでに「令和」ですから、昭和とも平成とも時代の空気が違います。
ネットの常時接続が可能になって誰もがスマホを持つような時代ですから、情報に対する価値は以前とは大きく違います。つまるところタダで見える情報におカネを払うことはないのですから、前提として「ヒトが価値を感じること」が重要です。
ではどういったテーマが価値を感じやすいのでしょうか。根源的にヒトが欲するものは2種類と言われます。ひとつは痛みをなくすもの、そしてもうひとつは利益を得るものです。
マイナスをなくすもの、もしくはプラスを得るもの、という言い方もできるでしょうか。その上で今の時代性を元にカテゴリーを分類すると、大きく5つのカテゴリーになります。
具体的には
- お金(仕事)
- 人間関係
- 趣味
- 健康(病気)
- 社会問題
の5つです。
1.お金とは、
起業や副業、投資の他、サラリーマンの方が普段仕事をしている時に活用できるもの、例えば資格や検定、営業や物流、人事に関する知識や事例も含みます。例えばフィンテックやAIなど、時代とともにトレンド入りするテーマもここに入ります。
2.人間関係には、
職場の上司や先輩、部下や後輩、顧客やクライアント、伴侶、パートナー、恋人、両親や子どもなどあらゆる人間関係が入ります。ヒトの悩みは究極的にお金と人間関係に集約されるとも言われますので、それを解決するソリューションには絶対的なニーズがあります。
いわゆるマネジメント、ハラスメント対策、リーダーシップ、カウンセリング、コーチング、目標達成もそうですし、婚活、ナンパ、合コン、離婚などの男女関係、学校や部活、サークルや職場のイジメも悩みの深いテーマです。
いわゆる教育法、シュタイナー教育とか、イエナプラン、七田式もこのカテゴリーに入れて良いでしょう。
3.趣味は、
一般的に考えられるもので問題ありませんが、その中でも「お金を使う」習慣のある趣味が好ましいでしょう。例えば写真、ペット(トカゲや熱帯魚)、ゴルフ、車やバイク(レースやクラッシックカー含む)、着付けや生花、テーブルマナー、ワイン、競馬や競艇、美術品、骨董品、鉄道などが具体例になるでしょう。
4.健康については、
病気を癒す・治す方向のものと、より健康になる方向のものがあります。
糖尿病、癌、免疫疾患、痛風、リウマチ、動脈硬化、肝炎、メタボ、依存症などの治らない、治りにくいものについてはセミナーの他、アドバイスやコーチング、勉強会のような情報ニーズも高くなります。
より健康になる方向ではヨガや護身術、いわゆる健康法、食事法や運動が含まれます。また一般ユーザへの教育ニーズもさることながら、医師、看護師、レントゲン技師などの医療関係者へ向けた教育ニーズは非常に需要が高いものです。
5.社会問題については、
原発、LGBT、貧困、ひとり親、DVなどの社会問題にはそれぞれ関心の高い層が存在します。
そうした意識の高い層へ向けた情報ニーズはもちろん、具体的なサポートを行う互助会的な仕組みに対するニーズ、サポートしているヒトへの教育ニーズも高いものです。
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