8⃣クラウドワークス利用時に気をつけたいこと
クラウドワークスでの禁止事項
クラウドワークスを利用する際、仕事を依頼する人と請け負う人のどちらも見落としがちな禁止事項があります。次の点は気をつけるようにしてください。
- 複数のアカウントを作ってはいけない
クラウドワークスで使用するログインアカウントは、一人ひとつしか取得できません。複数のアカウントを作って登録するのは禁止です。特定の仕事ごとや、発注用と受注用を使い分けるといった利用はできません。
- 社員登用を目的とした求人は禁止
クラウドワークスは就職をあっせんするサービスではありません。そのため、社員登用を目的とした仕事の募集はできません。クラウドワークス事務局はこのような募集を見つけ次第、ただちに掲載を削除します。
- オフィスなどで常勤しての仕事募集は不可
パートやアルバイトの求人募集と異なる事項です。オフィスに出向いて連日その場所に勤務する仕事の募集は認められていません。うっかり応募しがちですが、募集禁止の仕事であることを知っておいてください。
- 成果報酬目的の仕事は禁止
発注者が受注者に商品の購入や指定したサービスへの登録をさせて、仲介手数料を得る目的の仕事は禁止です。アフィリエイト行為がこれに該当します。
- 発注者が契約前に応募者の連絡先を聞き出してはいけない
発注者が募集時に応募者のメールアドレスや住所、電話番号といった連絡 先を聞き出すことはできません。これができるのは契約後です。個人情報だ けを聞き出されるトラブルにもつながるため十分気をつけてください。
- クラウドワークスを介さない契約は禁止
条件交渉だけ進めて契約はクラウドワークスを介さずに直接相手と結ぶの は禁止です。報酬の手数料天引きを避けたいからといって、直接契約をするのは規約違反です。
ほかにも、公序良俗に反するような仕事の募集は禁止されています。仕事に応募する前に、クラウドワークスの利用規約に記載されている禁止事項に目を通しておくとよいでしょう。
著作権侵害や盗作は絶対厳禁
クラウドワークスで仕事をする際に絶対にしてはならないのが、他人の作品や著作物を、許可なく勝手に流用する著作権侵害行為です。発覚すれば最悪の場合、損害賠償にまで発展します。
書籍や音楽のみならず、インターネット上で公開している写真や投稿記事には、それを作った人に著作権があります。他人が作ったものを許可なく流用することは著作権侵害となり、著作権法に抵触します。クラウドワークスでの仕事は、著作権法を遵守して作業・納品をしなければなりません。たとえば、ブログ記事を他人のブログから丸ごとコピーして納品することは盗用行為であり絶対厳禁です。発注者も検収時にコピーチェックツールを使って内容を確認します。納品物がコピーであるとわかれば報酬が支払われないどころか、途中で契約を打ち切られる場合もあります。くれぐれも、他人のものを無断盗用して納品するような軽はずみな行為はしないでください。
なお、納品して報酬が支払われた場合は、基本的に納品物の著作権も発注者に移譲することになります。後日、同じような仕事を引き受けたとき、すでに納品したものをそっくりそのまま使い回すことはできません。
著作物の扱いは、プロフィール用として使用する画像にも気をつけてください。たとえば、アニメや映画のキャラクターを使用することは、著作権侵害にあたります。クラウドワークスの仕事では常に著作権と深く関わるだけに、日頃から著作権への意識をもつように心がけてください。
不正に入手したソフトでの作業は信用を失う
海賊版や不正にコピーしたソフトで作業することは、自分の信用を落とします。ソフトの使用許諾契約に反して譲渡を受けた場合も同じです。仕事で使うソフトは必ず正規品を入手しましょう。
在宅ワークで使用するソフトは、仕事道具そのものです。正規品以外のソフトを使うことは、仕事に対する姿勢を問われます。発注する側も、不正行為をしている人に仕事を依頼しません。自分で自分の首を絞めるだけなのでソフトが高額で買えないのであれば、準備資金を調達するのが先です。あるいは、フリーウェアなど無料で使えるソフトで代用しましょう。特に、プロ向けのソフトは使いこなすだけでも時間がかかります。まずは、基本機能が整っているソフトを使って基礎的な技能を身につけましょう。そして、仕事をこなした報酬で本格的なソフトを入手するのが最良の方法です。
