②セミナーを開催する
セミナーのテーマを考える
さて、セミナーを開催すると言ってもやったことがあるヒトならともかく、やったことのないヒトにとっては少々敷居が高く感じるかも知れません。しかし世の中には専業でやっているヒトだけではなく、本業の延長でセミナーを開催しているヒトも大勢いるのですから、それほど構える必要はありません。重要なのはニーズのあるテーマで開催することです。ではニーズがあるかどうか、どうやって見極めたら良いのでしょう?
定性的に調べる方法は2つあります。ひとつはテーマのカテゴリーから絞る方法。そしてもうひとつは、実際に開催されている他のセミナーを参考に考える方法です。そしてそれを定量的に調べることを忘れないようにしてください。
テーマのカテゴリーから絞る
セミナーとは勉強のことですから、セミナーに来るヒトは勉強したいヒトです。もっと言えば、勉強することが自分の目的に叶っているヒト、ということです。そういうヒトのニーズとは、自分にとって意味のあるノウハウや情報、ニュースになります。
大きく分けると3つあります。
- 仕事
- 趣味
- ライフスタイル
の3つです。
仕事に関するものには
- 資格、検定
- ビジネススキル
- 事例
- 語学
- 投資
などがあります。
趣味に関するものには
音楽、スポーツ、DIY、ハンドメイド、ゲーム、コレクション、花(華道)、お茶(茶道)、家庭菜園、ガーデニング、ペットなどがあります。
ライフスタイルに関するものには
就職、転職、結婚、宗教、自己啓発、受験(高校、大学)などがあります。
もしあなたが何か資格をお持ちなら、その勉強法を教えれば良いですし、趣味があるのなら、その始め方を初心者に教えるのも良いと思います。また大学を出ているのなら受験について教えても良いと思います。こういう事を言うと、いや私は東大出てないんです・・・というヒトがいますが、別に東大を出てるとか出てないとか関係ありません。もちろんそういうブランディングの方法もありますが、それはブランディングのほんの一部にしか過ぎません。むしろ東大出てても使えないヒトなんて山ほどいますので、それがブランディングだと思う必要はないのです。
そういった意味では、あなたがこういったカテゴリーを見た時に、もしピンとくるものがあれば、それはうまくいく可能性が高いです。仕事も恋愛も第一感が大事とは言いますが、それは実際あたっていることが多いものです。あなたがこれまでの人生で、最もおカネと時間と労力を使ったものが思い当たることが多いからです。
おカネと時間と労力を使ってきたものというのは、それを使っていないヒトよりも話せることや伝えられることが多いのです。もし第一感でピンとくるものがなくても、ご自身の経験を振り返っていただいて「おカネと時間と労力を使ってきたもの」を書き出してみると思い当たるものが出てくる場合が多いですから、是非、紙とペンを用意して、やってみてください。
他のセミナーから定性調査する
カテゴリーを見て考える他に、実際に開催されている他のセミナーを参考にしてテーマ設定をすることができます。わかりやすく言えば真似をする、言い方を変えればオマージュするということですね。セミナーの告知がされているサイトがありますので、いくつかご紹介しておきましょう。
- セミナーズ
- こくちーず
- ビジネスセミナーガイド
- セミナー情報.COM
- セミナーバンク
こうしたセミナー掲載サイトで実際に開催されているセミナーのテーマを見て、参考にするのは良い方法です。特に継続的に開催されているテーマについてはニーズがあると思って良いです。それと同時に継続的に開催されているセミナーテーマは集客もうまく行っているから継続しているということができます。ビジネスで失敗を避ける鉄則は「うまく行っている方法を真似る」ことですから、うまく行っているものにアンテナを立てることがとても大切なことです。
起業ってオリジナリティが大事なんでは・・・と思うヒトがいるかも知れませんが、たとえビジネスモデルを真似したとしても、必ず運営者のオリジナリティというものは出るものです。ヒトそれぞれ、こだわるポイントが異なるものですから、勝手に別のビジネスになっていくものです。それよりも企画段階でオリジナリティにこだわって、うまくいかない方法を選択したのでは何をしているのかわかりません。まずは大きな失敗をしないこと、それが何より重要です。
ニーズの定量調査をする
それぞれのテーマがいったいどれくらいのニーズがあるのか、ネットを使って数値で確認する方法をお話します。ネットにはマーケティングツールとして、それぞれのキーワードがどのくらい検索されているか、調べるツールがあります。一般的に英語やダイエットはビッグキーワードと言われ、マーケットも大きいのですが、ではいったいどのくらいの検索ボリュームがあるのでしょう?
