第3章トレード方法を考えていこう
過去のプラストレードの中で良い形の物を参考にする
ここ最近の利益が出たトレードで良い形で終えた物を参考にするのも一つの方法です。まずは「この方法ならば確実にいける」と思える方法を一つだけ作るのです。
例えばそれが25pips前後で獲得できるとしましょう。それを月に4回獲得し、100pips前後という目標を考えます。
ここでは、月に100pipsが多いとか少ないとかは重要視しません。重要視するのは、そのパターンだけを待ち、そのパターンが発生したら確実にエントリーできるかどうかなのです。
恐らくこの時点では、まだ「月に1000pipsか・・・。1000pipsには程遠い・・・・」「リスクリワードから考えると25pipsじゃ足りない・・・」などの意見もあるとおもいますが、そうではなく、まずは「確実にこれはいける」と思える心の状態を作ることがとても重要なのです。
例えばです。あなたが「私は未来に行って、ここから+25pips上昇するのを確認してきた。その証拠写真も撮ってきたから間違いない」という状態だったとします。
それでも「でも、やっぱり損失したら・・・」とか「リスクリワードが・・・」という思いに邪魔され、エントリーを見送るべきでしょうか。
もう一度お伝えしますが25pipsは例として書いてあるだけなので気にしないでください。それが10pipsや15pips、50pipsでもいいのです。
まずは「これなら確実にいける」「これだけやっていればいい」「これが俺の勝ちパターン」という心の状態を作る事が重要なのです。
なぜ過去のトレードを参考にするのかというと、成功を実体験しているため、よりリアルにイメージしやすいからです。
今後、時間や価格などがすべて100%一致する形は現れませんが、とても似ている形状は登場するはずです。
そして慣れてきたら、非常に似ている形、少し似ている形、まあまあ似ている形などを捉えることができるようになってくるのです。それにはどのくらい時間がかかるかは人それぞれですが、そのように幅を広げていくためにも毎日の勉強と練習が大切なのです。
自分はどういうトレードをしたいのか考えてみよう
チャートを見る時間が限られている人。いつでもトレードできる人など、生活スタイルによってトレードできる時間帯などが異なるため、いつトレードしたいのかは読者様によって変わってくると思います。
また、ここではいつトレードしたいのか、という時間だけではなく、どういう形でトレードがしたいのか。もっと具体的に書きますと、どういう形になった時にどのタイミングでエントリーをしてどこで利益確定をしたいのかまで具体的に考えていきます。
それにはどのようにすればよいのか、まず、出来上がっているチャートで考えてみてみましょう。次のチャートをご覧ください。
「●(赤丸)」のところで売りエントリーをして「(青丸)」のところで利益確定をしたいとします。(見やすくするために矢印を記入しています)
完成されたチャートから考えることに意味があるのかと思われるかもしれませんが、迷路をゴールから解いていくようなイメージです。あるいは完成予定図のように考えてください。
エントリーのタイミングを詳細に書きますと、Bのラインを下抜けし、(赤丸)のように、抜けた状態でローソク足が確定したらエントリーボタンを押します。
では次に、この判断ができるようになるためには何が必要なのかを考えていきます。使用したいもの(ここでいう「もの」とは考え方も含めます)は人によって異なりますが、私の場合は次のものを選びました。
・値動きの特性
・ローソク足(形状の特性)
・移動平均線(図では指数平滑移動平均線)
・水平線(支持線、抵抗線)
・トレンドライン(使用している人のために引きました)
・波動理論
ここで大切なのは、「何を使えば」「知れば」「認識すれば」「判断すれば」、●(赤丸)の時にエントリーが出来
るようになり、●(青丸)のところで利確設定ができるようになるかを考えることです。
下抜けし、さらにトレンドラインも下抜けしたことに気が付く必要があります。つまりこれらのラインが引けないと機会を逃します。
水平線Bの説明を簡単にしますと、この水平線Bは最後の上昇トレンドの基(押し安値)なため、ここを下抜けするとトレンドが崩れる場所(価格)という理由で引きました。もう少しわかりやすくするため、図内に書き込みを追加してみました。
水平線Bのラインの基(C)は、さらにその前の小さな下降トレンドを上抜けした後、初めて作った上昇トレンドの基なので非常に重要なライン、または強いラインと私は認識します。強いラインというのは、参加者、または参加数が多いラインのスタート地点と解釈しています。
そこを下抜けされたということは、そこで参加した人が焦り、売り逃げしたくなる時です。その売り逃げしたい人たちに便乗して売りをエントリーするというトレードです。
トレード方法を簡単に解説しましたが、ここで重要なのは読者の方が「へえー、そういうトレードをしているんだ」「そんな単純な方法で本当に稼げるの?」と思うことではなく、このトレードができるようになるには何が必要かを導き出す事です。
つまりここでは、まず「値動きの特性とは何か」「トレンドとは何か」を理解していることから始まり「なぜそこに水平線を引くのか」という理由を自分なりの解釈を持っているかどうかなのです。
