突然ですが、あなたは「海外旅行の際にどんな準備をして行きますか?」
僕はたまたま海外暮らしが比較的長く、そんなライフスタイルを送っていると、
「海外旅行保険って必要?」
「海外で病気や怪我をしたらどうしたらいいの?」
こういった質問をされる機会が増えてきました。
あなたはツアー会社で海外旅行を申し込んだとき、同時に海外旅行保険への加入を勧められたことはありませんか?
費用は数千円から数万円なので、ものすごく高いというわけではありません「払わなくていいなら払いたくない」というのが本音だと思います。
そんな時に強い味方となるのが、クレジットカード付帯の海外旅行保険です。
「なんでクレジットカード?」と思われたかもしれません。
結論から言うと、3ヶ月以内の海外旅行には基本的に民間の海外旅行保険は不要で、クレジットカードに付帯される海外旅行保険で十分だからです。
僕は日本で一度も入院したことがないのですが、海外では2度の入院と1度の通院をしたことがあります。
ですが、お金は1円もかかっていません。すべて無料でした。
その理由は「海外旅行保険が充実しているクレジットカード」を持っていたからです。たったこれだけで入院費用を完全無料にできます。
これだけ入院していると、体弱そうだなと思われるかもしれませんが、僕は最後に風邪を引いたことを覚えていませんし、日本で入院したこともありません。
何が言いたいかというと、日本で入院したことがない、決して体が弱くない僕でも、海外では体調不良になるということです。
「人間は、自分だけは絶対に大丈夫!」と思いがちなので、海外旅行の際はクレジットカードによる「最低限の防御力」は備えておきましょう。
本書は、僕が実際に経験した2度の海外入院と1度の通院からオススメする最強のクレジットカードを解説し、あなたの海外旅行の「健康問題」という最重要問題への心配事をグッと減らします。
また、クレジットカード付帯の海外旅行保険と、一般の保険会社やツアー会社が販売する保険との違いなども説明します。
あなたの所持しているクレジットカードを再考する機会になり、海外 旅行や海外移住の際の準備としてお役に立てれば嬉しいです。
そもそも海外旅行保険ってなに?
そもそも海外旅行保険ってどういう時に役に立って、何のために必要なんでしょうか?
結論を先に言うと、海外旅行保険とは、外国への旅行中に起こった予期せぬアクシデントによって発生した経済的な負担をカバーしてくれる保険です。
もちろん、何事もなく無事に帰国し、家に着くまで保険を使わないのが一番です。
しかし、気温や食べ物など環境の変化によって体調を崩したり、貴重品を盗まれてしまったり、といったトラブルに巻き込まれてしまうことも旅先では十分考えられます。
また、海外では基本的に日本の国民健康保険を使うことはできない(国民健康保険加入者は海外療養費制度の利用可)ので、現地の病院で病気や怪我の治療を受けることになります。
治療費は高額になってしまうケースも少なくないです。
そこで海外旅行保険の登場です。
ですが、海外旅行保険と一言に言っても、窓口で直接申請するものから、インターネットで簡単に申請できるもの、そしてクレジットカードに既に付帯されているものまで本当に様々なので、「結局どれがいいの?」と悩まれている方も多いと思います。
みなさんは海外旅行へ行くときに「海外旅行保険」はどうしていますか?
保険会社が販売している海外旅行保険に入っていますか?
それともクレジットカード付帯の海外旅行保険を使っていますか?
海外旅行保険に加入したことはあるけど、実際に使用する機会がなかった人のために、このような疑問を解決していきます。
まずは、保険会社が販売している海外旅行保険についてです。
保険会社が販売している海外旅行保険
海外旅行保険では具体的に何を補償してくれるんでしょうか?