ツールはいくつかありますが、ひとまずGoogleのキーワードプランナーを使ってみます。
英語の検索ボリュームを調べてみると、
- 英語10万~100万
- ダイエット10万~100万
になります。ちなみに他の言語を調べてみますと、
- アラビア語1万~10万
- インドネシア語1万~10万
- スペイン語1万~10万
- タイ語1万~10万
- タガログ語1万~10万
- ドイツ語1万~10万
- フランス語1万~10万
- ベトナム語1万~10万
- ロシア語1万~10万
- 中国語1万~10万
- 手話1万~10万
- カンボジア語1000~1万
- トルコ語1000~1万
- フィリピン語1000~1万
になります。比較すると英語のニーズが圧倒的に多いですね。ここで検索ボリュームが多くないとニーズがないかと言えばそういうことではありません。日本のGDPは550兆円もありますから、検索ボリュームが小さく見えても結構なマーケットがあると思っていただいて良いです。
ではここから何を読み取るかと言えば、英語のような大きなマーケットの場合は、市場を細分化してターゲットを徹底的に絞った方が良いということです。
英語を勉強したいヒトでも、来月からアメリカに出張するヒトと、アメリカに転勤するヒトと、会社から言われてTOEICの点数を取らないといけないヒトと、受験で英語を受けるヒトでは、学習する内容は変わります。また受験にしても、旧帝大を受けるヒトとMARCHを受けるヒトでは勉強のポイント違います。
検索ボリュームが大きいキーワードと小さいマーケットを比較した場合、マートをどこまで細分化するかに違いが出るということです。ですから「英語」の検索ボリュームが10万~100万と結構な幅がある様に見えますが、定量調査の段階ではそれほど気にする必要はありません。
ちなみにですが、もっと正確な数字知りたい場合はGoogleへ広告を出稿してある程度の金額を使うともっと細かい数字がわかるようになります。またその他のツールを参考にすることで、Googleでは見えない数字を見ることもできます。
英語の検索の話に戻りますが、英語と言っても、TOEIC、英検、英会話など多様なニーズがあるのですから、それぞれどのくらいのニーズがあるのか、Googleで見てみましょう。同じくキーワードプランナーを使ってみると
- TOEIC10万~100万
- 英検10万~100万
- 英会話1万~10万
となっています。実際に英語を話すよりも、資格ツールとしての英語の方がニーズが高くなっていることがわかります。このあたりはいかにも日本的と言えるでしょうか。こうやってニーズを絞っていくとだいたいの規模感がわかりますので、それを参考にマーケティングを考えていけば良いと思います。Google以外にもいくつか検索ボリュームを調べるツールがありますが、使い勝手の良いサイトを2つほどご紹介します。
- aramakijake
- Ubersuggest(ウーバーサジェスト)
このウーバーサジェストですが、非常に評判が良いツールです。参考までに先程Googleキーワードプランナーで調べた検索ボリュームを調べてみましょう。
- 英語301,000
- ダイエット450,000
- アラビア語27,100
- インドネシア語18,100
- スペイン語49,500
- タイ語27,100
- タガログ語22,200
- ドイツ語40,500
- フランス語74,000
- ベトナム語40,500
- ロシア語33,100
- 中国語110,000
- 手話49,500
- カンボジア語1,600