正規のソフトでも、家庭用やアカデミック版は使用許諾契約で仕事目的には使えない場合があります。在宅ワークもれっきとした仕事です。これらのソフトを使用しているときは念のため使用範囲を確認しておきましょう。
仕事に応募する前の心構え
仕事したさや、お金欲しさだけで応募すると、仕事がとれても手に負えず、納期が迫るにつれ火の車に直面します。プロジェクトやコンペの仕事に応募する前に次の点は心得ておいてください。
- 興味本位やあいまいな動機で応募しない
やったこともない仕事を、興味本位やなんとなくできそうと漠然とした動機で応募するのは発注者に失礼です。相手は冷やかしや不謹慎な応募として受け取ります。誰でもできる仕事の中には、専門用語を使うものもあります。たとえば、文字起こしでは「ケバ取り」、「素起こし」などの意味を理解しておかなければなりません。仕事内容について右も左もわからないときは、入門書を読んだり、ネットで検索するなど下調べをして、最後まで責任をもって取り組めるかを検討してから応募しましょう。
- 練習と本番の仕事は分けて考えよう
仕事とは、自分ができることを奉仕して対価をもらうのが基本です。自分のための練習台ではありません。勉強や練習のつもりでといった生半可な気持ちで仕事をすれば発注者は不本意な思いをします。今までやったことのない仕事は、自分で練習してきちんとこなせるか確かめておきましょう。ぶっつけ本番で契約しても、納品できなければ信用を失います。
- 簡単な仕事は楽な仕事とは限らない
在宅ワーク初心者が陥りやすいのは、簡単な仕事だから楽な仕事だと思い込んでしまう点です。簡単な仕事は、作業内容や手順は簡単であっても、終わらせるのに時間がかかったり、想像以上に労力を必要とする場合がよくあります。簡単と銘打っている仕事は、事前練習をしてから応募を検討してください。
- 労力に見合わない仕事への応募は控えよう
募集している仕事の中には、報酬があまりにも安いものがあります。在宅ワーク初心者なので安い報酬でもよいと安易に引き受けると、最後はつらい思いをします。たとえ報酬が安くても、相手の望み通りに納品ができなければ繰り返し修正を求められます。やっとの思いで終わらせたときには、もはや精も根も尽き果てます。在宅ワークはボランティアではありません。募集を見てあからさまに安すぎる仕事には応募しないよう自戒を込めておくようにしましょう。
- 報酬金額に目を奪われないように
高額報酬をうたって募集している仕事にも注意が必要です。高額報酬の仕事の中には、大量の納品を求めているものがあります。たとえば、ブログ記事を何十本も書くなどです。原稿用紙一枚分くらいの記事執筆でも、何本も書くのは骨の折れる仕事です。しかも、期限内に同じテーマで内容の異なる記事を書くのは想像以上に大変です。納期が近づくと無理してでも仕事を仕上げる事態にもなりかねません。結局、高めの報酬を得ても、割のあわない気分が残ります。高額報酬でも量をこなす仕事は、単発でできるタスクの仕事で十分な経験を積んでから検討しましょう。無理なく仕事ができるかを見極めてから応募しても遅くはありません。
時給制の仕事は内容を確認しよう
時給制で募集している仕事は、タイムカードシステムを使っての作業であるかを確認してから応募するようにしましょう。
時給制の仕事は、発注者が時給制のしくみを理解せずに募集を出しているときがよくあります。特に、アルバイトの給料のように、作業後に各自が自己申告で報酬を請求するものと勘違いしている場合があります。
時給制の仕事は、クラウドワークスが提供しているタイムカードシステムをパソコンに入れて作業状況や報酬を管理します。つまり、パソコンを使っての仕事でなければ時給制は適用できないのです。たとえば、外で調査をする仕事を時給制で募集していた場合、仕事中はパソコンを使わないため時給計算ができず、最終的に発注者は報酬を支払えません。したがって、応募して仕事をしても報酬の支払いでトラブルを生じます。
時給制の仕事は内容をじっくり読み、発注者がタイムカードシステムを使うことを前提としているかを入念に確かめてから応募してください。明確にわからないときはショートメッセージを送って確認を取るようにしましょう。
気がかりな仕事には応募しない
