一貫した行動から分析する
「一貫した行動が一貫した成果を生む」「一貫したトレードを繰り返しましょう」というような文言が一部の関連書に書かれています。つまり特定の手法だけを一貫して続けてトレードすることにより、成果が表れるという意味です。
「成果が表れる」と聞くと、数字的にプラスになるというイメージを持たれるかもしれませんが、数値に限ったことではありません。自分の行動パターンにも同じことが言えるのです。
例えば、「自分の直したい部分」があるとします。
「自分のこの行動を辞めればもっといい成績が残せるかもしれない」
こう考えるのは自然ですし、的を射ていると思います。次に考えていただきたいのは、この辞めたい行動が、過去何回発生しているかまで調べていただきたいのです。
例えば、ここ最近の損失が20回あるとします。
その中に、「辞めたい行動」によって発生した損失が5回あるとします。
「なんだ、たったの5回だったのか」と思うかもしれません。
最後にやってしまった時、つまり5回目のその時点では感情が高ぶっていると「『また』やってしまった!」と思ってしまうでしょう。
しかし、合計5回が「たったの5回だったのか」と思えるならば「また」ではないと思うのです。
感情が高ぶっていると過剰に捉えてしまいがちですが、集計して視覚化するとそうではないこともあるのです。
次の○(白丸)●(黒丸)をご覧ください。
(白丸)が1勝。(黒丸)が1敗とします。数えていただいた人もいると思いますが15勝15敗です。どうしても(黒丸)が目立つため、損失が多く見えてしまうかもしれませんが、注視すべきはそこではないので気にしないでください。
これが、ここ最近のあるトレード方法を続けた30回の結果とします。左から数えて15回目で6勝9敗となっていますが13回目の時、4連敗目です。しかもその前に1勝しているだけでその前には3連敗しています。13回目の時は、連敗が続いているような気分で落ち込みましたが、最終的には勝率5割で終了しました。一貫して続けられるかどうかは、その手法を信じられているかどうかにもよります。
このような結果を知るには一貫した行動を続けるしか方法はないのです。成長段階では、ご自身の手法の勝率を知らないと修正しようがありません。また勝率を知れば信頼できそれを使い続けていきやすくなります。もう一度書きますが、そのためには一貫した行動を続けていくしか方法はないのです。
「勝率は関係ない」と言うトレーダーもいます。トレード方法によっては関係ない人もいます。リスクリワードが素晴らしく良い手法なら勝率はそれほど重視する必要はないでしょう。
自分自身がどのようなトレードをしたく、それがどのくらいのリスクリワードなのかに関係してきます。それをハッキリさせるうえでも一貫した行動から現在の自分の状況を知り、分析することが大切なのです。
ネットや書籍も良いが、自問自答が一番大事
脳にはRAS(網様体賦活系もうようたいふかつけい)という部分があります。単純に説明すると、探し物を見つける機能です。この機能は誰でも有しており自然と働いています。
どのような時に働いているのかを、車を買い替える事に例えて説明します。
現在はトヨタのプリウスに乗っていますが、今度はトヨタのアクアに乗り換えようと思いました。そしてアクアの情報を集め始めます。インターネットで調べたり、対向車や駐車場に停まっているアクアに自然と注意が向きます。
今まで気にもしなかった事に注意を向け、次々とその情報を集めます。そんなの当たり前だ、と思われるでしょうがこれがRASの機能なのです。
FXを始める前は「FX?目薬の?」という程度の知識だったものが興味がわき、どういうのか気になったのでその情報を集め始めたはずです。
そしていざ始めてみて効率よく稼げるような良い方法はないか・・・と思い、考えていくうちに、ローソク足とは・・・、移動平均線とは・・・ボリンジャーバンドとは・・・と、多くの情報が入ってきたのです。
つまり疑問を抱くと脳はそれに関する情報を集め始める、それがRASの機能なのです。この機能は既に今日まで使用し続けていますが、今度は外部に意識を向けていたことを自分自身の思考に向けてみましょう。