- トルコ語5,400
- フィリピン語8,100
- TOEIC0301,000
- 英検183,400
- 英会話60,500
結構具体的な数字になりました。最初から具体的な数字の方が良いということもあるでしょうから、そういう場合はウーバーサジェストを使えば良いと思います。どこから集客するかによりますが、月間検索1万があるかどうかが立ち上げやすさの一つの目安になると思います。
困ったときはビジネス軸で
世には数多くのセミナーがあり、様々のテーマで溢れています。自分の参考にしようと思ってそうしたものを多く見ていると、情報過多でだんだん目眩がするような感覚になることがあります。しかし、何を選んだら良いのかわからなくなることは決して悪いことではありません。迷いが出るのは情報が多く、選択の優先順位をつけるのが難しいために起こることですが、一度のたくさんの情報に触れるために起こることでもあります。これは今まで触れていなかったことに興味を持つことによって起こることですから、仕方のないことでもあります。
脳内に一気に増えた情報は、脳の機能によって勝手に整理するようにできていますので、とりあえずはそのままでも大丈夫です。ただ、情報を整理するにも時間がかかることがありますから、そういった時はとりあえずの企画としてのビジネス軸でテーマを考えると良いでしょう。大富豪の子どもであるならともかく、基本的に仕事と関わっていないヒトはほとんどいないのですから、ほとんどの社会人は「仕事をすること」が日常の結構な割合を占めています。日常生活で結構な時間を使っているものについて関心が高いのはある種当然のことですから、仕事に関するテーマはニーズを拾いやすいものです。
こういう事を言うと「自分にはヒトに教えるビジネススキルなんてとても・・・」とおっしゃる方がいますが、別に「自分が講師をしなければならない」という決まりはありません。自分がプロモーターとして企画を回す立場に立っても良いのです。だとすれば講師は外部講師を依頼しても良いのです。それと同時に、あなたが今している仕事と同じような仕事をしているヒトが、日本にいないということは「ほとんどない」ということです。つまりあなたと同じような仕事を、「始めたばかりのヒト」に教えるとしたらどうやって教えるか?を考えれば、ニーズがない、という状況はほぼ回避できるわけです。
もちろん紙面をとってわざわざこういうことをお話するには理由があります。それは「できない」と思うことで思考停止になってしまうことが大きな問題だからです。ヒトは原理的に「できない」と思うことができません。そして同様に「~だからできない」という思考を回避することで、できるための方法が見つかるようになっています。
ビジネス軸でのテーマ設定は
ビジネススキルに関するもの
投資に関するもの
資格に関するもの
など無限に存在しますが、自分が無名だと思うヒトほど対象となる見込み客の層を絞った方が良いです。全国ではなく東京の北区で働く整体師さん向けとか、ネット通販をこれから始めようと思っている名古屋の女性向けとか、オーガニック食品を扱っている店舗限定など、ターゲットを絞れば絞るほど対象となる顧客が明確になりますから、集客も容易になりますし、そうした絞ったターゲットに向けてサービスを提供している競合他社も減っていきます。つまり絞れば絞るほど、競合のいないあなただけのオンリーワンマーケットがそこに存在するようになるわけです。基本大手は絞ったニッチマーケットに入ってはきません。またビジネスに競争はつきものと言いますが、競争を回避するほど事業リスクも少なくなっていくのです。
集客はどうする?