わかりやすいようにまとめたので次の表をご覧ください。
(傷害死亡)
海外旅行中の偶然な事故によるケガが原因で、事故発生日から所定の期間内に死亡した場合に保険金が支払われる補償。
(傷害・疾病治療費用)
海外旅行中に事故によるケガを負ったり、病気になったりして医師の治療を受けた時に保険金が支払われる補償。救援費用補償とセットになっていたり、病気と傷害で分かれている場合もある。
(救援者費用)
海外旅行中の偶然な事故によるケガや病気が原因で、死亡、または3日以上連続して入院した場合などに家族が現地に向かう場合の損失(移動交通費など)を補償。
(賠償責任補償)
海外旅行中に偶然な事故により他人や物に損害を与え、 被保険者が法律上の損害賠償責任を負った場合に保険金が支払われる補償。
(携行品損害補償)
海外旅行中の盗難・破損・火災などの偶然な事故により、被保険者の携行品(カメラ、衣類、旅券など)に損害が生じた場合に保険金が支払われる補償。
(航空機寄託手荷物遅延費用)
航空会社に預けた手荷物の到着が所定の時間以上遅れた場合に、やむ得ず必要となった身の回りの品の購入費を補償。
(航空機遲延費用)
乗る予定の飛行機が離陸時、着陸時、乗り継ぎ時に遅延して臨時の宿泊費や食事代、移動のタクシー代などを出費した場合の費用を補償。
海外旅行保険では、上記のような海外旅行で想定される様々なアクシデントについて、様々な補償を用意しています。
こういった補償をひとまとめにしてパッケージにしたプランを販売しているのが、保険会社ということです。
また、自分の旅行先や予算に合わせて必要な補償項目を選択できるプランなども保険会社に存在します。
基本的な補償内容は、先ほどご紹介したリストにある内容ですが、保険会社によっては「緊急歯科治療」「弁護士費用」「テロ対応費用」などへの補償をしてくれる保険会社などもあります。
ここで覚えておいていただきたいのは、海外旅行でよく使う補償内容は決まっており、補償内容で特に大事な項目が「傷害疾病治療費用」と「携行品損害補償」の2つだということです。
「保険会社の海外旅行保険を比較したいけど、数字ばかりでどこを見ればわからない」
という人は、まずこの2つの項目の数字を追って、他社との補償金額を比較していきましょう。
では、実際に国内にはどんな保険会社が存在するのでしょうか?
日本で加入できる代表的な保険会社
1.損保ジャパン
【特徴】
・2019年オリコン顧客満足度調査:海外旅行保険部門第1位
・2016年トリップアドバイザー旅行者のお気に入り海外旅行保険第1位
・24時間いつでも気軽に加入、お支払いはクレジットカードでOK
・行き先にあわせて保険料が変わる・保険料は旅行日数ぴったりで(保険期間は最大3か月)
・旅行スタイルに合わせたオーダーメイドプランで自由な保険設計が可
・出発日当日も申し込みOK
2.三井住友海上
【特徴】
・旅行当日ご自宅出発前までの申し込みOK
・ネット完結の手続き
・キャッシュレス・メディカルサービス
・24時間365日日本語対応
・クレジットカードへの上乗せ補償も可能
3.東京海上日動
【特徴】
・世界中のどこからでも24時間年中無休で日本語での対応が可能
・治療費などが高額になっても安心の治療救援費用保険金額「無制限タイプ」がある
・怪我や病気の有無にかかわらず電話通訳やメッセージの伝達サービスを提供
・海外旅行開始前に治療を受けたことがある病気が急激に悪化した場合も補償
4.あいおいニッセイ同和損保
【特徴】
・オプション補償が充実
・レンタカー使用時の賠償事故の補償
・「AD海外あんしんダイヤル」が24時間年中無休、日本語でお電話にて対応
・ペット預入延長費用を補償
5.AIG損保
【特徴】
・ケガ・病気による治療
・救援費用を無制限に補償するプランあり
・お客さま満足度93.3%のサポート力
・手荷物や航空機などにまつわるトラブルも安心の幅広い補償
・「AD海外あんしんダイヤル」が24時間年中無休、日本語でお電話にて対応
・ペット預入延長費用を補償
以上が国内で加入できる代表的な保険会社です。
それでは次より具体的に各社どれくらいの保険料がかかるのかをシミュレーションをしていきたいと思います。
保険会社の具体的な保険料をシミュレーション
「国内で加入できる具体的な保険会社はわかったけど、実際に保険料はいくらくらいかかるの?」
そんな声が聞こえてきそうなので、ここでは保険会社が販売しているプランを見ていきたいと思います。
条件は(渡航先:アジア/人数:1人/期間:3ヶ月)です。
【某社人気プラン】
保險料:55,860
傷害死亡:1,000万円
傷害後遺障害:1,000万円
疾病死亡:1,000万円
治療費用:1,000万円
救援者費用:1,000万円
個人賠償責任:1億円
携行品損害:30万円
