5⃣ 企画アイデアの作り方
ここでは始めやすく、当たりやすい企画の作り方をお話しましょう。大きく分けると3つのカテゴリーと3つの形態があります。3つのカテゴリーとはテーマをカテゴリーで分類した時、どのようなテーマにするかについて切り出したものです。
- 仕事、お金儲け関連、資格など
- 手を動かす趣味、手工芸、写真など
- ライフスタイル、健康、イデオロギーなど
それぞれの詳細については後述します。
また提供する講座を提供する形態で分類すると次の3つがあります。
- 講座
- 勉強会、実践会、ワークショップ
- +物販ワイン、日本酒+知識、素材-料理、など
以上の3つのカテゴリーと3つの形態をマトリクスにして考えると、大枠をつくりやすいでしょう。
つまり
①
- 仕事関連の講座
- 仕事関連の勉強会、ワークショップ
②
- 趣味関連の講座
- 趣味関連の実践会、ワークショップ
- 趣味関連の講座+物販、ワークショップ+物販
③
- ライフスタイル、健康関連の講座
- ライフスタイル、健康関連のワークショップ
- ライフスタイル、健康関連の講座+物販、ワークショップ+物販
てみて、エッジの利いた企画になるかどうかを考えてみると良いでしょう。ここでひとつ注意点がありますが、それはアイデア出しの際は否定的な視点を一旦保留し、です。
自分一人で考えるのが難しい場合、友人や家族に協力してもらってブレストをするのもオススメです。
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、ブレストの際の注意点を書いておきます。
- アイデアを批判しない
- 他の意見への相乗り歓迎
- 質より量
- ブレスト中に判断、決断しない
になります。頭の良いヒトほど批判的になりやすいと言います。ご注意ください。
ではここで具体的な事例について考えてみましょう。例えば「株式投資」について教える企画を立てるとしましょう。これについての具体的なアイデアを有用な知識を切り口に広げてみましょう。
例えば・・・
- チャートの見方(初級、中級・・・)
- 短期チャートの見方中期チャートの見方長期チャートの見方
- 売買のエントリー方法・利食いの方法
- 四季報からみる一年以内に上昇トレンドに乗る企業
- 四季報からみる年内にエントリーしては行けない銘柄
- PER、PBRから考える割安株
- 財務分析はどうやってするか
- 市場全体のトレンド
- 日本の景気動向
- アメリカの景気動向
- 米国株の買い方
- インテリジェンスから考える2030年の世界経済
- グーグルアラートを使った情報収集術
- 膨大な情報から如何に使える情報を抽出するか?(情報学)
- 真実とフェイク情報の違いを見極めるにはどうするか?
- 財務諸表の見方と分析
- メディア記事の影響について
- ファンダメンタル分析
テクニカル分析
など、ざっと考えただけでも結構な種類の企画が考えられます。
これらを一テーマ一回の企画にしても良いですし、一テーマを深く掘り下げる企画にしても良いです。重要なことはアイデア出しをする際に、否定的なことを考えないようにすることです。「~だからダメ」と考えだすとアイデアの幅は広がりません。アイデアは基本「質より量」の方が重要ですから、まずは量を出すことを考えましょう。
また出したアイデアについて、それぞれ「講座」を開催しても良いですし、実際に手を動かして考えたり、参加者同士でシェアする時間を追加した「ワークショップ」にするのも可能です。
また「+物販」で考えるなら、テーマにあった分析用データ、分析ツールなどをセットにした企画にするのも良いでしょう。基本的に講座にできるものはワークショップや実践会での開催も可能なものが多いものです。
「+物販」の企画の作り方には、2つの考え方があります。
- オンライン講座に「+物販」できるものを考える。
- 物販に「+講座」できるものを考える。
講座に「+物販」するものを考える場合、+物販でオリジナリティを付加することを目指すことになります。
また、2の物販に「+講座」については、すでに何らかのの物販を行っている場合に、「+講座」をすることで、興味関心のある見込み層へのアプローチを考えることになります。
実際に行われている講座の例をご紹介しましょう。
ワイン+ワイン講座
日本酒+日本酒講座
旬の野菜+料理講座
パンの材料+手作りパン講座
手芸材料+手芸講座
ブロック肉+肉料理講座
などです。
