第4
第3では、上がり3ハロンタイムの重要性と、その(推定)タイムを予想における判断基準とすることを説明しました。ここまでの流れを整理すると次のようになります。
・穴馬のピックアップ方法
①過去10年のレース結果より、人気の分布をみる。
※重賞レースを対象とすることを推奨します。
※過去10年は目安です。これよりもレース数が少なくなると、検証元(データ)としては信頼性が落ちると判断して、10年で設定しています。
②人気の分布をグループ分けして、グループ単位で人気の傾向をみる。
③どのグループが馬券に絡む可能性が高いのか、おおよその見込みを付ける。
④見込みを付けたグループに該当する馬(3頭)の、それぞれの上がり3ハロンタイム(推定)を(ハイブリッド新開などを参考に)比較する。
⑤3頭のうち、もっとも後半上がり3ハロンタイムが上位の馬を穴馬としてピックアップする。
以上となります。
その後の展開としては、ピックアップした穴馬一頭だけを(単勝または複勝で)狙うか、もしくは、他の馬と絡めて(馬連や3連系で)狙うか、などの判断となります。
この判断についても、グループ分けによる傾向を参考にします。
例えば、対象レースの傾向として、Aグループ(1番人気)が馬券に高確率で絡むことが判断できたなら、1番人気の馬との馬券を購入。グルー分けによる傾向自体にバラつきがあって、例えば、Dグループ(8~10番人気)の中から1頭を穴馬として選んで、その相手候補として、Bグループ(2~4番人気)とCグループ(5~7番人気)が同じような水準の傾向の場合、Dグループの1頭を3連系の軸にして、相手としてBグループから1頭、Cグループから1頭をそれぞれ選んで勝負。
そのような買い方が考えられます。
この馬券の買い方の部分は、「〇〇と■■を買う」と決め付けてしまうと、大抵うまくいきません。あくまでも、グループ分けした人気の分布を見ながら、その都度(レースごとに)決めていく方が適切でしょう。
さらに言ってしまうと、中心となる穴馬はどこかのグループから抽出した1頭としても、その相手候補としては、例えば、Bグループの馬3頭すべてを選んでしまう、といった買い方も有効です。
(推定)上がり3ハロンタイムは、穴馬を抽出するためだけに用いて、相手の馬については(絞り込まずに)無作為に選出するという買い方ですが、時には、自分のこだわりや固執を意図的に捨て去ることも大事です。
第5
・馬券の買い方について
馬券の買い方については、「これが正解」というものはないのですが、考え方としては、株式投資やFXなどと同様、いかにリスクを最小限に留めながら、資金を回していくかがポイントになってきます。
そこで、競馬における馬券購入においても、リスクを軽減させるための投資手法を活用していきたいと思います。
- 分散投資について
分散投資とは、手持ちの投資金額(軍資金)を分散して、いくつかのものに投資する手法のことです。
1つ(1回)のものに投資してしまうと、なんらかの理由で投資対象の価値が下落した場合、投資資金がほとんどなくなってしまうので、そうしたリスクを軽減するために行われる投資手法のことです。
運用に関する有名な言葉として、「卵を1つのかごに盛るな」というものがあります。
すべての卵を1つのカゴに入れておいた場合、もし何らかの理由でカゴが落ちてしまえばすべての卵が割れてしまいます。しかし、複数のカゴに分けて入れておけば、仮に1つのカゴを落としてしまっても、卵全部が割れてしまうことはありません。
つまり、投資の対象を複数に分けておくことで、仮にそのうちの1つが失敗しても、他のもので挽回することができ、全体のリスクを下げておくことができるかもしれません。
これが「分散投資によるリスク軽減」という考え方です。競馬予想においても、この分散投資の考え方を参考にして馬券購入を組み立てていきます。
- 資金額について
この本で推奨する月々の資金額としては、最低で1万円、最高では30万円程度です。1万円よりも少ない資金になってしまうと、分散したときの1回当たりの賭け金が安くなってしまうため、資産を増やしていくのが難しくなってしまいます。
また、資金が30万円よりも多くなってくると、(特に競馬初心者の方は)余計なプレッシャーがかかり、冷静な判断ができなくなってしまう可能性があります。
おすすめの資金額としては、10万円〜20万円ですが、各自無理のない範囲で、自分の資金額を定めていただければと思います。
- 分散について
分散について、本書では次の設定を基準としています。
・所持金を「20分割」したものを、1回の賭け金とする。
資金20万円の場合、1回の賭け金は1万円となります。
1回につき1万円の購入を、20回繰り返すことになるわけですが、この20回はあくまでも1ヵ月間での回数であり、1日のうちに購入する回数が20回という設定ではありませんのでお間違いなく
なお、20分割するのは、競馬は100%当たるものではないという前提のうえに設定しています。重要なのは、的中する前提で考えるのではなく、「的中しない」(ことが続く)前提で競馬を考えることです。
最後に
いかがでしたか。
これまでのあなたの競馬予想に生かせる部分、生かせない部分、それぞれあるかと思います。
私が言うのも変ですが、ここに書かれている内容をそっくりそのまま実践してほしいとは思っていません。あなたがこれまでに培ってきた競馬予想方法を軸として、こちらの内容で生かせる部分を加味しながら、より洗練させていただければと思います。
競馬において、100%の攻略法はありません。どんな理論、どんな方法にも、必ず抜けは起こり得ます。(それが競馬です)
自分の理論や考えだけに固執することなく、柔軟に競馬予想を組み立ててもらえると嬉しいです。重要なのは「情報」ではなく「正しい考えに基づく行動」です。
・1万人の中の1人になれる
「したい人、10000人。始める人、100人。続ける人、1人。」
これは、作家・中谷彰宏さんの言葉です。
何かをしたい人、知っているという人が「1万人」いたとしても、実際にそのことを始める人は、1万人の中の「100人」しかいない。さらに、始めた100人の中でも、それを続ける人は「1人」しかいない。
だから、何かを始めて続けてさえいれば、1万人の中の1人になれるということの例えです。
成功できないほとんどの人が、知っただけ、開いただけ、の先に進もうとしません。自分自身で都合のよい言い訳や理由を作り出してしまい、その先へとは動こうとしないのです。
知っただけで終わりにしてしまうのではなく、まずは、やってみましょう。そして、とにかく、続けてみましょう。それだけで、あなたは1万人の中の1人になれるのです。
競馬予想においても、現状に満足せずに、まだまだと捉えることが、より明るい未来が訪れるものだと思っています。私自身も、自分のルールや法則をさらにブラッシュアップして競馬予想の精度を高めていきたいと思います。
出会いをきっかけに、あなたの競馬ライフがさらに充実することを願っています。
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