航空機寄託手荷物遲延:10万円
上記は某社の人気プランになります。
同プランは1ヶ月だと18,000円~、2ヶ月だと40,000円~でしたので、週に数千円、月だと数万円は確実にかかる計算ですね。
これでみなさんも保険会社が販売している海外旅行保険の相場観がおおよそご理解いただけたと思います。
保険会社が販売している海外旅行保険のメリット・デメリット
ここまで国内で加入できる保険会社の紹介、具体的な保険料のシミュレーションをしてきましたが、
「結局保険会社の販売する海外旅行保険の何が良くて何が悪いの?」という疑問を持たれた方も少なくないはずです。
そこで、クレジットカード付帯の海外旅行保険について説明する前に、保険会社が販売する海外旅行保険のメリット・デメリットをご紹介して、この章を締めくくりたいと思います。
保険会社が販売している海外旅行保険のメリット
【傷害治療・疾病治療の補償金が高い】
保険会社が販売している海外旅行保険はクレジットカード付帯の海外旅行保険に比べ補償額が高めに設定されていることが多いです。
特に傷害治療と疾病治療の項目です。
保険会社が販売しているプランによっては、「治療と救援費用」が「上限が無制限」のプランもあるので、もし仮に旅行先で病気や怪我をしても自己負担することはほぼないでしょう。
【緊急歯科治療】
これは保険会社が販売しているプランにもよりますが、プランによっては緊急歯科治療費用の補償が付いているものもあります。
緊急歯科治療とは、海外旅行中に歯に関わる病気などで支払った治療費に対して支払われる補償です。ただし、矯正や予防、ホワイトニングは適用外です。
クレジットカード付帯の海外旅行保険では「歯科治療費用」は適用外になっていることがほとんどです。
また、持病による治療費用や救援費用も基本的に適用外なので、併せて覚えておきましょう。
保険会社が販売している海外旅行保険のデメリット
【保険料が高い、コスパが悪い】
クレジットカードの海外旅行保険と保険会社などが販売する海外旅行保険の大きな違いは、補償される保険の種類、補償額、そして保険料支払いの有無です。
保険会社が販売している海外旅行保険に加入するには、必ず保険料を支払う必要がありますが、クレジットカード付帯の海外旅行保険は、年会費無料カード会員でも保険が適用されるので、保険料の支払いは発生しません。
また、旅行の度に保険料を支払う必要があるので、長期的に見ると、保険料が高くなってしまいコストパフォーマンスも悪いです。
前述した「緊急歯科治療」や「持病」がある場合は、保険会社が販売する海外旅行保険へ個別加入するのがいいでしょう。
また、補償金額に関しては複数のクレジットカードの補償を合算する裏技によって、保険会社が販売しているプランに負けず劣らずの補償内容にすることは可能です。
それではクレジットカード付帯の海外旅行保険について解説していきます。
クレジットカード付帯の海外旅行保険
「あなたは自分がなぜそのクレジットカードを所持しているのか?」
この質問に即答できますか?
海外旅行によく行く人なら周知の事実かもしれませんが、実は海外旅行保険がクレジットカードに付帯されていることがよくあります。ですが、付帯していないクレジットカードももちろんありますし、自動付帯や利用付帯のルール、補償内容などもクレジットカードによって大きく異なるので、あまり詳しく知らないという方がほとんどでしょう。
幼少時に遊戯王などのカードゲームをやったことがある人なら、なんとなくイメージできると思いますが、クレジットカードにも年会費が無料のモノから数万円以上のモノまで数多く存在し、それぞれ特徴や能力も全く異なります。
まず、クレジットカード付帯の海外旅行保険最大のメリットは、その「お手軽さ」です。
保険会社の海外旅行保険のように、海外旅行の度に面倒な申込み手続きをする必要もありません。
さらに、クレジットカードの年会費が無料であれば、保険料も実質0円です。
また、保険会社の海外旅行保険は、日本を出発する前に日数を細かく決めて申し込まなければいけませんが、クレジットカード付帯の海外旅行保険の補償期間は1回の旅行につき一律に90日間と決まっています。
なので、例えば1週間の予定だったけど、1ヶ月位滞在したいなと思ったときに、容易に旅のプランを変更できますが、保険会社の海外旅行保険ではそれができません。
そして、一旦日本を出てしまうと、現地からは加入できないという点もデメリットの一つです。
ちなみに、最近は世界のどこからでも即日海外旅行保険&医療保険に加入できるサービスも出てきているので、ますます日本の保険会社が販売している海外旅行保険に加入する意味が薄れてきています。
しかし、万能だと思われるクレジットカードにも、もちろんデメリットや弱い部分はあります。
クレジットカード付帯の海外旅行保険での一番の注意点は「補償金」が保険会社の海外旅行保険よりも少ない点です。