仕事上でトラブルになりやすいのは、依頼内容をきちんと理解しないまま契約をしてしまうケースです。あとでなんとかなると安易な気持ちで引き受けてしまうと、契約後に仕事内容が思い描いていたものと隔たりがあることに気がつき、発注者と意思疎通がかみあわずに納品トラブルを起こします。そうなれば、後味の悪い思いをすることにもなりかねません。
募集内容を見て、少しでも不安や気がかりな点があれば、応募は控えるほうがよいでしょう。特に次の点には注意してください。
- わからない用語が並んでいる仕事には手を出さない
知らない専門用語が多く、仕事内容を把握できない募集には応募しないほうがよいです。作業の意味も目的も理解できないと、きちんと仕事をこなせません。
- 仕事の目的や詳細が明確に説明されていないものも控える
仕事の目的や、納品したものをどのように扱うのかを説明していない仕事への応募は控えてください。契約後に詳細を説明するような仕事はトラブルの元になる恐れがありますので特に気をつけてください。
- 依頼内容が文章としてまとまっていない仕事は要注意
発注者の文章力があまりにも稚拙で、内容を読み取れない依頼は要注意です。こうした相手と契約すると、業務連絡も支離滅裂で何を書いているのかわからない文章で伝えてきます。発注者との連絡は常に文字でのやり取りが中心です。募集内容で発注者の文章力を判断し、意思疎通が図れる相手かを見極めてから応募を検討してください。
- 仕事内容に少しでもあやしいと思ったら手を出さない
募集内容を見て、少しでも違和感があったり、あやしいと感じたときは手を出さないのが無難です。中には公序良俗に反する恐れや、規約違反に該当するような仕事もあります。不安を感じるような仕事は何かあると思って応募は控えてください。
次のような仕事も、内容によっては利用規約に抵触する恐れがありますので十分気をつけてください。
- 発注者から何かを購入する仕事はしない
発注者を通じて商品やサービスを購入する仕事には手を出さないでください。内容によっては、利用規約で禁じられている成果報酬を目的とした仕事に該当します。指示通りに購入し、それをもとに依頼された仕事をしても検収で不備を口実に報酬が支払われなかった場合、相手は利益を得ても自分は赤字になるだけです。特に購入費を報酬に含めている仕事は気をつけてください。
- メールアドレスだけの収集作業
特定のサイトからメールアドレスだけを収集する作業は、迷惑メールの送信を目的としている恐れがあります。安易に手を出さないようにしてください。
- やらせ投稿やFacebookの「いいね!」を求める仕事は注意
単に商品の紹介や口コミを投稿する仕事なら問題ありませんが、意図的に過剰な評価を求める仕事は、言い換えればやらせと同じです。最近はFacebookの「いいね!」や、Twitterでのリツイートを求める仕事もあります。
作為的な評価につながる仕事はいわゆるステルスマーケティングに荷担する恐れもありますので、慎重に判断してください。
- ダビングや録画の代行は法律に抵触
市販されている音楽ソフトをダビングしたり、テレビ番組を録画して依頼者に送る仕事は引き受けないでください。著作物の無断複製行為に抵触します。複製した側が罪を問われるため、こうした依頼に手を出してはいけません。
発注者のプロフィールを確認しよう
クラウドワークスを利用しての仕事は、仕事を発注する側も請け負う側も互いに顔をあわせずに契約から納品まで行います。それだけに、仕事を請け負う側は発注者のプロフィールをきちんと見て、信用できるかどうかを確認してから応募するのが重要です。
発注者の素性や信用を確認するために、次の点をチェックしておくとよいでしょう。
- 発注者の自己紹介を確認する
発注者のプロフィールに自己紹介が書いてあるか確認しましょう。個人であるか法人であるか、自己紹介や会社概要がきちんと書いてあるか目を通してください。法人であれば会社のウェブサイトのアドレスが記載されているかも見ておきましょう。
- 過去に発注実績があるかを調べる
実績評価を見て、すでに発注した経歴があるか、高い評価を受けているかも事前に見ておきましょう。これらは、信用を確かめる重要な情報です。
- 本人確認手続きをしているかも見ておく
本人確認手続きをしていれば、信用だけでなく仕事への意気込みもわかります。