現在何らかの物販を行っている場合は、それにオンライン講座ををプラスすることで物販の売上を伸ばすという考え方にすると、アイデアも出やすくなります。
誰に、何を、どのように
ビジネス企画をつくるフレームワークに、「事業ドメイン」というものがあります。それは誰に、何を、どのようにという3要素を明確にすることです。
企画の内容がイマイチ具体的にならない場合は、
- 誰に
- 何を
- どのように
の順に考えてみましょう。
「どうすれば儲かるか」から考えるのではなく、「どんなヒトがどんな悩みを持っているか」から考えると、売れる企画になりやすいものです。
例えばダイエット講座についての企画を考える場合であれば、出産後の女性対象であれば「産後ダイエット」、メタボ健診でひっかかった男性対象なら「一日30分メタボ改善通勤ダイエット」、運動系クラブ経験者対象なら「自宅でできる週2回自主トレダイエット」など、具体的でわかりやすい企画になります。
つまり企画を作る際に重要なことは「財布を開いてお金を出す人は誰か」「実際にサービスを利用する人は誰か」が明確であることです。
お先の例であれば、出産後の女性が見ている雑誌やサイトとメタボでひっかかった男性が見ている雑誌やサイトは違います。企画を作る際によくある間違いは「みんなに売りたい」「たくさん売りたい」と考えてしまうことで、誰がそのサービスを利用するのかわからなくなることです。
「みんな」とか「たくさん」と考えることで見込み客の属性は絞れなくなり、その獲得コストも上がります。そして確実に買ってもらえそうなヒトへのアプローチが非効率になりますので、無駄なコストがかかることこの上ありません。
ターゲット顧客から企画を立てることは、ビジネスの継続に大きな影響を与えます。
ビジネスにおける最大のコストは「新規顧客獲得コスト」です。ターゲット顧客を絞って、そのニーズに対応した商品コンテンツを提供した方がはるかに安いコストでビジネスを維持できるのです。
ポジショニングの考え方
顧客を明瞭にすることを「ターゲティング」を言いますが、それについをなすものに「ポジショニング」があります。差別化が重要と聞いたことがあると思いますが、顧客に「違い」を認識してもらうことは重要です。
一般的に、ヒトは「違わない」なら「同じ」だと認識しますが、同じようなものが並んでいた場合は決めることを迷います。そして迷ったときは決めないという選択をします。
「通勤快足」というヒット商品がありますが、これは名称によって差別化した良い例でしょう。もともとのネーミングは「フレッシュライフ」でしたが、発売から6年後に名前を変えたところ、一億だった売上が2年後に45億になった話は有名ですね。
ナンバーワン戦略
またナンバーワン戦略としてよく紹介される富士山の例も挙げておきましょう。日本一の山は富士山ですが、2番目の山はほとんど知られていない、とはよく言われることです。
つまり
「ナンバーワン」
「最初の」
「唯一の」
という称号を獲得することで、差別化を図る戦略のことです。しかしビジネスを始めたばかりでいきなり「ナンバーワン」を取るのは難しいことが多いものです。こうした場合、例えば地域を細かく分ける方法があります。日本最初のカレー屋ではなくても、北海道初だとか、新宿最初の、といった風ですね。
また対象顧客を絞った上でのナンバーワンもよく取られる方法です。
例えば
「雑誌○○の読者アンケートでナンバーワン!」とか「札幌の30代女性に聞いた、使ってみたいナンバーワン!」とかですね。
これは実業の実績やアンケート結果があると出しやすいです。今はTwitterやFacebookにもアンケート機能がありますので、それを使うこともできます。もちろんアンケート代行業者を利用しても良いでしょう。
ちょっと変わったところでは、例えばFXのセミナーを行うとした場合に、「雑誌〇〇で特集された『やってみたい副業』ナンバーワンのFXの講座」と言ったような、既存のソースを流用した形での訴求もできます。
こういったナンバーワン戦略を「自分」に使いづらい場合は、躊躇なく外部講師を探しても良いでしょう。外部講師の探し方は別のセクションに記載していますので、参考にしてください。
ナンバーワン戦略に関連した手法として、権威付け戦略があります。ヒトは「自分よりできる」ヒトから話を聞きたいと考えるものですし、聞いたことのあるブランド名を使うことで安心を与えることができます。