ネットでできる集客方法には、大きく分ければ無料のものと有料のものがあります。傾向として無料のものは手間と時間がかかり、有料のものはおカネがかかります。有料の集客法は時間をおカネで買っているようなものですが、好みや相性、予算も違うでしょうからどちらが良いとは一概に言えません。私個人としては、ビジネスの立ち上がりは早いほうが良いと思っていますので、有料のものをオススメしています。
無料の集客媒体にはブログやFacebook、ツイッターなどのSNSが挙げられます。起業当初、アメブロで集客を考える方が多いですが、無料媒体を使う場合は、独自ドメインとレンタルサーバーを用意してWordPressの独自ブログを使うことをオススメしています。また、アメブロには独自の攻略法があり、それを使わないと難易度が高くなります。また検索エンジン対策として考えた場合もアメブロは弱くなります。つまり中長期的に見ると、独自ドメインのWordPressの方が集客につながるということです。
有料の媒体にはメルマガ広告、PPC、Facebook広告などがありますが、メルマガ広告は現状効果の出るものがほとんどないと考えて良いでしょう。タイアップ広告であれば、メルマガの発行者さんのブランドが活用できますから意味はありますが、純広告で期待できるものはほとんどないと思って良いです。ネット媒体でオススメできるものは、PPCやFacebook広告になります。PPCはGoogleよりもYahoo!の方が初心者の集客に向いています。またFacebook広告は出稿するターゲットを興味関心で絞ることができますので、広告媒体として非常に有用です。それぞれの媒体の使い方については以前行ったセミナーアーカイブがありますので別途ご質問ください。
成果報酬型集客
成果報酬型のセミナー集客法についてもお話しま しょう。広告としては有料ですが、イニシャルコストがない、もしくはかからないものであれば、出稿に伴うリスクは極端に小さくなります。大きく2つの方法があります。ひとつはセミナー集客サイトの活用、そしてもうひとつはアフィリエイトの活用です。
セミナー集客サイトとは、先にテーマ設定の欄でご紹介したセミナーズやこくちーずといったサイ トのことです。こうしたサイトへはセミナーに関 心があるヒト達が自然にやってきますから、自分 のセミナーを登録しておくだけで、興味関心の高 いヒト達の目に留まることができます。手数料もかなりリーズナブルですし、申し込みがあった場
合に手数料を差し引いた参加費が振り込まれますから、出来高報酬と同じです。フルコミッションの営業マンのようなものですから積極的に活用しましょう。
またアフィリエイトを活用するのも良い方法です。
A8やリンクシェアなどのASPを使うにはバカ高い登録料や使用料が必要になりますが、自分で管理運用できるASPシステムもあります。それを使用することで自分のためのアフィリエイト組織をつくることもできます。ASPシステムについても既存のものはひととおりチェックしていますので、興味のある方はお問い合わせください。
月額15,000円ほどで使えるシステムのご紹介もできますし、独自システムの設定も行うことができます。
届かないメールを届ける
あなたも日常的にメールをお使いだと思いますが、セミナーへの申し込みや連絡などにもメールを使うのは効率的です。ただし、メールの配信先が多くなってくると一通ずつメールを配信していたのでは、とても対応できない場面が増えます。そういった場合は、複数アドレスへ一斉送信できるメール配信システムを導入することで、事務作業の簡略化が図れます。ただ残念なことにスパムメールの影響でどのメール事業者もメールが届きにくくなっています。特にGmailは2018年に迷惑メール判定基準が厳しくなり、1対1のメールでも届かないといった現象が発生しています。この届かないメール問題について現状できる対策は多くありません。
しかしほとんどのメール配信事業者はこの対策ができていません。ではどうすれば良いのでしょうか。ページ数の関係で技術的な話を全部書くわけにはいきませんが、一番カンタンな対策法を書いておきましょう。それはGmailからメールを送るということです。Gmailは一度の作業で、200の宛先に一斉にメールを送信することができます。
Gmailの連絡先に参加者のアドレスを登録しておくことで一斉送信ができますのでオススメです。ただし、必ずBCCで送信するように注意してください。他の参加者のアドレスが漏れてはトラブルの原因になります。充分に気をつけてください。
メールが届くようにするための技術的な方法については、詳細なマニュアルを読者特典に追加しておきましたので、その他特典と一緒にご請求ください。
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