- アカウントに愛着や親近感のない命名をしていないか確かめよう
発注者が、アカウントやプロフィール名に愛着や親近感のない名前をつけていたり、仕事でやりとりするにはふさわしくない呼び名をつけている場合は自ずと契約に二の足を踏みます。仕事への姿勢にもつながりますので、契約時の判断材料にしておくとよいでしょう。
スカイプや電話でのやり取りを求められたら
作業中、発注者と文字でのやり取りでは伝わりにくい細かな打ち合わせをしたいときは、会話でやり取りするほうが効率的です。しかし、初対面で顔もあわせたことがない人と口頭で連絡をするのは抵抗があります。特に女性であれば不安を抱くはずです。
もし、発注者からスカイプのようなインターネット通話ソフトを使って連絡を取り合いたいと求められたときは、今までのメッセージのやり取りを通じて相手が十分信頼できるかを見極めてから応じるようにしてください。また、連絡を取り合うときは必ず在宅ワーク専用のアカウントを作成し、通話連絡をするときはあらかじめ何時にするかを決めて行うのがよいでしょう。
電話を使う場合はさらに慎重に行ってください。相手の素性がはっきりしており、電話番号を教えても大丈夫と判断できた場合に限り電話でのやり取りをしてください。
クラウドワークスでは、仮払い完了後は通話でのやり取りに制約はありませんが、契約前の場合は事務局に事前連絡をするよう求めています。クラウドソーシングサイトによっては、通話でのやり取りに特別な制約を設けていませんが、クラウドワークスでは指針が明確に決まっています。他のクラウドソーシングサイトも利用している人は、混同しないよう十分ふまえておいてください。
詳しくは、「よくある質問」から「スカイプ」でキーワード検索すると該当項目が出てきます。
発注者の依頼状況も見ておこう
発注者が一度にたくさんの仕事を依頼して、同時進行させていると、管理が行き届かない状況に陥っていることがあります。発注が法人であれば、一度にたくさんの仕事を発注しても、その法人の社員が分担して対応することもできます。しかし、個人であればすべて一人で処理しなければならず、能力が追いつかずに頓挫していることがあります。このような状況時に受注者から問い合わせを受けても、対応がままならない場合が多く、返事がないまま一方的に納品すると、報酬未払いのトラブルに発展しかねません。
発注者も、仕事を依頼したからには責任をもって作業の進行管理をしていくのは当然の義務です。その一方で、仕事を請け負う側が契約前に、発注者の現在の依頼状況を確認しておくことも大切です。発注者のプロフィールを確認する際は、現在の他の仕事の依頼状況もいっしょに見ておきましょう。
一度にたくさんの仕事を依頼していたり、大量の納品を大勢の人に求めている仕事が多くあるときなどは、発注者側の作業管理に無理が生じている可能性を推測できます。
女性限定の仕事は慎重に
募集案内の中には、女性歓迎のほかに女性限定と書いてあるものをしばしば見かけます。女性限定と書いてあるときは、必ず仕事内容をじっくり読んでから応募を検討してください。
女性限定の仕事としては、美容やおしゃれをテーマにした記事執筆があります。こうした仕事は女性でなければ書くのが難しいため、女性限定にする意味もわかります。また、女性の視点で書いてもらいたい狙いがあるため、限定にしたのだろうと察しもつきます。しかし、ごくまれに男女問わずできる仕事であるのに女性限定と明記したものがあります。発注者が女性で、仕事のやり取りをするなら女性同士でしたい意向があるのかもしれません。仕事内容を見て、なぜ女性限定にしなくてはならないのかわからない仕事であれば、応募は一考したほうがよいでしょう。
女性限定の仕事に応募すれば、自分が女性であることを相手に明示することになります。それだけに、女性限定にする目的や意図が明確に読み取れない募集は慎重に対処してください。
納品は仮払いが完了してから
プロジェクトの仕事で生じる、代表的なトラブルの原因が、仮払い前の納品です。発注者がエスクロー、すなわち仮払い手続きをしないうちに先に納品をしてしまい、そのまま発注者が持ち逃げして音信不通になるケースです。はじめてプロジェクトの仕事を請け負ったときに経験しがちな失敗です。