出版でよく使われる手法としては、「マクドナルドで学んだ○○」「トヨタ式カイゼンで学んだ○○」「大事なことは全部○○で学んだ」といったものがあります。そういった意味では、本屋で本のタイトルを見ているだけで、使えるコンセプトが見つかるものです。
具体的なセミナーテーマを考える
さて、セミナーや講座を開催すると言っても、セミナーや講座の企画運営をやったことのないヒトには少々敷居が高いかも知れません。しかし世の中には専業でやっているヒトだけではなく本業の延長でセミナーを開催しているヒトも大勢いるのですから、それほど構える必要はありません。
重要なのはニーズのあるテーマで開催することです。ニーズがあれば商売になりますし、ニーズがなければ商売にはなりません。ではニーズがあるかどうか、どうやって見極めたら良いのでしょう
定性的に調べる方法は2つあります。ひとつはテーマのカテゴリーから考える方法。そしてもうひとつは実際に開催されている他のセミナーを参考に考える方法です。そしてそれを定量的に調べることで、現実的なニーズのあるなしを見ることができるようになります。
テーマのカテゴリー
セミナーや講座とは勉強のことですから、セミナー、講座を申し込むヒトは勉強したいヒトです。そういった勉強したいヒトのニーズとは、自分にとって意味のあるスキルやノウハウ、情報、ニュースなどになります。
カテゴリーを大きく分類すると3つになります。
- 仕事
- 趣味
- ライフスタイル
の3つです。
仕事に関するものには
- 資格、検定一
- ビジネススキル
- 事例
- 語学
- 投資
ITスキル
などがあります。
同時にこれから既存の業界を超えた仕事の大移動が始まりますので、普遍的なビジネススキル、専門的なジョブスキル、およびITスキルは今後大きくニーズの増えるスキルです。
趣味に関するものには
- DIY、
- ハンドメイド、
- コレクション、
- 花(華道)、
- お茶(茶道)、
- 家庭菜園、
- ガーデニング、
- ペット
などがあります。コロナで家にいる時間が増えた分、DIYやハンドメイドは大きく伸びている分野ですね。
ライフスタイルに関するものには
- 就職、
- 転職、
- 結婚、
- 自己啓発、
- 受験(高校、大学)、
- 占い、
などがあります。
時代が変様し、社会が不安定になると神頼みが増えると言います。見通せない未来に対する不安が、ある種の道標を求める気持ちに繋がるようです。
日本では「宗教」的なモノに対するアレルギーが大きいと思いますが、原始アニミズムに始まり日本の神社ではあらゆる対象が神さまとして祀られています。
また日本人にはどこにでも神さまがいるという感覚があると思います。いわゆるスピリチュアルやパワースポットなどのブームは、その延長で起こっていると考えて良いでしょう。
日本における精神文化の背景には「神的なモノ」があります。大きくライフスタイルに区分しましたが、そういった「道」を指し示すものに対するニーズはコロナ以降、より大きくなります。
またもし何か資格をお持ちなら、その勉強法を教えることもできます。趣味があるのなら、その趣味を教えるのも良いでしょう。大学を出ているのなら受験方法について教えることもできます。
別に「東大に入る方法」というコンセプトでなくても構いません。例を挙げれば、編入で大学入試を受ける人向けの編入試験講座という講座にすることもできます。つまるところ一般的なテーを「絞る」「ズラす」ことによって、競合のいないマーケットを開拓できるということです。
もちろん「東大卒の~」というブランディングの手法もありますが、それはほんの一例です。ブランディングや集客についての手法論で「できる」「できない」を考えるのではなく、どうやって競合のいないテーマにするか考える方がよほど重要です。
ここでは、とりあえず大きなカテゴリーの枠が見えれば良いでしょう。カテゴリーを一覧で見て、ピンとくるものがあれば、それが可能性の高いマーケットです。
ピンとくるものは、あなたがこれまでの人生で最もおカネと時間と労力を使ったものであることが多いからです。そしておカネと時間と労力を使ってきたものについては、そうでないヒトより話せることや伝えられることが多いものです。
もし第一感でピンとくるものがない場合は、ご自身の経験を振り返って「おカネと時間と労力を使ってきたもの」を書き出してみると良いでしょう。是非時間を取って、紙とペンを用意して書き出してみてください。
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