ここで値動きについて少し説明しますと「下降の流れがあるラインで止まり、反発して上昇していくのはなぜ「か」というのを私なりの解釈で話しますと、まず下降の流れが止まるということは「売り優勢の流れが止まる」ということです。
売り優勢の流れが、あるラインで売り参加者数と買い参加者数が一時的に同じくらいになったので止まり、買いたい理由を持つ参加者数がそれを上回ったため反発し上昇していくのです。
この文章は少し読みにくいと感じませんでしたか?あえてそのように書いたのですが、その理由は読者のみなさんが、ご自身の言葉や文法で再度認識し直していただきたいからなのです。読みにくい文章をゆっくりと読み進め、自分の頭の中で整理して何度も読み返した経験がある人もいると思います。それが狙いなのです。では話を戻します。買いたい人とはどんな人たちなのか。それを簡単にまとめると次の通りです。
・新規で買いたい人たち
・決済で買い戻したい人たち(利益の買い損切の買い)
ここでは損切の買いをしたい人たちがどんな状況に置かれているか考えてみます。損切の買いをしたい、ということは、過去にどこかで新規売りのエントリーをしており、それが損失状態となったので損切をしたいと思っていることになります。よって、どこで新規売りを入れたのかをチャートの左側を見て考えるのです。
このような形で私は自分なりの言葉や解釈で判断しラインを引いています。色々な説明をしましたが、ご自身がしたいトレードをゴールから見て、それができるようになるには何が必要なのかを考えてみてください。
自分が望んでいる方法を追求していく
ここでいう望みとは、いくら稼ぎたいとか何ピップス獲得したい、という部分ではなく、どういうトレードで稼いでいきたいのかです。
自分がやりたいトレード方法を考えていく過程の中で「でもなぁ・・・」「けどなぁ・・・」と思ってしまい、本当はその方法をしたいのに、過去の失敗からその思いにブレーキをかける思考が発生する時があります。
以前、それで大失敗をしてしまったのでその苦い経験からブレーキをかけてしまう気持ちは自然なのですが、「それをしたら本当にヤバイ」ということなら、それが選択肢に出てくることはありません。
制限速度60キロの道路を時速120キロ出してスピード違反で捕まり、相当苦い経験をしたのなら二度とそこでは120キロを出さないのと同じです。
過去の失敗からどのくらいの期間が経過しているかはわかりませんが、その時の自分と今の自分とを比べた場合、どのくらい成長しているかです。
昔は30kgしか持ち上げられなかったベンチプレスも、あれからトレーニングを積み重ね、今では60kg持ち上げられるかもしれないのです。
あの時は良いポイントでラインを引けなかったけれど、勉強を続け、認識力を上げ、成長した今となっては良いポイントにラインを引くことができるのかもしれないのです。
そのような理由から、過去の基準で判断せず、本当に自分が望んでいる方法から考えてみてください。その方が気持ちが前向きになり、楽しくチャート分析ができるようになっていきます。
とはいっても最初は基礎が大事
とは言いましても、デビューしたての人が「私はスキャルピングで毎日コツコツ稼ぎたいから1分足と5分足だけでトレードをしていきたい!」という思いは、経験者の私から言わせていただきますと無謀な気もします。野球で例えるなら、正しいボールの握り方を教わらず投手として試合に出場するようなものです。
「スキャルピングは、持越しをしないから安心」「毎日数千円から数万円稼げるのは素晴らしい!」など色々な思いがあると思いますが、望んでいる姿が今の自分でも可能かどうかを考えた場合、順番として何から始めればいいかです。漢字を学ぶ前に、まずはひらがなから学ぶのと同じです。
スキャルピングのお話を少しさせていただきますが、そのスタイルがいいとか悪いとかではなく、それを始める前に、ローソク足や水平線、値動きなどの基本的な知識を徹底的に身につけることから始めることをお勧めします。
スキャルピングがどのような手法かはネットなどで調べていただきたいのですが、よく知られている方法は、小さい時間足(15分足、5分足、1分足など)、小さな値幅を獲得していく方法です。
スキャルピングでいきなり稼ぐことの難しさの理由の一つとして、使用する時間足の小ささがあります。4時間足には1時間足、30分足、15分足、5分足、1分足などの時間足の情報をすべて含みます。(MT4での時間足で説明しています。)
つまり大きな時間足というのは情報量が多いので、それだけパターン通りに動きやすい傾向にあるのですが、情報量が少ない5分足や1分足ではそうならない時があります。
また、参加者・参加数(人数というよりは売買されている取引量)が大きいと、大きい波、大きい値動きが発生します。
もしこれがマリンスポーツのサーフィンであったらどうでしょう。穏やかな波より大きな波の方が、最初に大きい波が発生したことが目で見て確認できます。また大きな波の方が乗りやすいし継続しやすいです。
宇宙人が攻めてきたという情報が入り、一人だけ逃げている状況を見るのと、1万人が逃げている状況を見るのとではどちらが信じられるでしょうか。「俺は一人が逃げている状況でも信じる」という人も、今は周囲の人々の視点で考えてみてください。