具体的に言うと、海外旅行保険の中で1番重要な「治療費用補償」と「賠償責任補償」の項目です。
ですが、このデメリットは複数のクレジットカードを所持することである程度解消できます。
それはクレジットカード付帯の海外旅行保険は補償料を合算できるからです。
(「傷害死亡/後遺障害」の項目だけは合算されず、最も高額な金額が上限になります)
保険会社の海外旅行保険の場合は、1000万円~無制限のことが多い「治療費用補償」ですが、クレジットカード付帯の海外旅行保険の場合、1枚の限度額が50万~200万円になってしまいます。
この補償金額で足りるのか足りないのかという問題については、正直旅行先がどこかによります。
日本人のリタイヤ先として人気の東南アジアなどは300万円程度で十分かと思いますが、ヨーロッパやオーストラリアなどは400万円以上、医療費が高いアメリカは1000万円以上必要だと言われています。
なので、アメリカ以外の旅行先については複数のクレジットカード保険を合算して対応可能、アメリカへ行くときは別途保険会社が販売する海外旅行保険の上乗せも検討するべきでしょう。
クレジットカード付帯の海外旅行保険の基礎知識がわかったところでより詳しい内容に進みます。
3ヶ月以内の短期海外旅行はクレジットカードだけで十分
3ヶ月以内の海外旅行であればクレジットカード付帯の海外旅行保険で十分だというのが本書の結論です。
「なぜ十分だと言い切れるのか?」
まず結論からお話しすると、
「海外旅行保険が充実しているクレジットカードを持てば十分な補償を受けられる」からです。
興味深いデータを一つ紹介します。
ジェイアイ傷害火災保険の調査によると、2018年海外旅行中の事故発生率は3.7%で27人に1人が何らかの事故にあっている計算です。
海外旅行保険補償項目のうち、実際に補償が発生した補償項目の割合は、「治療と救援費用」の合計が46.4%で「携行品損害が26.9%」であり、この3項目だけで全体の7割を占めています。
同調査によると2018年に海外旅行保険に加入した人の中で、300万円を超える補償が発生した件数は47件であり、その半数弱がシニア層(65歳以上)でした。
また、同保険会社の年間保険契約者数は100万人を超えているので、300万円以上の高額医療費用事故が発生する割合は全体の1%にも及びません。
つまり、極めて稀なケースといえるでしょう。
なので、300万円程度の補償を備えているクレジットカード保険を所持していれば、ほとんどの方が自己負担なしで済むことがわかると思います。
また、携行品損害については、個人の持ち物に大幅に左右されます。
そのため、多くの機材を持ち歩いて海外旅行しているクリエイター以外は、携行品損害の補償額が低くてもそこまで問題ないでしょう。
なお、外務省が発表している調査によると、死亡者数の頻度(死亡者数/日本人の海外出国者数×100)は、直近10年間は0.0025%~0.0032%の間で推移していると発表しており、傷害死亡・後遺障害補償の発生確率は極めて低いことがわかります。
これらのことから、3ヶ月以内の海外旅行であればクレジットカード付帯の海外旅行保険で十分だということです。
さらに、キャッシュレス診療に対応しているクレジットカードであれば、対応している病院に行けば、病院でお金は一切払わなくていいので安心です。
キャッシュレス対応の病院が近くにない場合、一旦自分でお金を立て替える形になり、後から費用請求するのが一般的です。
ちなみに、自宅から病院までの交通費も請求できるので、多少遠くてもキャッシュレス対応の病院に行くのがオススメです。
次より、あまり知られていないクレジットカード付帯海外旅行保険の「自動付帯と利用付帯のルール」について解説していきます。
自動付帯と利用付帯のルール
クレジットカードに付帯している海外旅行保険には、独自のルールが存在します。
それが「自動付帯」と「利用付帯」というルールです。
「自動付帯」は日本を出国した時点で自動的に適用される保険です。
自動付帯の何もせずともクレジットカードを海外旅行に持っていくだけで保険が適用されるということです。
一方、「利用付帯」は海外旅行に必要な交通費などを、クレジットカードで支払った時点から適用される保険です。
自動付帯のクレジットカードは、所持しているだけで日本出国時から90日間有効なのでわかりやすいですが、利用付帯のクレジットカードは少々複雑です。
利用付帯は自由度が高いクレジットカードで、日本出国後海外で旅行費用をクレジットカード決済した場合、カードで支払った時点から90日間保険が有効になるということです。
ということは、日本出国時から90日間は自動付帯のクレジットカードを使用し、91日目から利用付帯のクレジットカードを使用することで、180日間海外旅行保険が有効になります。