すでに説明しているように、プロジェクトの仕事では契約をしたあとに発注者はクラウドワークス事務局に報酬代金の仮払いをしなければなりません。これをすることで、仕事をした人にきちんと報酬を渡せるようにしています。しかし、仮払いの手続きが完了しないうちに納品すれば、発注者は代金を支払わずにそのまま持ち去ることができてしまいます。そうなれば仕事を引き受けた側はタダ働きをした結果になります。
万が一、仮払い前に納品をしてしまい報酬が支払われないときは、発注者へ催促のメッセージを送ります。それでも連絡がこなければクラウドワークス事務局に問い合わせて指示を受けてください。その際、仮払いができていない以上、報酬が受け取れるかは保証できません。最悪の結果になったときは、不本意であっても授業料を払ったと思い、その教訓を次回に生かすしかありません。
納品しても報酬が支払われなかったら
仮払い手続き完了後に納品をしたものの、いっこうに検収されず報酬も支払われないというトラブルがまれにあります。納品したものを受け取ったのかもわからず、しかも報酬が支払われるのかもはっきりしないまま何日も音沙汰がなければ、しだいに不安になります。
まずは契約詳細ページを見て、納品完了手続きを済ませているかを確認してください。これをしないままでいると発注者は検収ができず、報酬の支払い処理に進めません。最終的な納品は、「納品を完了する」ボタンを押して行います。メッセージ機能を使って納品してしまうと、納品完了手続きを忘れてしまうので十分気をつけてください。
納品完了手続きをして検収待ちのまま、いっこうに音沙汰がないときは、催促のメッセージを送ります。数日待っても何の返答もなければクラウドワークス事務局に問い合わせてください。その後の対処について教えてくれます。仮払い手続きがされていれば報酬は運営事務局に預託されています。
あとは指示に従って対応してください。
納品後に発注者と音信不通になっても、あわてないのが大切です。納品完了手続きの確認や催促メッセージの送信、事務局への連絡といった段取りを立てていけば冷静に対処できます。
苦い経験も今後の教訓にしよう
最後に、クラウドソーシングを利用した在宅ワークでは、些細な原因で不愉快な思いをしたり、トラブルに見舞われることを、あらかじめふまえておいてください。
日本のクラウドソーシングサービスは本格的に始まってまだ長い年月が経っていません。そのため、仕事を依頼する側も請け負う側も、ともにしくみや作業の進め方について、十分理解しないまま利用しているのが現状です。
システムやルールの策定も一層の充実が求められる部分もあります。また、顔が見えずに仕事のやり取りをするため、ビジネスマナーやモラルに欠けている利用者も少なからずいます。
たとえば、応募しても採用者にのみ連絡して、それ以外の人には選考結果を知らせない発注者は数多くいます。発注者の立場からすると、多数の応募があった際は一人一人に対応しきれないという事情もあるのでしょうが、応募者としては「一報だけでも連絡を入れて欲しい」と思うところです。また、発注者が契約にはない作業を提示したり、報酬に見合わない過大な修正を要求するトラブルもしばしば起きています。条件交渉と仮払い手続きをしっかり確認してから作業に入るという流れを、お互いに正しく理解して進めないと、契約後に発注者と連絡がとれず報酬が未払いになり、本来なら必要のない対応に労力を注ぐこともあります。
クラウドソーシングも実社会と同じく、良心的な発注者とそうでない人がいるのが事実であり、不用意に仕事を引き受けてしまうと、嫌な思いを強いられます。仕事を請け負うときは応募時に相手を見極め、契約内容をきちんと確認してから仕事を引き受けるのが大切です。
クラウドソーシングは、在宅ワークをより身近なものにしました。しかし、まだ事業活動としては発展途上の段階です。仕事を依頼する側、請け負う側、そしてサービスを運営する側それぞれが手探りでクラウドソーシングに取り組んでいます。良いパートナーとの出会いがある一方で、ときには不本意で苦い経験をすることがあるかもしれません。そのときは、失敗を教訓に対策を考えるなどして次に生かすようにしてください。
クラウドソーシングを使った在宅ワークはまだ始まったばかり。ともに新しい働き方を開拓していきましょう。
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