それだけ大きい時間足というのは、参加者参加数(売買されている取引量)により、わかりやすい方向に動きやすいのです。いわゆる「騙し」が少ないのです。いつの時代も真っ先に騙されてしまうのは知識と経験が少ない人です。ご存じの方もいると思いますが小さい時間足は「騙し」の動きが多いです。
このような理由から、いきなりスキャルピングでデビューすることは、私の意見としてとても厳しい道のりになると言いたいのです。
「さっきは望んでいる方法をやろうと書いてあったのに、言っていることが違うじゃないか」と言われても仕方ありませんが、それでも基礎を身につけてからスキャルピングを目指してください、と私は言います。
基礎の上に個性が成り立つのです。ではそのトレードの基礎とは何なのかを考えてみましょう。
もしここで「正しい正解はありません」と言われたらどうしますか?実際、FXトレードの基礎というのは、人によって回答が異なります。(ここでいう「人」というのは稼げている人たちのこと)
つまり正しい答えは一つではないのです。もしかしたら複数あるのかもしれません。この文章をわざとだらだらと書いているのには理由があるのですが、その理由はご自身で考えて生み出してほしいからなのです。
最初は間違っていてもいいのです。それに気づいて訂正していけばいいのです。重要なのは自分の理論からFXトレードの基礎はこれだ!と言えること、つまり自分の軸を持つことです。きっとこの本を読んでいる方の中にはインターネットで「トレードの基礎」などで検索する人もいるでしょう。
あるブログに「トレードの基礎とは・・・」と書いている記事を見つけ、その内容に少しでもなるほどと思ったのなら、今のあなたにとってトレードの基礎とは、その人の理論になってしまうかもしれないので注意してください。
私が思っている「トレードの基礎」のヒントを書いておきます。(実は本文のどこかに書いてあるのですが)そもそも何故FXをするのかというとお金を稼ぐことです。チャートを見てお金を稼ぐにはあるところで入り、あるところで出ることです。その差分が利益となって手元に入ってきます。
つまり、目的はお金を稼ぐこと。では「どうすればお金が稼げるのか」これがヒントです。あくまでもこれは私の持論です。
あなたもあなたの持論を作ってください。今すぐ作るのではなく、経験と勉強、練習を積み重ね、自分の中から自然と言えるようになることを応援しています。
認識力を修正していく
昨日まで思っていたことが、知識と経験を積み重ねていくにつれ、認識力はどんどん向上していきます。たかが水平線一本でも、デビューした頃に引いた一本と今の一本では、たとえ同じ場所に引いた場合でもその意味も理由も異なっています。
デビュー当時は本に「前回の安値や高値に引きましょう」「何度も止まっている価格に線を引きましょう」と書いてあったのでその通りに引いていたものが、今では「ここでは売買が激しく行われ反転した場所なので損している人が多いかもしれない場所である」「強く伸び始めたスタート地点だからラインの強度は強いはずだ」など、自分が探し出した認識で引けるようになっているかもしれません。
仮にそれがあまり機能しなかったとしても、それを訂正していけばいいのです。それの繰り返しこそが鍛錬であり成長していく過程なのです。
水平線に限ったことではありません。単純移動平均線にしても波動理論にしても外部からの情報をそのまま使用するのではなく、知識としてそれを脳に取り入れたら、自分用に解読するのです。
印刷をして分析をすることを怠らない
現在では、小学校でもタブレットなどを取り入れて授業をする時代です。またペーパーレス化の促進により、紙そのものが少しずつ減ってきている時代ですが、やはり直接紙に書いて勉強をするということはとても重要なことだと思います。
大きめのタブレットでも似たような作業はできますが、水平線1本を引くことを比べると、定規で引くのとモニター内にマウスでパッと引くのとでは、体に伝わってくる感覚が異なります。
前項でも書きましたが、私は印刷したチャートはメモ用紙として使用しています。残しておく理由が私にはないので使える物は使うという理由からです。
気が付いたことはもちろん、思いついた練習方法、取り入れてみたい事などをメモし、それを何度か整理した後ノートに複写しています。値動きやローソク足の動きに疑問を抱いたり、再確認してみたい時はその軌道を線で描き視覚化しています。
他には、感情を発散したい時はその思いを書きなぐったりもします。自分の考え方や思いを肯定したい時は一人二役になって、話す側と聞く側になり各セリフを書いたりもします。
「印刷して分析する」という見出しから外れた内容に読めたかもしれませんが、分析するのはチャートだけではなく、自分の心の状態も分析するのです。
余談ですが、トレード結果についてはエクセルで集計しています。MT4の「レポートの保存」からデータを取得し、そのデータをエクセルに貼り付け、金額、ピップス、トレード回数、勝率を月ごとに集計し、最終的に1年で集計しています。
それだけは手作業だと大変なので紙面上では行わずパソコンで作業しています。
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