注意点として、利用付帯のクレジットカードの補償内容は自動付帯のものと比べて弱い傾向あります。
なので、利用付帯のクレジットカードに関しても複数所持で補償額を合算し、旅行先に合わせて海外旅行保険を発動させるのがいいでしょう。
このように自動付帯と利用付帯のルールをうまく利用すると、90日以降もクレジットカード付帯の海外旅行保険が使用可能で、理論上は1年以上クレジットカード付帯の海外旅行保険だけで海外生活が可能です。
ただし、補償金額が少ないのであまり現実的ではありません。
なので180日ごとに一度日本に帰国し、一旦海外旅行保険をリセットをすることをおすすめします。
- 日本出国から(0~90日)は自動付帯のクレジットカードで海外旅行保険を使用
- 90~180日は利用付帯のクレジットカードで海外旅行保険を使用
半年間であれば補償金額から見ても現実的です。
一度日本に帰国すると、日数がすべてリセットされるので、日本出国から3ヶ月経った段階で一度帰国することで、次の日本出国から再度90日の自動付帯海外旅行保険が有効になるということです。
こうすることで高額な保険料を払うこと無く、長期の海外旅行にも対応することが可能です。
保険会社とクレジットカードの補償内容
クレジットカードの基礎知識、そして自動付帯と利用付帯のルールを把握したところで、次は具体的に保険会社の海外旅行保険とクレジットカード付帯の海外旅行保険の補償内容はどれくらい違うのかを確認していきたいと思います。
当然、保険会社は有料なので補償内容は手厚く、無料の楽天カードの補償内容は少なく見えます。
ここで一度、前述したジェイアイ傷害火災保険の調査を思い出してみましょう。
2018年に海外旅行保険に加入した人の中で、300万円を超える補償が発生した件数は47件であり、その半数弱がシニア層(65歳以上)でした。
なので、最低でも300万円程度の補償が必要でしょう。
合算結果を見ると、治療費用は合計600万円ほどあるので、保険料を1円も払わずとも、最低限の防御力を作れることがわかると思います。
もちろんここでは無料のクレジットカードのみしか紹介していませんが、有料のクレジットカードだと海外旅行保険の補償内容も手厚くなります。
無料のクレジットカードだけだと、流石に有料の保険会社の海外旅行保険と同等とまでは言えませんが、海外旅行保険が充実した有料のクレジットカードを組み合わせれば、保険会社の海外旅行保険と遜色ない補償内容が実現可能です。
ここでは無料のクレジットカード付帯の海外旅行保険だけでも、合算すれば最低限の備えはできることを覚えておきましょう。
それでも不安な方は
ここまで海外短期旅行者はクレジットカード付帯の海外旅行保険だけで十分とお話してきましたが、「それでも不安….」という方もいると思います。
そういう方向けに今世界中で話題の海外旅行保険サービスをご紹介します。
それは【SafetyWing】というサービスです。
Safety Wing(セーフティーウィング)
Safety Wingのサービス内容を簡単に説明すると、月額37ドル(約4,000円)の保険料で約180ヵ国で使える医療保険を提供するサービスです。
ちなみにこの37ドルという金額は、18歳-39歳の場合であり年齢層によって金額はもちろん違います。
Safety Wingは、実は日本の東京海上とも提携してプランを運営しています。
このサービスがスゴいのは、日本の保険会社よりも圧倒的にコストが安いことだけではなく「旅の途中」「世界のどこにいても」登録ができることです。
残念ながら日本の保険会社が販売している海外旅行保険は、日本出発時点での加入が前提になっているものしかありません。
その他の特徴としては、終了日を設定しない限りは28日ごとに更新されていくサブスクリプションサービスなので、好きなときに解約できます。
また、90日ごとに母国でも30日間の国内保険が適応されることや、大人1人につき子供1人(10歳まで)まで追加コストなしカバーされることが挙げられます。
1日約130円という価格なのに、補償内容も充実しておりなんとも太っ腹なサービスです。
注意点としては以下の4つがあります。
1.パソコン、カメラ、携帯などの電子機器は保証に含まれない。
2.アメリカへ行く場合は保険料が上がる。
3.高いリスクを伴うスポーツによる事故は対象外。
4.持病や予防は対象外。
SafetyWingは、これから世界一周予定の人やワーキングホリデーを考えている人にもオススメなので、もしあなたの友人・知人にその予定のある人がいれば教えてあげて下さい。
クレジットカード付帯の海外旅行保険だけでは不安という方は、SafetyWingなどの海外旅行保険を上乗せすることで、その不安は解消できたのではないでしょうか?