もしも今までが「何か良いトレード方法はないか?」と思い、ネットなどに情報を探しに行っていたのなら、今度は「自分はどういうトレードがしたいのか?」と自分に質問するのです。そして完成されたチャート(理想は印刷されたチャート)を見て、ここでエントリーできたらいいなぁという場所に印をつけます。
そして「ここでエントリーできるようになるにはどうすればいいのか?」と自分に質問します。
ここでいけないのが「でもここでエントリーするのなんて夢物語だよなぁ・・・。無謀だよな・・・」など、質問したのに答えをさえぎるようなブレーキの思考は不要ということです。絶対にいけません。
専門用語でいうと、一人で「ブレーンストーミング」をするのです。ブレーンストーミングとは、ある一つの議題に対して複数の人が様々な意見を出し合う事なのですが、ここでの決まりは否定をしてはいけない、ということです。否定されるとそこで進行が止まったり、次の人が意見を言いにくくなってしまうからです。
トレード方法を考える時以外にも、自分に問うことは非常に重要で「今の生活状態では一日の中で勉強する時間は作れない」と、否定する思考なら、その時点で脳は考えるのをやめますが「今の生活の中で勉強する時間を作るにはどうすればいいだろうか?」と考えれば脳は答えを探しにいきます。
是非多くのことにこのRASの機能を役立ててください。
誰も特別なことはしていない
本当に稼げているトレーダーは何か特別な事を知っていたり、行っていたりするから稼げているのでは…。と疑問に思ってしまう人がいます。実際にトレードしている場面や環境を見ていないからわからないじゃないかと思われるでしょうが、そのように疑う人は、本当の場面を見せても疑い続ける物です。つまり認めたくないのです。
特別な事というのが何を基準にそう判断しているのかは分かりませんが、本当に稼げているトレーダーのその考え方や行動そのものが特別なものだと解釈するのならそれは大きな間違いで、本人たちからすれば当たり前のことを日々続けてきた事の成果なのです。
多くの人間が二足歩行をしていますが、生まれてから半年から1歳を迎えるころにはつかまり立ちをし、そして次第に歩けるようになっていきます。
しかしまだそれができない子供から見れば、二足歩行している人たちの姿は特別なことをしているように見えるでしょう。
1歳くらいの子供が二足歩行をしている人間をそのように思っているかはわかりませんが、普段当たり前のように出来ている事も、できない人から見れば特別のように見えるものです。
「毎日コツコツと勉強や研修を続けられる行動が特別なこと」ならば、この本を読める脳と視力をお持ちの方に
なら誰でもできることです。
「昔から勉強や読書が苦手だ」
「私は高校すら出ていない」
「仕事で忙しいからFXで時間をかけずに稼ごうと思い始めたんだ」
このように、勉強や検証ができない言い訳をつくり、自分を納得させるのは構いません。
しかし、それを続けた場合、その行動と逆の行動を続けている人と張り合った時、どちらにお金が流れていくのか考えてみてください。
他の人のトレードを分析してみる
本やブログ、動画などで実際のトレード結果を公表し、トレードした理由も説明しているトレーダーがいます。そのトレードは非常に参考になります。
丁寧に解説していただいているのは参考になります。また、その人が積み上げてきた物を公開していただけているので非常にありがたいことです。
しかしここでひとつ落とし穴があります。解説のあるトレードを見て「なるほど」と思ったとします。
この「なるほど」と思った時点で脳は考えるのをやめてしまいます。つまり答えが貰えたので考えるのをやめてしまうのです。
計算ドリルを買ったのに、それには解き方も答えもすべて書き込まれている状態のようなものです。
このような理由から、もし解説をしていないトレードデータを見つけた場合、チャートをその日時にして分析をしてみましょう。この方法はとても良い分析方法になります。
以下の図は、私のトレード結果の一部を、勝ち負け問わず掲載しました。
MT4のレポートを始めて見る人のために赤字で項目を追加しておきました。(2022年4月6日現在)
buysell…売
OpenTimeは、日本時間ではなくグリニッジ標準時間となっているのでご注意ください。
判断に使用した時間足は4時間足と30分足です。
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