短期旅行者はクレジットカード付帯の海外旅行保険を複数合算、長期旅行者は現地の医療保険、もしくはSafety Wingがオススメです。
2度の海外入院を完全無料にした最強のクレジットカード5選
大前提として、クレジットカードならどれでもいいというわけではもちろんありません。
クレジットカードによって、そもそも海外旅行保険が付帯していないカードもあるので、海外旅行保険に強いクレジットカードを選ぶ必要があります。
それでは早速結論から述べます。
所持しているクレジットカードと補償内容をまとめました。
クレジットカードによって海外旅行保険が自動付帯か利用付帯、保険適用のタイミング、補償金額、年会費なども異なります。
難しいことを考えたくない場合は、ここで紹介しているクレジットカードを作れば防御力を高めた旅行、旅ができるので是非参考にしてみて下さい。
それでは以下よりそれぞれのクレジットカードを詳しく解説していきます。
【自動付帯クレジットカード】
(SPGアメックス)
年会費:31,000円(税抜)
保險期間:3ヶ月(90日)
傷害死亡/後遺障害:1億円
治療費用:300万円
救援者費用:400万円
個人賠償責任:4,000万円
携行品損害:50万円
航空機寄託手荷物遲延:2万円
(楽天プレミアムカード)
年会費:10,000円(税抜)
保險期間:3ヶ月(90日)
傷害死亡/後遺障害:5,000万円
治療費用:300万円
救援者費用:200万円
個人賠償責任:3000万円
携行品損害:50万円
航空機寄託手荷物遲延:なし
(エポスカード)
年会費:0円(無料)
保險期間:3ヶ月(90日)
傷害死亡/後遺障害:500万円
治療費用:200万円
救援者費用:100万円
個人賠償責任:2,000万円
携行品損害:20万円
航空機寄託手荷物遲延:なし
【利用付帯クレジットカード】
(リクルートカード(2枚))
年会費:0円(無料)
保險期間:3ヶ月(90日)
傷害死亡/後遺障害:2,000万円
治療費用:100万円
救援者費用:100万円
個人賠償責任:2,000万円
携行品損害:20万円
航空機寄託手荷物遲延:なし
(エムアイカードゴールド)
年会費:5,000円(税抜)
保險期間:3ヶ月(90日)
傷害死亡/後遺障害:1億円
治療費用:300万
救援者費用:400万円
個人賠償責任:5,000万円
携行品損害:100万円
航空機寄託手荷物遲延:なし
クレジットカードによって海外旅行保険が自動付帯か利用付帯、保険適用のタイミング、補償金額、年会費なども異なります。
難しいことを考えたくない場合は、ここで紹介しているクレジットカードを作れば防御力を高めた旅行、旅ができるので是非参考にしてみて下さい。
それでは以下よりそれぞれのクレジットカードを詳しく解説していきます。
SPGアメックス
【特徵】
- マリオット の「ゴールド会員資格」を、自動的に獲得
- カード継続で毎年、無料宿泊特典を獲得
- クレジットカード決済で、ポイント還元率3%&マイル還元率1.25%を実現
- 世界40以上の航空会社のマイルに交換可能
- 実質無期限のポイント有効期限
- エリート会員資格獲得用クレジットを獲得
メリット
海外旅行保険の充実
航空便遲延費用補償
手荷物無料宅配サービス
キャンセル・プロテクション (キャンセル費用が補償)
オンライン・プロテクション (不正使用による損害を補償)
リターン・プロテクション
ショッピング・プロテクション (破損・盗難などの損害補償)
デメリット
年会費が高額 34,100円(税込)
【海外旅行保険内容】
年会費:34,100円(税込)
保險期間:3カ月
傷害死亡/後遺障害:最高1億円
治療費用:最高300万円
救援者費用:最高400万円
個人賠償責任 :最高4,000万円
携行品損害:1旅行中最高50万円
航空機寄託手荷物遲延:最高20,000円
メインカードとして使っているのがこのSPGアメックスです。このカードは一言でいうと、海外旅行保険もマイルもこれ1枚でOKの最強クレジットカードです。
「SPG」というのは「スターウッドプリファードゲスト」の略でして、これは世界最大のホテルグループなんです。
アロリッツカールトンアロマリオットZロシェラトンなどの高級ホテルもこのグループに所属しており、このグループの提携クレジットカードがSPGアメックスというわけです。しかし、年会費が高額です。
メインカードとして使っているのがこのSPGアメックスです。
このカードは一言でいうと、海外旅行保険もマイルもこれ1枚でOKの最強クレジットカードです。
「SPG」というのは「スターウッドプリファードゲスト」の略でして、これは世界最大のホテルグループなんです。
アロリッツカールトンアロマリオットZロシェラトン
などの高級ホテルもこのグループに所属しており、このグループの提携クレジットカードがSPGアメックスというわけです。
しかし、年会費が高額です。
ですが、その年会費は「毎年高級ホテルに無料宿泊」という特典があるので、すぐに年会費分は回収できる可能性が高いです。
初年度は残念ながら利用できないのですが、2年目以降に毎年無料の宿泊特典(2名1室)がついてきます。
この特典のおかげで、高い年会費の元を十分に取れてしまいます。
無料宿泊特典が利用できるのは、50,000ポイントまでのホテルです。
高級ホテルに無料宿泊特典を使えるので、この特典だけでも年会費を余裕で回収できることがおわかりいただけると思います。
さらに、宿泊日に制限はないので、空室さえあればGWや年末年始でも予約可能です。
また、海外旅行保険も充実しており、普通のクレジットカードではあまり補償されない項目の補償が充実しています。
入院・盗難などは一般的なクレジットカード付帯の海外旅行保険でも補償してくれますが、飛行機の欠航、遅延、ロストバゲージは補償してくれないクレジットカードがほとんどです。
しかし、SPGアメックスではそれらも補償対象です。
乗継遅延費用(最高20,000円)
被保険者が航空便を乗り継ぐ場合において、乗り継ぎ地点へ 到着する被保険者の搭乗した航空便の遅延によって乗り継ぎ 地点から出発する被保険者の搭乗する予定だった航空便に搭 乗することができず、到着便の実際の到着時刻から4 時間以内 に出発便の代替えとなる他の航空便を利用できなかったとき。
出航遅延、欠航、搭乗不能費用(最高20,000円)
被保険者が搭乗する予定だった航空便について、出航予 定時刻から 4 時間以上の出航遅延、航空便の欠航もしくは 運休または当該航空会社の搭乗予約受付業務の瑕疵による 搭乗不能が生じ、当該航空会社の出航予定時刻から 4 時間 以内に代替えとなる他の航空便を利用できないとき。
受託手荷物遅延費用(最高20,000円)
被保険者が搭乗する航空便が予定していた目的地に到着してから6時間以内に、被保険者が携行する身の回り品で、かつ、航空便の搭乗時に当該航空会社が運搬を受託した手荷物が予定していた目的地に運搬されなかったために、被保険者が予定していた目的地において費用を負担することによって損害を被ったとき。
受託手荷物紛失費用(最高40,000円)
被保険者が搭乗する航空便が予定していた目的地に到着してから48時間以内に、受託手荷物が予定した目的地に運搬されなかった場合に、当該受託手荷物は紛失したものと見なし、被保険者が予定した目的地において費用を負担することによって損害を被ったとき。
さらに「キャンセル・プロテクション」という特典が付帯してます。
これは、病気・ケガによる入院や、急な出張などにより、予約済みの旅行やライブやイベントに行けなかった場合に、キャンセル費用などの損害をアメックスが補償してくれるサービスです。
要するに、やむを得ない状況の場合はアメックス側がキャンセル料を負担してくれるということです。
自己負担が少々発生し、キャンセルの理由によって補償学は変動しますが、なんとも太っ腹なサービスです。
なお、キャンセル・プロテクションの補償対象となるサービスは以下になります。
- 国内旅行契約・海外旅行契約に基づくサービス
- 航空機や船舶、鉄道、自動車などによる旅客の輸送
- 旅館、ホテルなどの宿泊施設の提供およびそれに付帯するサービス
- 演劇・音楽・美術・映画などの公演、上映、展示、興行
- 宴会、パーティーのように供する施設の提供およびそれに付帯するサービス
楽天プレミアムカード
【特徵】
最安値でプライオリティ・パスを獲得できる
メリット
楽天市場を日常的に使いやすい
年2回の手荷物無料宅宅配サービス
デメリット
年会費が高額(11,000円(税込))
【海外旅行保険内容】
楽天プレミアムカード
年会費:11,000円(税込)
保險期間:3ヶ月
傷害死亡後遺障害:5,000万円
治療費用:300万円
救援者費用:200万円
個人賠償責任:3,000万円
携行品損害:50万円
海外旅行によく行く人は持っている人も多いのではないでしょうか?
このカードは良くも悪くも「プライオリティパス」のためのカードだと思います。
世界中の空港で使用できるので本当に助かっています。
いつも空港で以下のような過ごし方をしています。
1.空港に3~4時間前に到着する。
2.事前にオンラインチェックインして、カウンターに並ぶ行列を避ける。
3.出国し、プライオリティパス対応のラウンジに向かう。
4.ラウンジ内でシャワー、食事、歯磨き、着替え、Kindle本をダウンロードを済ませてフライトに備える
5.離陸
年間約30~50フライトするので、空港ではプライオリティパスをフル活用して、ラウンジで作業することが多いです。空港は物価が高く、あまり美味しいものもないので。オーストラリアの空港では500mlの水が4ドルもします。
ラウンジでシャワーを浴びれますし、食事もできるので、空港には3-4時間前に着くようになり、ほぼ乗り遅れることが無くなるというのも一つのメリットです。
エポスカード
【特徵】
年会費無料で海外旅行可能なカード。
メリット
「年会費」「家族カード年会費」「ETCカード年会費」が永年無料です。ETCカードは発行手数料も無料です。
ポイントを日常に活用できるとなると、マイナス要素がない。
デメリット
特になし(年会費無料)
【海外旅行保険内容】
エポスカード
年会費:0円
保険期間:3カ月
傷害死亡/後遺障害:最高500万円
治療費用:200万円
救援者費用:100万円
個人賠償責任:2000万円(1事故の限度額)
携行品損害:20万円
普段あまり使わないカードですが、年会費が無料にもかかわらず、海外旅行保険の補償内容が充実しているので、保険料の合算目的で所持しています。
1つ目の「SPGアメックス」は主にマイル用、2つ目の「楽天プレミアムカード」はラウンジ用、そして3つ目の「エポスカード」は「保険料合算用」として使い分けています。
前提として、どれも海外旅行保険が充実しています。「海外に連続して3ヶ月以上行くことはない!」という人はここまでの内容で十分大丈夫です。
海外旅行に3ヶ月以上行く人向けに、「利用付帯の裏技」が使えるクレジットカードをご紹介していきます。
リクルートカード
【特徴】
1人で複数枚所持できる
メリット
海外旅行保険の利用付帯のカード
デメリット
特になし(年会費無料)
【海外旅行保険内容】
リクルートカード
年会費:0円
保険期間:3ヶ月
傷害死亡/後遺障害:2000万円
治療費用:100万円
救援者費用:100万円
個人賠償責任:2000万円
携行品損害:20万円
リクルートカードは、年会費無料で海外旅行保険が利用付帯の珍しいカード。
このカードは面白い使い方ができ、家族カードを合わせると1人最高3枚まで作れます。まさに海外長期滞在にうってつけのカードです。
エムアイカードゴールド
【特徴】
最高1億円の海外旅行保険も付帯のカード
メリット
国内外40カ所以上の空港ラウンジが無料で利用
家族カード4枚まで発行
デメリット
年会費がやや高額(5,000円)
【海外旅行保険内容】
エムアイカードゴールド
年会費:5,000円
保険期間:3ヶ月
傷害死亡/後遺障害:1億円
治療費用:300万円
救援者費用:400万円
個人賠償責任:5000万円
携行品損害:100万円
上記の表を見れば分かる通り、利用付帯の裏技が使えるクレジットカードの 中でトップクラスの補償内容です。
ちなみに、エムアイカードは全部で4種類あります。
1.エムアイカード:年会費:500円(税抜)
2.エムアイカードプラス: 年会費2,000円(税抜)
3.エムアイカードゴールド:年会費5,000円(税抜)
4.エムアイカードゴールドプラス:年会費10,000円(税抜)
この中で海外旅行保険が付帯しているのはエムアイカードゴールドとエムアイカードゴールドプラスのみです。
また、上記2つは年会費が違いますが、海外旅行保険の内容は同じです。
名前も似通っているので、カード申し込みの際は気をつけるようにしましょう。
「リクルートカード」単体の補償内容だと心細いので、リクルートカードは2枚で対応。さらに、エムアイカードゴールドを合算し、自動付帯の補償内容に引けを取らない補償内容を実現しています。
ここで今一度思い出していただきたいのは、ジェイアイ傷害火災保険の調査です。
同調査によると2018年に海外旅行保険に加入した人の中で、300万円を超える補償が発生した件数は47件であり、その半数弱がシニア層(65歳以上)でした。
また、同保険会社の年間保険契約者数は100万人を超えているので、300万円以上の高額医療費用事故が発生する割合は全体の1%にも及びません。
なので、300万円程度の補償を備えているクレジットカード保険を所持していればほとんどの方が自己負担なしで済むことが多いということです。
この調査から、これらのクレジットカードは自動付帯・利用付帯ど ちらも最低限の防御力は備えられてると言えるのではないでしょうか?
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